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20年の会社経営で後悔していること5つ
こんにちは、セルバ代表の中山です。
セルバを設立して2024年の7月で21年になりました。
これまでの20年以上を振り返った時に、やって良かったこと、後悔していることをまとめました。
これから会社経営やチームのマネージャーになろうとしている人に参考になるかと思いますので、ぜひ最後まで読んでください。
起業から20年の間に何があったかは下記の記事に詳しく書いているので、よろしければ合わせて読んでいただけると嬉しいです。
やって良かったこと
まずはやって良かったことの方から。
1.株式を渡さなかった
何度か取引先に「出資させて欲しい」と話をいただいたこともありましたが、結果自分の納得した方向で進められているので、渡さないで良かったです。
当時出資してもらっていたら、今とは違う事業形態になっていたでしょう。
2.ストック(保守費用)を意識した
起業当初から、セルバではストックを意識していました。
たとえば、1年目から「店舗CMS」というASPのサービスを作りました。
2005年当時はガラケーでサイトを見始めるのが増えてきた時期。
店舗の情報を各店舗の担当者の方が更新出来る仕組みを提供しました。
1店舗数万円で提供し、それが複数店舗になるとそこそこの金額になります。
また、受託でも初期費用を抑えるかわりに月額の保守費用を多めにいただくといったこともやっていました。
現在のセルバの売上の内、7割がストック売上になっています。
ASPであったり、準委任だったり複数の形がありますが、これが純粋な受託開発だけだったら成り立っていなかったので、初期から意識しておいて良かったです。
3.パッケージを提供したこと
システム開発と言うとスクラッチ開発(何もないところから開発)を想像されることが多いですが、現在セルバでは構築パッケージでの開発がメインです。
セルバに限らず、今はスクラッチ開発だけを行っているところの方が少ないです。
しかし構築パッケージを作る上で注意しないといけないのは、そのシステムを使う業界のことを知らないで作ると使いものにならないことです。
セルバは創業当初から人材業界の依頼をいただくことが多かったので、その経験を活かし、業界のことを知ったうえで必要な機能をパッケージ化して提供しています。
一から作るより開発費用も抑えられ、業界の人にとっても使いやすいものになります。
また、スクラッチ開発ってわりと炎上します。
炎上する主な理由は以下です。
制作側の問題
・顧客の事業に対する理解不足
・システム開発に関する工数見積もりの甘さ
顧客側の問題
・顧客のシステムに対する理解不足
・仕様・デザインの決定が遅れる
これらは結局、最初に雛形となるものがないのが原因なので、パッケージ開発のように雛形があれば、開発、顧客双方の認識が「こんなサイトになる」と一致した上で進められるため炎上しづらくなります。
後悔・反省していること
本題の後悔・反省していることです。
インターネット上の経営者のインタビュー等では成功部分だけが取り上げられがちなので、これから起業する方が僕の二の舞にならないように、恥を忍んで話します。
1.流行に手を出しすぎた
ソーシャルゲームなど当時流行ったものに手を出してきました。
それもちょっと流行ってるのを確認してからなので、1週遅れでの参入です。
結果劣化コピーを周回遅れでリリースすることになり、泣かず飛ばずで終わったことが何回かありました。
2.もっと経営者同士で情報交換していればよかった
特に20代は情報交換の回数が少なすぎました。
20年経営して来て思うことは「質問しまくっていた人の会社は伸びている」ということ。
若い時は同年代の起業家をライバル視し、教えてもらうことに抵抗感がありました。
今思うともっと素直に同世代の起業家の集まりに参加して、話を聞いておけばよかったです。
自分が悩んでいることは、大抵他の経営者も悩んですでに解決済みだったりします。
そういったことは実際に体験した人に話を聞きに行って、解決した方が早いです。
ちなみに現在はEO(起業家機構)という会に所属していて、経営に関する情報交換やアドバイスをもらえて感謝しています。
あと「どこどこの会社がどうやって儲けている」みたいなインターネットの情報を全て鵜呑みにしてはいけません。
特にSNSで羽振り良く見せている経営者の発表する数字は盛られていたり、都合の良い部分だけが切り取られています。
インターネットの情報だけを元に参入するとろくなことになりません。
実際のところはどうなのか、一次情報を取りにいった方が良いです。
3.発信をもっとやっておけばよかった
これも20年経営してきた中の経験なのですが、発信が目立っている人の会社は伸びています。まさに「悪名は無名に勝る」。
前述する「SNSで羽振り良く見せている経営者」の話と矛盾するように感じるかもしれませんが、発信内容が過激でアンチが多くても、真っ当に事業を行っている会社なら認知度向上に繋がり伸びるということです。
若い時は「売上10億もない会社の社長が経営を語ってもダサい」と思って発信を控えていましたが、最近は売上規模ではなく、一人あたりの生産性を大事にしているので、自分の経験を語る分には問題ないかなと思っています。
4.きちんと分析せずサービスのリリース
今振り返ると失敗したサービスは、ニーズがあるかよりも自分がやりたいかを優先したサービスが多かったです。
事業計画も、集客計画も決めず「1ヶ月目は100人のユーザー登録があって、2ヶ月目は200人、12ヶ月目には1200人のユーザー登録があるだろう」みたいな考え方で進んでいました。
「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」
自分は分析するのがあまり得意ではなく、意識しないと逃げてしまいがちです。
ソースコードを書いている方が楽しいし、作っている間は充実感があります。
今はきちんとマネタイズポイントと目標を決めて、どうやったら集客出来るかを考え、さらに作り切る前にテストマーケティングもします。
実際、去年も『ゼロ秒面接』というオンライン面接ツールをシステムを作り切る前に営業を掛けていましたが、あまりニーズがないことが分かりストップしました。
『ゼロ秒面接』は想定した4000万円の予算に対して、2000万円の事業再構築補助金で採択されシステム開発がスタートしていましたが、それでも取りやめを決断しました。
5.やりきれなかった
正直これは今も課題です。
計画どおりに着地出来るようにやりきっていたら、会社はもっと伸びていました。
IT会社なのでカッコ付けてITで解決しようとしてしまいがちですが、もう少し泥臭くやってもよいと思っています。
僕自身が目標に対してコミットする姿勢をもっと出していきます。
やりきり力が付いている会社は伸ばしやすいです。
ビジネスモデルとやり切り力は車の両輪。
ビジネスモデルを洗練させることも大事ですが、やりきり力も大事。
今後の課題としてやりきり力をつけていきます。
まとめ
後悔していることに関しては、やはり僕自身の性格に依存するところが大きいですね。
自分の性格を分析し、避けられる落とし穴は避けたいところです。
結局他社を表面上だけ真似ても、持っている資質が違うので同じ結果は出せません。
自分の得意なフィールドが何かを分析し、そこで戦うことが重要です。
20年以上会社を経営してそれなりの事を経験してきました。
起業したての方、過去の僕と同じことで悩まないよう相談に乗りますので、お気軽にTwitterのDMから連絡ください。