200年のデータにアクセスするか、38億年の叡智にアクセスするか
武学を初めてから、武術が自分が思っていたものとは全く違うものだったということに気付かされてばかりです。
武術は自他不敗
例えば、自他不敗。
武術というと、相手に勝つというイメージがありますが、実際は違います。元々は暗殺術なので、誰よりも強くなるというのが始まりではあったのですが、例え世界で一番強くなったとしても、その後に待っていたのは…。
暗殺術なので、自分を殺しに来る方法はなんでもあり。毒殺だったり飛び道具を使われたり、一番強くなっても常に命を狙われる状態。
そんな状態でずっと生活できるわけがなく、最終的に辿り着いたのが、「自分も相手も負けさせない。誰も負けさせない」という自他不敗の考え方。
だから、いかに戦わずに自分も相手も負けない状況を作っていくのかが武術の本質。戦略という言葉もここからできたそうで、戦い方を練ることを指すのではなく、いかにして戦いを略して自他不敗の状況を作ること、なんだそうです。
身体と脳どちらが賢い?
今回、この記事を書くきっかけになったのがこちらの望月さんの記事。おぉ武術も同じような感じだぞ!と。
武術で、いちいち頭で考えていたらどうなるでしょう。
あ!パンチがきた!ここはこう避けて、次にここにフェイントを入れて、次に…なんて考えていたら、どうなるか想像つきますよね。
パンチが来たら体が勝手に反応して動いてくれないと、全く話にならないわけです。
武術で師匠からよく言われるのが、
「100年や200年のデータにアクセスするのか、それとも38億年分のデータにアクセスするのか、どちらの方がより正しい答えを出せる?」という言葉。
そう、100年というのは「脳」、38億年というのは「DNA」つまり体。脳がない生き物はたくさんいる。それでも、様々な複雑な処理をして命を営むことができている。脳でそれらのことを処理しようとすると、おそらくパンクしてしまう。実は、脳よりも体の方がすごいんだぞ!
では、脳の役割はなんだ?
脳の役割は創造すること。つまり新しいものを作り出すのが役割。それを38億年の叡智(体)を使って、形にしていくのが人間の役割。大事なのは、いかに38億年の叡智につながるかで、武術の稽古はその稽古だとも言える。
って、まさか武術でそんな学びが待っているとは思っていませんでした(笑)
武学に触れてみたいという方は、志体術の体験会や、自分をゼロ化する禮法が学べる体験会なども開催していますので、声をおかけください。