18 終わらない会話のために 光嶋裕介
アメリカ・ニュージャージー州に住んでいた少年時代、夏休みになると、家族で父の運転するダットソンに乗ってどこまでも続く広いハイウェイをよくドライブした。
行き先は、週末に行くマンハッタンと違って、ボストンやフィラデルフィアなど少し遠方の街。どこに行っても、必ずその街の美術館に連れていかれたのが、私にとって最も古い記憶のひとつである。
映画《ロッキー》で有名になった《フィラデルフィア美術館》のあの大きな階段(通称ロッキー・ステップ)も、兄と走り回った。当時小学生低学年だった僕に