外国籍高度人材への期待
久しぶりの投稿になります。これから毎月の投稿を継続しますので、宜しければご覧ください。
さて、最近私は、お客様である企業へ訪問する機会が多くなっております。もちろんこういった情勢下にありますから、オンラインを介した場合もあれば、製造業など社会インフラとしての役割が大きい企業へは訪問面談をするケースも多くあります。
そんな中、コロナ禍にもかかわらず多くの企業からこのような声をお聞かせ頂く機会が増えて参りました。
「日本人や留学生を見ても理系出身者がとても少ない」「文系の方に技術教育をする機会が多くなった」「こんな時期でも機電系出身者は内定を複数社得ている」「今年度の採用計画を満たせそうにない」「最近の企業CM(特に週末)は求人目的のブランディングも増えている」「中堅・中小企業に国公立の理系人材は回ってこない」など、挙げればここで紹介しきれないほどです。
さて、これは一体何を表しているのでしょうか?
そうです、日本は圧倒的に技能人材だけでなくエンジニア層の人材も圧倒的に理系人材が不足しているのです。
そもそもすでに日本の理系と文系の比率は、3:7となっており、圧倒的に文系出身者が割合を占めています。留学生からも理系2:文系8の割合となっており、こちらも日本語ができるが、技術系スキルは保持していないケースが散見されます。
IT業界も同様です。こちらこそテック系スクールの増加により、文系からの理系転換が進んでいる業界と言えますが、世界のIT潮流は情報技術や情報工学を専攻した学生や軍出身のエンジニアが先進サービスを打ち出す時代です。
ビッグデータに関する投資も多いため、分析スキルに長けたデータサイエンティストも多く、特定企業の市場占有も度々問題視されていますが、AIやITハイスキルを保有するテック系人材が多く輩出されています。
生産系、建設系のエンジニアも同様で、東南アジア各国は先進国からの企業進出や投資がここ数年加速しており、情報化が伴う工業化が著しく進歩しています。そのため、ハード系の機械加工や金属加工、ソフト系の開発、設計を学ぶ人材も多く輩出されており、ベトナムなどは多くの工科系、工業系大学が国や企業から多くの投資を受け、ハイスキルの理系人材を多く輩出しています。
このような背景から、理系に関して言えば無理して日本国内の僅かな理系人材を取り合う必要がなくなってきていると言えます。
そこで目を向けるべきは海外となります。
今後、海外からの人材確保が企業の採用戦略として通常化した場合、こういった国内の理系人材獲得競争に巻き込まれることなく、海外から計画的に国公立卒の理系人材を確保し、企業の国内事業だけでなく、海外事業も円滑に進めて行く時代が来るでしょう。そういった期待をますます感じることができるようになりました。
ただ、海外からは唯一の難点は日本語となりますが、そこは入国時の日本語レベルを高める教育と、入社後の日本語教育、日本人従業員に対するマネジメントスキル教育でカバーできるようになってきています。尚、これらの教育サービスは弊社から採用頂いた企業にはご提供させてもらっています。
おかげで計画的に日本語が上達することと、日本人従業員(管理職、上長、同僚)の異文化理解や管理職の外国人マネジメントスキルが向上しており、大変好評を頂いております。
このように両者間の不具合を調整させて頂くことにより、両者間にとっても職場環境が向上し、外国籍高度人材のパフォーマンスが期待通りになっていく中で、外国籍の技能者にも良い影響を与えるようになってきています。
私はこれの多くを上海で学びました。自分自身も中国人をマネジメントし、チームビルディングを成功させ、各員にパフォーマンスを出させる事にフォーカスしてきたので、それを日本で応用しているとも言えます。
私の想いは、日本人管理者や日本人従業員の皆様にも外国人をマネジメントする事は決して難しくないと知ってもらい、一つのスキルを身につける機会ととらえてもらえればと思っております。
外国籍人材を育てるだけでなく、日本人従業員の方々も外国人に関する予備知識を備えてもらう事により、これから必須となる外国人管理スキルを身につけてもらうだけでなく、会社も外国籍のハイスキル人材や技能者を採用する事により、人材不足で衰え始めていた開発力や市場開拓力を回復し競争力を付け、海外市場でも競える企業へ発展させていくことが可能となります。
海外のグローバル企業や中国・新興アジアの企業は世界中から人材を招聘し、自社に取り込む事により急成長しています。そこには自国の文化だけにこだわらず、多国籍の人材の力を借りて成長する企業の姿があります。
かつての日本企業や明治維新初期の新政府のように中堅・中小企業でもグローバル化する企業が1社でも多く生まれる事に期待したいと思いますし、外国人採用を通じてそういった期待にお応えできるよう世界中の人材にアクセスしていきたいと思います。