スケートリンクの真ん中でバスケを見る 地方と3人制バスケ3x3(スリーエックススリー)
青森県八戸市は、北国ではあるものの降雪が少ないためウィンタースポーツと言えばスケート!人口23万に対して、スケートリンクが現在3つか4つ!小中高の体育もスケート!
スケートリンクと言って想像されるのは概ねフィギュアスケートが開催されるリンクかと思いますが、私たちになじみ深いのはスピードスケート用のリンク(陸上競技場のトラックみたいな形)。貸し靴もスピード、ハーフ(スピードスケートの刃が短いバージョン)、フィギュア、ホッケー、2枚刃と各種取り揃えて八戸市民は冬になるとスケートを楽しむのです(私はあまり滑らないけど)。
というわけでそんな氷都八戸の威信をかけて建設された屋内スケートリンク「YSアリーナ」で3人制バスケの観戦をしてまいりました。(試合内容に関しては書かれていないので戦評を期待している人はそっ閉じで。)
え?バスケ?
どこでどうやるの?
スケートリンクとバスケットコート
じゃじゃーん!こんな感じでした。トラックの中の部分を活用しているんですね。この真ん中の部分までは地下通路を通っていきます。かっこええ!リンクでは普通にスケートを滑ってらっしゃいます。
ボールがはみ出ないようにネットで仕切って、
反対側はフットサルもできちゃいまーす!
当然ですが寒いです。
でもアイスホッケーやフィギュアスケートの観戦よりは寒くないかな。さすが新しいアリーナです。アイスホッケーやフィギュアが冷凍庫とするならば、こちらは冷蔵庫くらいの寒さ。タイツとヒートテックとダウンとひざ掛けくらいで大丈夫です。
観客の皆さんは防寒もばっちりでさすが八戸市民。スケートリンクに出かける心構えが完璧です。
3人制バスケ3x3とDIMEグループ
そんなわけで「HACHINOHE DIMEカップ」と称して行われたこちらの大会。3人制バスケ3x3(スリー エックス スリー)の中でも手広く活躍されているグループ。
TOKYO DIME OSAKA DIME HACHIHNOHE DIME
と三つのチームがこちらのグループに属しています。そうです。東京、大阪、八戸です。東京、大阪、八戸。大事なので2度言いました。
未だになぜ八戸にDIMEグループのチームができたのが謎なんですが、関係者の熱意とDIMEグループの義理堅さでしょうね。そして大都会八戸なんでしょうね(最後にさらっと誤情報)。
こうして、DIMEグループを集合させただけでも錚々たるメンバーが集合されるという。眼福眼福。
3人制バスケのチームの経営はおそらく5人制よりもコンパクトで、維持しやすい。試合は全国で行われるため地方の名をアピールする費用対効果が高いのと、地元以外のスポンサーが見つかる可能性もあるのかな。地方からも参入しやすいんでしょうね。
それでもやはりおしゃれで都会的なイメージが強く、
こんな感じで「渋谷にコートを」ってされていたので、八戸にチームができたのはおったまげましたよ。
昨年は八戸駅前に大会を招致し
駅前がシャレオツ空間に。八戸駅周辺っていっちゃあなんですが、なんもないところですからね!最近は住宅が増えましたがカエルがゲコゲコ、イナゴがピョンピョンなイメージ。そこに3x3の会場を設置しただけで雰囲気が一気に変わる。
因みに、Bリーガーであり公認会計士でありTOKYO DIMEのオーナーである岡田選手もこの時八戸にいらしてて、うちの子なんかは「かっこいい!なんか都会の香りしそう!かっこよすぎて近寄れない!むり!」なんてキャーキャー言ってました。都会の香りを3x3が運んでくれたんですねぇ。
この、コートを置くといつもの場所が非日常空間に変わるという面白さ。地方開催は地方ならではのギャップが出るので面白いです。中高生達が目をキラキラさせて上気した顔で夢中になる姿って未来への可能性でもあります。そういった光景を見ていると、私たちの町も悪くないじゃんって思えるというものです。
OSAKA と HACHINOHE DIME
そんなわけで今回は、スケートリンクにバスケ会場を作っての開催。普段なら親子連れやスケート愛好家でにぎわう空間がグルーヴ感溢れる雰囲気に。
今回は外国籍選手が不在ですが、日本人選手だけでも豪華!
青森のバスケヒーロー北向由樹選手が在籍している八戸DIME。
ストリートボールのバスケヒーローであり現Bリーガー弘前出身のKYONOSUKE(真ん中奥)、昨シーズン青森に在籍していた宮越選手(右)、youtuberのでこの日大活躍だった角田選手(手前)。みんな!肩出してると寒いよ!青森県南出身の北向選手だけ肩を覆っているのはリンクの寒さを知っているからでしょうか。
大阪DIMEは右から夏選手、藤高選手(現B2奈良)、ともやん(YouTuber)。こちらのチームは選手それぞれの人気が高く「DIMEカップ見に行くんだー」と友人に話すと必ず「藤高選手見たーい」「ともやん見たーい!」とうらやましがられたので私的に要チェックなチームです。夏選手は長袖で準備万端です。フィギュアスケートが盛んな名古屋出身だからリンクの寒さを知っているのでしょうか。
夏選手の経歴はなかなかアグレッシブで、部活以外の道からのプロ選手になられた方。現在はスクールと3人制バスケで活躍中。
3人制バスケの選手の皆さんって発信力が高く、ファン心をくすぐるというか嵌まるための沼がそれぞれちゃんと用意されているので「ファン活動楽しそうだなぁ」という方にはおすすめコンテンツですね。
そしてともやん!輝いていました。
「ともやん…」「ともやん…」とアップの時からさざ波のようにあちこちで名前が聞こえ、かくいう私もともやんに目が釘付け。オーラというのでしょうか、佇まいが芸能人のそれ。輝いてました。
北向選手とともやんのマッチアップの美しさたるや。
風!涼やかな風がコートから吹きつける!……いや、リンクが寒かったってことじゃないですよ。2人とも動きが美しくて眼福眼福。
藤高選手は、コートに立つと印象変わりますね。人気が高い理由がわかる気がします。
OSAKA DIMEは3人しかメンバーがいなかったので選手交代ができないのと、連戦ということあり思うような試合運びとはいかず敗れてしまいましたがそれぞれの選手の魅力は伝わりました。
王者の貫禄TOKYO DIME
この日、優勝したのはTOKYO DIMEなんですが、やはり長年3人制バスケにとりんでいるチームだけあって試合の展開が面白い。「あ、3人制バスケってこういうコンビネーションがあるんだ」と思わせてくれるチーム。1対1や2P(遠くからのシュート)も魅力なんですが、やはりこの「そこ行くんだ!」「こうきちゃうのぉ!」というコンビネーションの面白さ。窮地がチャンスにひっくり返るような相手の裏をかく「やられた感」。そういった面白さを存分に味わえました。
決勝ではともやんも実況に加わり(非常に面白かったです)
白熱の試合。3人制バスケの戦い方を知っているという点ではTOKYO DIMEにやはり分があるように感じましたが、意地で食らいつくHACHINOHEといった感じ。KYONOSUKEの2ポイントシュートに角田選手のダイナミックなアタック、いつの間にかゴール下にいる宮越選手とそれぞれの選手の見どころ満載。
後ろのともやん、楽しそうですね。
北向選手はディフェンスが上手い選手で、5人制の時はコースを塞いだり誘導するという印象が強かったんですが3人制ではガンガン体を張っていました。かっこよかったわ。新たな魅力に私がノックアウトされちゃいました。
というわけで両チームの魅力を堪能し試合終了。
ちなみに私は、TOKYO DIMEでは岩下選手(一番手前)が好きです。大きい選手ってそれだけでなんかすごい。
地方にプロスポーツチームがある重要性
というわけで久々というか今季初のスポーツ生観戦だったのですが、久々すぎて、そのイベント感に終始当てられっぱなし。ポーっとしちゃって試合内容よりも目の前に選手がいてバスケをしていることに興奮。
そして、久々に見たので改めて思ったのですがこうしてプロスポーツチームが地元にあって大会を招致する重要性をひしひしと。
地方在住者ってみんなファン活動に飢えているんですよね。
それが例えばバスケじゃなくてもいいんです。何かのファンであること、何かのファンである人が身近にいるということが地方ではあまりピンと来なく、それがゆえにニッチな分野を馬鹿にしたりメジャー路線のものじゃなければ認めないという閉鎖性が。
でも地方って結局のところメジャーで勝負するのは難しいんですよね。八戸もレスリングやアイスホッケーなど、世間一般的な尺度でいえばマイナーなスポーツを続けてきてメダリストやプロ選手を輩出したりということができたというものです。
そういった意味ではこの3人制バスケ3x3(スリーエックススリー)、バスケはメジャーなスポーツではあるけれども3x3はまだまだマイナー競技。このメジャー感もマイナー感もあるかっこよさ。このかっこよさは、コンプレックスを抱く地方民の反骨精神をくすぐる何かがある。「え、もしかしてこれって私らでも盛り上げていけるんじゃ?」
そう、この「巻き込まれたい感」。これこそが地方に必要なのではないかと思うのです。
3x3の巻き込み力
3x3は展開が速く生観戦をすると敵味方関係なく1本のシュートや攻防に皆で盛り上がれることができるんですね。その熱量がスピード感をもって観客に伝わるのでなんというか「巻き込まれ度合」が強い。大会の最後のほうになってくると、両チームのシュートに皆で歓喜。
ライブで言うと観客のうねりに巻き込まれて体が動いちゃうような。圧倒的な感覚と感動に酔える。
しかも3x3は大体外で行われており(今回も有料エリアはありますが普通にYSアリーナに入ると遠目やビジョンで見れちゃう)という開放的なイベント。言ってみればスケルトンなライブハウスでライブを行ってる感じ。この巻き込まれやすさ。恥ずかしがりやで警戒心の強い地方民に優しいつくり。
いいんじゃないでしょうか。地方と3x3。
というか、ほんと楽しかったんです。また次回3x3イベントを八戸で見ることができたらうれしいな。
次にリンクで開催するときは、選手の皆さん、肩出すと冷えるからね!インナーもってきて、手袋はめてね!!!