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NO NO GIRLSを観て、深い感銘を受けた話

最近、本を読んでも、何も感じなくなっていた。
こういうことはこれまでもたびたびあった。
本がないと生きていけないのに、インターバルの期間があるのがこれまでずっと不思議だった。
期間は大体一年くらいで、その間は本棚にある生涯をかけて読み抜くと決めている本を気まぐれに開いたりするくらいで、新たな本を読むことはない。インターバルが明けると、飲み込むように本を読む時期が訪れる。
その時が来るまで、インターバルを存分に味わおうと決めている。

そんな時に、NO NO GIRLSというオーディション番組を知った。
ちゃんみなさんがプロデューサーで、候補者の女の子たちを審査していくのだが、彼女の言動ひとつひとつに心が揺さぶられ、繰り返し何度も番組を観ている。
二十六歳という若いアーティストの言葉の深さ、人間としての温かさが感じられ、学ぶべきものがあまりにも多くあった。
インターバル期間でなければ、観なかっただろうこの番組と出会えたことを幸せに思う。

人前で歌って踊るということにプロ意識を持たなくてはいけない
やりたいことがあるのであれば、やりたくないこともやらなくてならない
自信がなさそうにするな
自分がやってきたことに誇りをもつことを絶対忘れてはいけない
天性のものを持っている人はそれを扱える実力を養わなくてはならない
このままだと、ただ歌がうまい人、ただダンスが上手な人で終わってしまう
舞台の上では私生活での怠惰な面が現れる
音楽とどう向き合うのか、音楽を通じてどうなりたいか考えてほしい

彼女の言葉を聞いて、本を読んだ時と同じような衝撃と感動を覚えるとともに、自分にとって書くことは何なのかを考えさせられた。

ただ好きだから書いてきた。書きたいことは泉のように湧き上がってきた。書くとしばらくの間は穏やかだが、また一定期間が空くと、また湧いてきて、これまで枯れることはなかった。
いつしか書くことを生業にしたいと思うようになっていた。そして、できることならば、百年先も残るような文章を書きたいという夢ができた。

でも、そのために何をしたらいいのかさっぱり分からなかった。
ずっとそんな状況だったのに、彼女の言葉で目が覚めたような思いがした。

心を動かされた絵画や音楽のことを思い返してみると、共通するのは作者たちが生涯をかけて表現を続けてきたということだ。
言い換えればプロとして表現を続けてきたとも言えるだろう。
どこに向かっているかわからないながらも、これまで書き続けてきたことは間違っていなかったと思えた。

ちゃんみなさんが候補者に対して、
応募してくれてありがとう
この表現方法を教えてほしい
と言葉をかけていたのがとても印象的だった。

彼女の姿勢を見て、本を書く人だけでなく、作品を生み出したり、表現を行う人全てに対するリスペクトの気持ちを持つ人間でありたいと強く思った。そして、今までのように本を読んだり、書いたりと自分が好きなことだけやるのではなく、アンテナを高く持ち、今まで見たことがないものを見て、聴いたことがないものを聴いて、私を深めていくことを怠ってはならないと思った。

本を読む以外にも、広い世界を見て、たくさんの経験をするためのインターバルの期間のような気がした。本の世界に潜って、今を生きることをおざなりにしてしまっていたのかもしれない。
目を開いてアンテナを高くして没頭できるものを見つけてのめり込むことで、読むこと、書くことをこれまで以上に深めてくれるような気がしている。

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