【注目ニュース】Intelと日本企業15社が半導体後工程の自動化・標準化技術研究組合(SATAS)を設立
発表日:2024年5月7日
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概要
半導体メーカー・半導体製造装置や自動搬送装置メーカー・標準化団体等による15の企業と団体は、半導体製造のパッケージング・アセンブリーやテスト工程(以下、後工程)のトランスフォーメーションおよび完全自動化を目的とする「半導体後工程自動化・標準化技術研究組合」(以下、SATAS)を、4月16日に設立しました。
SATASは、後工程自動化に必要な技術およびオープンな業界標準仕様の作成、装置の開発と実装、統合されたパイロットラインでの装置の動作検証を行い、2028年の実用化を目指しています。
本事業で得られた知見や技術を既存および新規工場へ導入・実装していくことが、実用化における重要な目標となります。
昨今、半導体は経済安全保障推進法上の「特定重要物資」と位置付けられており、半導体業界に関わる企業は、様々な地政学的リスクを踏まえ、より強靭なサプライチェーンの構築に向けた柔軟な対応が求められています。
また、今後のAI時代に向けて、半導体の更なる微細化技術とともに、より高度なパッケージング技術の進化が期待されています。これらをよりサスティナブルな方法で実現するには、半導体製造の後工程工場における自動化が急務です。
SATASは、半導体業界を代表する半導体メーカー、半導体製造装置や自動搬送装置メーカーなどが中心となって、後工程の自動化に必要な技術を開発して、共同検証し、標準化を目指すことで、従来の半導体製造にトランスフォーメーションを促し、より効率的かつサスティナブルで柔軟なサプライチェーンの実現を目指しています。
解説
後工程に対する関心が高まっています。今回は米国Intelと日本企業15社が集結して、これまで泥臭くイノベーションがないイメージだった後工程の自動化に向けて取り組みを進めていく模様です。
SATASの参加企業は以下の通りです(50音順)。
インテル株式会社
オムロン株式会社
シャープ株式会社
信越ポリマー株式会社
シンフォニアテクノロジー株式会社
有限会社セミ・ジャパン
株式会社ダイフク
平田機工株式会社
株式会社 FUJI
株式会社三菱総合研究所
ミライアル株式会社
村田機械株式会社
ヤマハ発動機株式会社
株式会社レゾナック・ホールディングス
ローツェ株式会社
後工程側の部品、材料などのメーカーが名を連ねていますが、日本を代表する製造装置メーカーが抜けているのが気になります。材料と部品があっても装置は作れないのですが、これらの企業を束ねてどのように自動化をしていくのか、今後の発表に注目が集まります。
これらの企業による協力体制は以下の通りです。
理事としてIntelやSEMIが入っているのは妥当なラインかと思いますが、やはり各グループの中に肝心の装置メーカーが入っていません。本当にこのままで自動化・標準化ができるのか、重要なキーが抜けたままでの運用になっている気がしてなりません。
日本はよくこの手の連合を作りますが、あまりうまくいかなかった歴史があります。その理由は各企業が手の内を見せずに、外から情報を取ろうとすることにありました。
今後、SATASが成功していくためには、手の内を互いに見せて協力し合うこと、また装置メーカーやIT系の企業(富士通など)を入れて、ソフト周りの連携を進めていくことが重要だと考えます。
参考文献
https://satas-cip.jp/wp-content/uploads/2024/05/SATAS_PR_Japanese_FIN.pdf
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