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その責任感ホンマにいりますか?”施設に入れるのは可哀想なのか問題”





”血のつながっている家族なら、最後まで親の面倒を見るべきだ”


認知症専門のグループホームの現場で、


現役の介護士をしている僕は、


この考え方が嫌いです。

(血がつながっていない家族でも同じく。)


もちろん、ご自分が心から幸せを感じられる選択として、
ご自分お一人で、在宅介護を選んでいる方もおられます。
ご家族で介護をされている方を否定する意図は全くありません。



今回は、心にモヤモヤを抱えながらも、

お一人での介護を続けられている方を想像して書きました。


現場で認知症のお年寄りの介護をしていて、いつも思うのは


「これが自分の親ならできへんな。」


という正直な気持ちです。


・あえて、他人がするから、”介護”が成立するんだな。
・この人のことを深く知らない他人がするから認知症でも笑って介護できるんだな。



と感じます。



自分の親を介護する、となると、


介護に必要のない情報が多すぎる気がします。


・昔は元気に歩いていたのに  →→ 今はもう立ち上がることもままならない
・昔はよく名前を呼んでくれたのに  →→ 今は自分の名前さえ呼んでくれない
・あれほど礼儀やマナーに厳しかったのに →→ 認知症になってからトイレに間に合わないことばかり




家族だからこそ、

その人の良いところ、悪いところ、

好きなこと、好きな食べ物、性格、こだわり、価値観、

どんな人生だったか、

どんな暮らし方が好きだったか、

どんなテレビを見て、

どんなことでよく笑っていて、

どんなことに愛を持っていたか


よく知っている、

知りすぎている家族だからこそ、


今と昔を絶対に比べてしまいます。


どれだけ意識して割り切っていても、どうしても”元気だったとき”の姿が思い出されるのでは、と思います。





もちろん、他人である介護士も、

入居者様ひとりひとりの趣味、嗜好、どんな人生だったか や家族構成は情報として頭に入れています。


ただここで大切なのは、それが ”情報” だという点です。


家族からするとそれは、立派な ”思い出” です。



思い出は、美化されます。

なんなら、美化されたままでいいと思います。


大事なたった一人のご家族様と

人生最期まで笑って生きるためには


堂々と、施設や、介護サービスを使ってほしい。



心からそう思います。




お年寄りがみんな口を揃えておっしゃる言葉は、

”子供が元気ならいい”

とよく仰っしゃります。





自分がちゃんと幸せでいられる、

家族との


素敵な距離感を。

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