ネタバレ全開研究「リング」はどうしてあんなに怖いのか
貞子が登場するシーンは怖かった。初めて見てから約20年ぶりにみたが同じように鳥肌が立った。
しかし本編を見ずにあのシーンだけを見たら、あんなふうに感じるのかどうかはわからない。
ラストに至るまでもハラハラドキドキしながら緊張感を保つことができた。
のんびり見ていたら気づかないけれど、きっと細部まできちんとつくられていて、観客たちをラストで恐怖のどん底に落し入れる理由がなにかあるはずだ。
なぜあんなに怖かったのだろう。それを探っていきたい。
中田秀夫監督の「リング」を詳細に研究していきます。
ネタバレ全開で行きます。
結末を知りたくない方はここで左様なら。
また会う日までお元気で。
登場人物
・【重要】浅川 玲子(松嶋菜々子)ヒロイン
・【重要】高山 竜司(真田広之)ヒーロー 別れたパートナー 特殊な能力を持つ 大切なものを共有している
・【重要】浅川陽一(大高力也) 息子 守るべきもの
・【重要】貞子 敵 敵は誰かわからず探っていくうちにここにたどりつく
・山村志津子(雅子)敵の母親
・伊熊博士(伴大介)
・志津子のいとこ山村 敬(沼田曜一、武田敏彦(青年時代)) 重要な情報を知る
・【重要】大石 智子(竹内結子)被害者
・倉橋 雅美(佐藤仁美)被害者
・大石 良美(しみず霧子)被害者の母親 ヒロインの姉
・高野 舞(中谷美紀) 竜司の教え子。意味なし
・【重要】浅川 浩一(村松克己)ヒロインの父親 トラブルを最後に押し付ける
・協力者 社員(柳ユーレイ)
・通信員
あらすじ
・そのビデオを見たら死ぬという噂がある。伊豆の旅先で目にした女子高生が謎の死を遂げる。
・女子高生のおばでテレビ局の社員玲子が興味を持つ。シングルマザー。
→最初は興味本位だったが、死ぬか生きるかというぐらい巻き込まれた。
・女子学生が訪れたペンションに行き、そこでビデオを見つけて見る。不気味な女性、噴火の文字、井戸の映像があった。噂通り不気味な電話がかかって来る。
・玲子は元夫で霊感のある竜司に助けを求める。竜司もビデオを見る。
・ビデオを解析する。噴火は三原山。大島だとわかる。噴火を予言した超能力者の志津子存在を知る。
・息子を預かってもらうため実家を訪れるが、息子はビデオを見てしまう。
・大島に行き志津子の親戚に会う。霊能力のある竜司は親戚の男が新聞記者を呼んだことを知る。志津子より霊感の強い娘の貞子の存在を知る。
・伊豆のペンション下を掘り、貞子の死体を見つける。玲子は死ななかった。
・竜司は貞子に殺される。
・ダビングしたら助かることがわかる。父親に陽一を助けることを頼む。
評価 4.5点(5点満点)★★★★☆
●人物
主人公はアラサーの女性。離婚歴があり小学生の息子がいる。テレビ局勤務。インタビューをしていたのでディレクターだろうか。年齢相応の地位で部下もいる。田舎出身で農家としては標準的なのかもしれないが大きな家に住んでいる。
ヒーローはヒロインの元夫。大学で教鞭をとり超能力者でもある。離婚の原因は彼の能力が関係しているように感じられた。
家に出入りしている女子学生らしい若い女性がいるが恋人かどうかはわからない。
ヒロインとヒーローの間には息子がいる。息子の存在は絆を生むと同時に弱点にもなる。
ヒロインとヒーローが別れた夫婦という設定は面白かった。
いま結ばれている恋人や夫婦や、いまはそうじゃない友達だが結ばれそうな男女ではなく、かつて結ばれていていまは離れてしまった男女という設定。別れてしまったが、息子という一番大切なものを共有しているし、まだお互いに愛情が完全に消えたわけではないという微妙な距離感が緊張を生んでいる。
●分類
主人公の目的は逃げる事。(死から)
そのために真実を突き止めようとする話。
敵を倒したり、大きな報酬を手に入れることではない。
●恐怖シーンについて
〇竹内結子と佐藤仁美のシーン
まず二人が若くてかわいい。つくづく竹内結子は残念だった。まだまだたくさんの作品を残せただろうに。
佐藤仁美は『イグアナの娘』がなんとっても印象的だった。
それは置いておいて、この冒頭のシーンは重要である。
観客の心をわしづかみにし、この映画はきっと怖いぞと期待させないといけない。
「呪いのビデオがあり見た人は一週間後に死ぬ」
みんながそんな噂をしていると佐藤仁美(見ていないほう)が話す。
竹内結子は暗い顔をする。この娘がビデオを見たのだろうか、と観客は不安になる。
伊豆の舞台はペンション、電話がかかってきた、という情報が示される。
ビデオを見ていない佐藤仁美が話すことにより、この噂はかなり広まっていることが観客にもわかる。
「私たちもこないだ変なビデオ見ちゃって」
岩田くんという男たちと泊まりがけで遊びに行き、変なビデオをみつけて、その後無言電話がかかってきた。
今日がその1週間目なの。
佐藤仁美は言葉を失い、恐れの沈黙がしばらく続く。観客のテンションが熱くなる。
やがて「騙されてやんの」と竹内結子は笑い出し、あなたをからかったのだと笑う。
ビデオを見たのは竹内結子ではない。観客は誰かが死ぬのだろうが、今見ていること娘たちではない、と観客もひとまず安心する。
そこで電話が鳴る。大音量。絶妙のタイミングである。
竹内結子は怯えて震えだす。時計のアップ。佐藤仁美が気づく。彼女たちはビデオを見てしまったのだ。
ターゲットが明らかにされた。観客は竹内結子がこれから襲われることを確信する。
その時二人がいたところは二階で、受話器のある一階のキッチンまで佐藤仁美が先に走っていく。
扉を開けるたびに何かが出てくるのではないかと緊張するが何も出てこない。
受話器の前にたどり着く。佐藤仁美がおそるおそる電話に出る。
家族から遅くなるという連絡だった。安心のあまりその場に崩れる。
観客は再び安心する。しかし警戒はといていない。
「トイレ行ってくる」佐藤仁美が部屋から出ていった。
竹内結子は一人になってしまった。
いよいよ来るぞと観客は身構える。
竹内結子、冷蔵庫を開ける。中からおそるべき……何も出てこない。
その直後居間のテレビが突然つく。大音量で流れる。
竹内結子、警戒しながら暗い居間に入っていく。暗闇から化け物が……出てこない。
再び冷蔵庫の前。不気味な音が聞こえる。
今度こそである。もう間違いない。
そして振り返る竹内結子。大きく口を開けた驚愕の表情。色を抜いた画面のストップモーション。
……シーンが変わる。
こうして直接は描かれないが竹内結子は襲われて亡くなったのだと想像できる。
この時点ではまだ
誰が襲ったのか見せていないし
呪いのビデオの中身も明らかにしていない。
警戒(呪いのビデオの噂) →安心(嘘さ)→警戒(電話)→安心(電話は親からだった)→警戒(テレビがつく) →襲われる
と緊張と弛緩の山と谷が2回繰り返される
〇竹内結子の葬儀のシーン
で、自宅で彼女が呪いのビデオを見た、と告げるシーンなどで陽一は超能力のようなものを持っていることがわかる。
息子がのちにその力を発揮するのかと予想するが、そうではなく父親である真田広之が超能力で過去を読み取る。
〇小技
1
何気ないセリフだが職場で「口裂け女」や「自殺したアイドルの霊」の話を出すが、「あの話か」「あの人の事か」と多くの人が思い出すだろう。
話題になったときに怖がった人はその時の記憶がよみがえり、これから怖がる心の準備することができる。例えば『天国の本屋』で紹介される『泣いた赤鬼』の話のように有名なエピソードや名作の索引は観客のテンションをコントロールするための最初のジャブとして有効である。効果がなければないで構わないし害になることは少ないと思う。
2
井戸を掘り貞子を見つけるシーンで、貞子が殺害される現場が松嶋菜々子の頭に念写される。
カット1、井戸の前に貞子ひとり立ちのぞきこんでいる
カット2、松嶋菜々子(念写されたということ)
カット3、カット1と同じカメラ位置から、貞子のすぐ後ろに教授が立っていて後ろから殴る。井戸に落とす。
カット1とカット3の間には、教授がフレームインして貞子のすぐ後ろに来るまでの動作が省略されている。
矛盾はしていないのだが、松嶋菜々子のカットを数秒挟んだだけで繋げているので、教授がテレポーテーションして現れたかのような印象を受ける。
編集のトリックである。
〇ヒロインが見舞いに訪れるシーン。
数日後松嶋菜々子は姉である被害者の母親を訪ねる。
陽一と竹内結子はよく遊んでいたと話し、二人の笑い声が記憶に蘇り、被害者の生前の思い出を懐かしむシーンかと油断していたら不意打ちを食らった。
松嶋菜々子が一人で階段を上がり、竹内結子の部屋に入る。
写真店のレシートを見つけて取る。
→顔が歪んだ写真が現像される。
松嶋菜々子が振り返るとそこに母親がいつの間にか立っている。
母親がそこにいることには矛盾はない。「二階にのぼってきて部屋に入って来る」という行動を見せていないので観客は驚く。
「娘はここで亡くなったの」と彼女の死体、それも口を大きく開けた恐ろしい形相の姿を見せる。
予期していなかった観客が多いのではないか。
→襲われている時には見せないが、のちのシーンでいきなり見せる。
〇松嶋菜々子がペンションを訪れるシーン。
松嶋菜々子は伊豆のペンションを訪れてビデオを見てしまう
いよいよビデオを観客にも見せるわけだが、ここで観客は心の準備がすでにできている。期待を上回らなければ観客はしらけてしまう。
作り手は試験をクリアして多くの観客を怖がらせていることに成功していると思うが(だからこの作品の評価が高い)、なぜあのビデオは怖かったのだろう。
現代の観客は目が肥えていてどうやって合成するのかだいたい知っている。マジックと同じで種がわからなければびっくりする。種がわかっても観客の心を動かす何かがあれば許してもらえる。
そしてこの映像は「昔の人が撮影したフィルム」っぽくなければならない。
ビデオに写っている映像は
① 和服の女性が髪をといている。途切れた。
→鏡は下手。女性の姿がうつる→一瞬鏡上手に移動(同じカメラ位置)→鏡再び下手
②新聞記事の文字が。動いている。
③たくさんの人がうめいている。不快な金属音。頭。
④頭に布をかぶせられた男性。なにかを指さしている。
⑤目の中に貞という文字。
⑥井戸の画像。
以上の6シーンである。
・①は非現実的な移動に一瞬びっくりするが編集で簡単に作ることができる。
・③と④は俳優を使って造ることができるが、④は何かを伝えようとしている、何を指しているのかはわからない。この「わからない」というのが不気味だ。
・⑤は簡単に合成 ⑥はそれ単体では怖くない
・もっともインパクトがあったのは②の新聞記事の文字が動く映像だった。短い尺でさりげないが、手動でコマ撮りにせよ、合成ソフトを使うにせよ相当面倒くさいはずだ。気持ち悪さを感じたのは他のシーンちがいあまり見たことのない映像だったからではないだろうか。②の映像があったからこそビデオ全体が怖かったと感じられたのではないか。
松嶋菜々子がビデオを見終わった後も丁寧に演出されている。
電源が切れたモニターに後ろに女性が写っていた。(非現実的)
振り返ると誰もいない。
電話が鳴る。(予言通り)
受話器の後ろからカメラを構えてそこにむかって人物が近づいてくる。人物の側に立ってむかって行くのではなくて、観客は不気味な場所で人物を待ち構える。
受話器の向こうから金属音。
電話を置くカットでは、上部の空間が広く空いた構図になっている。何かが潜んでいるのではないかと観客は軽快する。
一週間と言ってカレンダーを見る。出てゆく松嶋菜々子。
人物が出て行った後もすぐには切らず、誰もいなくなった空舞台を数秒間引っ張る。不自然な編集に違和感を覚えるが、このカットは大きな意味を持っている。(この場所の地下に貞子は埋められている)
違和感のあるカットあるいは不自然なカットは、技術不足やミスとみなされてみる気を失わせてしまうリスクがあるが「何か意味を持っている」と思わせたら大きな効果がある。
〇陽一がビデオを見てしまうシーン
ここも恐ろしかった。
父親の実家。夜寝ている松嶋菜々子。
死んだ竹内結子が呼ぶ声を聞いて目覚める。
隣のふとんに黒い陰。人のようだが暗くてよく見えない。息子が眠っているはずだ。
イメージ映像が挿入される。顔を隠す人、指をさしている。
ここまでで観客は竹内結子の霊が息子に何かを及ぼしたのだろうと想像する。まさか殺すことはないだろうが、乗り移るとか暴力を振るうとか、彼が眠っているはずのふとんの上で実行されるのだろう、と予想する。
しかしふとんにはだれもいない。
松嶋菜々子がふすまを開けると陽一が呪いのビデオを見ていた。
彼女は叫ぶ。
……観客の予想は大きく裏切られた。
しかも陽一が自宅でビデオを見つけて興味を持ち、田舎に持ってきた、と映されていないが起こった事を観客は想像力で補い、彼の行動に矛盾点はない。
このシーンが恐ろしい点は陽一が予想外の行動をしていたこと、子どもが死ぬかもしれないというピンチが新たに沸き起こった。この二点だと思う。
〇武器について
物語の主人公は自分、あるいは味方のだれかが強力な武器を持っていることが多い。
時代劇や特撮ヒーローものにおける相手を倒すことのできる腕力や武力、
スポーツや音楽の才能、
圧倒的な知識(「美味しんぼ」など)、
シャーロック・ホームズやポワロのような名探偵の明晰な頭脳。
また「天空の城ラピュタ」のパズーのように武器を何も持っていないこともある。
この作品の場合、主人公の武器は真田広之の超能力である。彼は他人の記憶を読み取ることができる。敵を倒すというような力は持たない。
武器は生まれつき持っているものと、努力によって勝ち取ったものがあるが、この作品では前者であり、その力は息子の陽一にも引き継がれている。
時代劇の剣の技術など武器によって一気に解決してしまうこともあるが、多くは目的を達成するためにものごと有利に進められるものの、ある程度から先は自分の力で解決しなければいけないことがほとんどだ。
この作品において真田広之の力によって以下の情報を得ることができた。
・マスコミたちを前にして志津子の実験の様子が分かった。
・志津子には貞子という娘がいて母親よりも強い能力を持っていた。
・伊熊博士と志津子は不倫関係にあり、貞子は博士との間にできた子どもである。
・貞子は伊熊博士に殺されて井戸に埋められた。まだ発見されていない。
・志津子を利用して金儲けをしようとマスコミを呼んだのは、大島で出会った山村老人だった。
これで問題は解決しない。以上の事をヒントに貞子が埋められたのは伊豆のペンションの場所であり、貞子を掘り出し供養することが解決につながると主人公たちは結論づけたである。
そして大島の渡ってから貞子の死体を掘り起こすまでのシークエンスは、謎解きの面白さと、松嶋菜々子の死ぬ予定の時間が迫っているというスリルを生んでいる。
詳細研究
【オープニング 貞子の象徴】
●おどろおどろしい音楽。
海の波
→貞子の住んでいた島の暗示
【起 呪いのビデオによって死者が出る】
【発端、竹内結子の死】
●テレビの画像。荒れた画像9月5日。
野球の試合。
●若い女の子2人(竹内結子と佐藤仁美)が部屋で話をしている。
→当事者でない佐藤仁美が話すことで、その噂が広く知られていることがわかる
怪談話。
ペンションに泊まった時にテレビの予約をした。チャンネルが東京都は違っていたために空きチャンネルの映像を録画した。ビデオを止めたらお前は1週間後に死ぬって電話かけてきた。
その子1週間後、同じ時間に死んでしまった。
誰に聞いた?みんな噂してるよ。
〇呪いのビデオの噂があります
「私たちもこないだ変なビデオ見ちゃって」
トモコとマサミ。
岩田くんたちと泊まりに行った何もなかったわよ。
その時さ。岩田君が変なビデオを見つけてなんだろうってみんなで見ちゃった。うまく言えないけど。見終わった後、電話がかかってきて。無言電話だったみたいだけど。
みんな噂を知っていた。今日で1週間なの?
〇私たちもそのビデオを見た。今日がその日なの
→竹内結子が襲われることを観客は予想す
予想通り襲われる? どう襲われるか?
「ちょっと。私を脅かそうとしているんでしょう。」「わかった?」「もう信じらんないや」「騙されてやんの?」「岩田くんたちも……」
電話がかかってくる。
→安心させる
9時40分。時計のアップ。
怯える竹内結子。
ほんとなの?
◎竹内結子がビデオを見たことはここまで明らかにされない
電話が鳴る。キッチンに入る。受話器の前。躊躇する。取る。
竹内結子は「マサミ」と追いかけながら呼ぶ。襲われることを警戒しているからだ。
佐藤仁美(マサミ)が扉を開ける(どうなっているかわからない場所があきらかにされる)たびに、観客は何かが出てきて佐藤仁美が襲われるのではないかと警戒する。
〇予言通り電話が鳴る。
→電話が鳴る→キッチンまで移動する→受話器の前で躊躇する→受話器を取る。話すほっとする(誰からかかってきたかは知らせない) →竹内結子にかわる。親からだとわかる→観客はいったんほっとする→観客はこのあと襲われることを予想している
佐藤仁美が電話を取る。今変わります。はい。ほっとする座りこむ。
イマジナリーライン変わる。奥の部屋から。
→イマジナリーラインの変化でなにかおかしいと感じされる。
→人物のいる部屋の隣の奥の部屋、暗いところからカメラで狙う。なにかが潜んでいるのではないかと不安になる。
ナイター延長で帰り遅れるって。テレビ画面とのリンク。
親からだった。
→いったんほっとさせる
トイレに行ってくる。まだ上に行かないで。
〇佐藤仁美がいなくなる
ドアの開閉音。
冷蔵庫を開けるアップ。
大音量のテレビの音。いきなりテレビがつく。
〇現実的でない現象。観客はここで襲われると確信する。
居間に行くテレビ画面。野球中継をしている。
テレビを消す。戻ってくる。通り過ぎる。
お茶を飲む。ノイズ。荒い息
振り返る驚いた顔。恐ろしい形相。モノクロになりストップモーション。
→竹内結子は殺された。真田広之の死のシーンでも同じ効果が使われる。〇竹内結子は襲われた。しかしどのように襲われたかは見せない。
【承 主人公や大切な人達も呪いのビデオを見る】
【主人公 松嶋菜々子の登場】
●テレビ関係者。女子中学生にインタビューをしている。
テレビ画面に荒い映像(ビデオがこの作品のキー)から現実に。
呪いのビデオってあるじゃない。どんなことか聞いたことある?
お前は1週間後に死ぬ。深夜番組見てたらいきなり映って。電話がかかってくるんだって。
私が聞いたのは、伊豆の方の地方局。
本当に死んだ人がいるの?私たちの周りにはいない。
高校行ってる先輩から聞いたんだけど、ビデオを見た子がいて彼氏とデートしてるとき車で死んだ。事故じゃなくて止めている車で彼氏もビデオを見た。2、3日前の新聞に戻っていた。
高校の名前はわからない。
→死んだ竹内結子と一緒に旅した友人だった。
●オフィス。テレビ局かな?
十年ぐらい前あるアイドルが自殺した。歌番組に幽霊が映ったあの噂は何かしら?伊豆ってみんな言う。
口裂け女は岐阜が発祥だと言われている。事故にあった女性がモデルだそうだよ。
→有名な都市伝説を紹介する。その伝説に怯えた人はその時のことを思い出す。心の準備ができてこのあと怖がりやすい。これから怖がることへの助けになる。(知らなければそれでも構わない)
有名な作品や事件の引用は観客の感情のコントロールに損しない。 (参照)「天国の本屋」での「泣いた赤鬼」
●お疲れ様と去ってゆく松嶋菜々子。
気になって新聞を取る。
横浜市で車中から若い男女の変死体の記事。
予備校生と女子高生が死んだ。
じゃあ岡崎頼んだぞ
浅川さん今日早く上がるんじゃない?→竹内結子の通夜
ちょっと頼んでいい?
この高校調べてくれる?→竹内結子と同じ学校だった
いいですけど。
●マンション。駐車場に車が停まる。
●階段を上る松嶋菜々子。
鍵を開けて中に入る。
陽一と呼ぶ小さい子供。
もう着替えた?服出しておいた。急いで着替えなきゃね?
→母親か?
●喪服を着ている。
→誰かが死んだ。誰か?
おじいちゃんから電話があった?無い。
ともちゃんは何で死んだの?さあ、難しい病気みたいね。
後ろのファスナー。しめてあげる子供。
→微妙にエロい
若くても死ぬの?
そういう病気もある。そんなことをうちで言ってはダメよ。
→若い人が亡くなったことがわかる
●女子高生たちのすすり泣き、大石トモコ。
→竹内結子の葬儀。松嶋菜々子と親しい関係だったとわかる。(姪=姉の娘だった)
葬儀会場受付。
●霊前で挨拶をする
姉さんは奥で休ませている。そっとしておいた方がいい。
陽一はここに座って言いなさい。
陽一写真を見る。あの少女だった竹内結子。
額を抑える陽一。
→父親真田広之には霊感があり、息子の陽一はそれを引き継いでいる。
●会場を歩く松嶋菜々子。挨拶をする。台所で準備をする女性たち。
ともちゃんの死因わかったの?警察解剖でしたんでしょう。事件性がないって。
普通の死に方じゃない。お棺をいっぺんも開けようとしない。おかしいと思わない?
●歩く陽一
階段の前に立つ。女性の足が見えた。(竹内結子の亡霊か?)
●2階の部屋。暗い屋敷。
中に入る少年。
部屋の中を見渡す。
怖い音楽。
玲子が陽一を呼ぶ。ダメじゃないかってに入っちゃ。
●階段で携帯が鳴る電話に出る玲子。岡崎から電話。高校の名前。横浜市。聖啓女子学園です。
●会場を出る。聖啓女子学園からの花。竹内結子と同じだった。
女子高生たちが集まっている。岩田君も死んだ。
松嶋菜々子が話しかける。
変なこと聞くみたいだけど、車の中で死んだ子もお友達。
何か知ってる事があったら?
みんな同じ日に死んだの?
瑤子もトモコも岩田君もバイクで事故って。
ビデオ見たの?
瑤子が言ってた。みんなで変なビデオみて、見終わったら電話かかってきて。
ともこちゃんも見たのどこで?
みんなでどっか泊まりに行って。
トモコは死んだ時、一緒だった子がいておかしくなった。入院して。テレビのある所に絶対行かないって言ってる。
→これ以佐藤仁美は登場しない。心に引っかかり中途半端な印象。のちに何らかの形で登場させるか、いっそのこと一緒に殺してしまったほうがよかった。
◎友人が同じ日に別の場所で死んだ【恐怖】
●テレビ局
テレビ画像。
松重豊がモニターを見ながら。説明している。
現場の映像。口を大きく開けているカップルの死体。
見つめる松嶋菜々子。こんな死顔初めて見たよ。
わからない突然の心臓停止。
薬物は出なかった。
→口を大きく開ける死に顔が怖い
●家の前で車が停まる松嶋菜々子が出てくる。
●呆然としている中年女性。
玲子。背を向ける。テレビのある部屋に行くテレビに映る自分の姿。
母親「ようちゃん来てくれたんだって」
昔よく2階で遊んでたね。
部屋から出て行く玲子。
●階段を上る。
ともこと陽一の笑い声。
部屋。
大学受験案内。高校女子高生の机。
写真店の領収書。→写真で現像したゆがんだ顔を見る
振り返ると母親が立っている。
→そこに立っていることに矛盾はない。部屋に入って来るところを映していないので、突然現れたかのように錯覚する。
【よく使う恐怖のテクニック】
トモコはここで死んでいた。
トモコは口を大きく開けて。死んでいた。
→ここで突如竹内結子の死に顔を見せる。口を開けた恐ろしい形相。【恐怖】
何の前触れもなく観客に見せる。心の準備が出聞いてなかった観客はびっくりする。
泣き崩れる母親。
●写真店
現像された写真を見る松嶋菜々子。
トモコや岩田君たちが写っている。
旅行の写真伊豆パシフィックランド。
伊豆の方……と思い出す
顔がぼやけている。顔が歪んでいる。顔だけが変。
【恐怖】
●麗子の家。料理している
陽一「ともちゃん呪いのビデオ見たんだよ。」【恐怖】
どうしてそんなこと言うの?学校でそんな話しちゃ。
しないよ。行ってきます。
テロップ、9月13日、月曜日。
【確かめるために伊豆に行く。ビデオを見る】
●森の中を車が走る。
伊豆パークウエイ。運転する麗子。
そんなばかなことってある?
伊豆パシフィックランドに来る。写真に写っていた場所。
●敷地内を歩く玲子。
ペンション。
写真を見るここに4人は立っていた。
建物の中に入る。
●部屋の中、テレビの周りを調べる。電源を入れる。
テレビ。
電源が切れる音。ソファーにもたれる。
ノートがある。旅の思い出と表紙に書いてある。
お父さんはデブです。お母さんはデブです。だから僕もデブです。笑う。
→なにかの伏線かと思っていたら何もなかった。意味があるのか?
ソファーに横たわる目を閉じる。
●食事をする松嶋菜々子。カレーライス
奥ではテニスをしている。
◎リゾート地の屋外で食事。旅行気分のほっとするシーンを挿入してほっとさせる。
●管理人室。
お一人なんですか?ちょっと仕事で。4人の写真を見せる。何か気づかれたことありますか?
ビデオがたくさん置いてある。映画。
テレビ画面の荒れた画像。背表紙のないビデオテープ=呪いのビデオ
裏返っているテープこれはお客さんの忘れ物かな?ラベルの貼ってないテープがあった。
【玲子、ビデオを見てしまう】
●部屋に戻る玲子。おどろおどろしい音楽。
ビデオデッキに入れる。砂嵐。画面が映った。
【恐怖】
◎ここで観客は心の準備ができている。期待を上回らなければ叩かれることになる。
「昔の人が撮影したフィルム」っぽくなければならない
①女性が髪を解いている和服。途切れた。
→鏡下手女性の姿がうつる→一瞬鏡上手に移動(同じカメラ位置)→鏡再び下手
◎非現実的な移動に一瞬びっくりする
②新聞記事の文字が。動いている。
◎①なら手品でもできるが②は簡単にできることではない。
③たくさんの人がうめいている。不快な金属音。頭。
④頭に布をかぶせられた男性。なにかを指さしている。
◎なにを指しているのか、意味があるはずだと思う。
◎数コマ抜かれていて映像が若干飛んでいる。
⑤目の中に貞という文字。
⑥井戸の画像。
ビデオを見てしまった。
電源を切る。カメラテレビに映った自分の姿。後ろに女性が写っているのが見える。【恐怖】
振り返ると誰もいない。
電話が鳴る。【恐怖】
受話器の後ろからカメラを構えてそこにむかって人物が近づいてくる。行くのではなくて来る。
受話器の向こうから金属音。
電話を置くカット上が広く空いている。何か出てくるんじゃないかと不安感をあおる【構図】
時計を見る。7時10分少し前。
一週間と言ってカレンダーを見る。出てゆく玲子。人物がいなくなった空舞台を部屋をしばらく映す。(約10秒空舞台)雨音。
●雨の道
傘を持って歩いている少年。立ち止まる。
→何かを感じた。父親だと感じたのか?
男が立っている。真田広之。
言葉を交わさない。
→親子なのになぜ言葉を交わさないのか?
① 知らないから(真田広之は知っているだろう) ②虐待などで恨んでいるから(のちのシーンでの松嶋菜々子との関係からそうは思えなかった。) →ここでなぜ言葉を交わさないのかわからない
◎この時点では松嶋菜々子も真田広之も半信半疑。(だからビデオを見た)
9月14日、火曜日。
●真田広之。松嶋菜々子のマンションに行く。
真田広之が呼び出しを押す前に中から松嶋菜々子が扉を開ける。
見つめあう。にらみつけるような目。笑顔はなくあまり好意的ではない。中に入れる。元カレか?
→二人はあまりいい関係ではなかったようだ。
部屋の雰囲気を確かめる真田広之。息を大きく吸い込みジャケットを脱ぐ。
→真田広之はこのとき強い霊を感じていた。
玲子はコーヒーを入れる。今日は小学校か。一年生。最近どうしてるの?相変わらずだ。収入は?大学で教えている。
頭を押さえる。それで電話がかかってきたって? ええ。じゃあ俺が見終わったらこの電話がなるんだ。
4人死んでいる。だったらお祓いでもすればいい?(半分信じていない)
私を撮ってと言ってカメラを渡すポラロイド写真。こっちを向けよ。
写真を見つめている。差し出す。まじまじと見る。
顔が歪んでいる。絶望する麗子。
→効果音で恐怖を盛り上げる
ビデオデッキ。入れる。例のビデオを再生する。
真田広之がビデオを見る。
●雨。外に出るベランダに出る玲子。
ノックする「終わった」
電話はならない。
ダビングしてくれ。(これで松嶋菜々子は助かった)中身を調べたい。まだ死ぬと決まった訳じゃない。それはビデオで作ったやつがいる。
外は雨。撮影のために降らしているのか?
●9月15日水曜日。
ファックスを。とる岡崎。
ビデオを調べている。井戸で途切れる。
部屋の中、岡崎が来る支局からです。
宿泊客のリストどうするんですか?
ちょっと一人で調べたいことがあって。
●駅前
バスが止まる。
真田広之何かを読んでいる。
英語で何か書く
長い脚の女がくるミニスカート。
女立ち止まる。呻き声が聞こえる。
女性の足は真田広之の前に立つ。
→白いパンプス。汚れか、模様か?
お前なのか、お前がやったのか?
顔をあげるが誰もいない。
真田広之何かを知っている?
→この女は誰なのか最後まで明かされない。中谷美紀なのか?
→中谷美紀と言うわけでもなさそう
→真田広之には霊感がある、ということがわかった
→このシーンに意味はない。続編で登場するのかもしれないが不要だと思う
●古いアパート入り口で座っている松嶋菜々子。そこには真田広之やってくる。
真田広之。鍵をあけ、松嶋菜々子と一緒に部屋の中に入る。
どうだった?宿泊客にテープを持ち込んだ人はいなかった。電話で話した感じはみんなまとも。
一帯では電波ジャックはなかった
ダビングしたテープを持ってきた
浅川と呼ぶ。
→名字で呼ぶとはどういう関係なんだろう?
一コマ一コマ見てゆく。
女に見覚えはない。
この画面は妙だわ。この角度から鏡を取れば、カメラマンが映るはずよ。プロの技術なら修正できるけれど
新聞の文字「噴火」が揺れている。どこの山の噴火か知りたいが民生用のモニターじゃ無理。
ドアの開閉音「入れよ」
若い女性が入ってくる中谷美紀。高野君、俺の教え子
元女房。
→2人は元夫婦だったことがここではっきりする。
ドアの開閉音。出ていく
黒板をいたずらで式を何か修正する
→あとで真田広之は気づき元に戻すが意味はないと思う
●テレビ局。
鍵を開けて中に入る。
真田広之と松嶋菜々子ビデオを確認する。
揺れる文字。噴火の新聞。
無理か……
場所は分からないようだ。
貞の文字
無意識にしろ手掛かりを残しているはずだ。つきとめてもらいたがっている。
金属音がする。待てよ。何かを聞いたのか?
顔に布をかぶった。男性。スローで再生される。
セリフに耳をすませる。
「●●がくるぞ」と聞こえた。
→方言だった
41分
●マンションを出て行く陽一
振り返る。
●9月16日木曜日。
女子中学生のインタビュー映像を見ている。電話がかかってくる。
→電話の鳴る音は不気味
「水遊び化け物。」大島の方言だった。噴火は三原山。
●図書館。新聞を調べる真田広之と松嶋菜々子。
息子に電話をかける。今夜は遅くなる。ひとりでできるでしょう。
真田広之は気になる。
三原山が噴火の記事を見つける。
「これ」横の小さな記事。
女性が噴火を予知したかの記事。
→真田広之は何かに気づいた
不気味な音楽。
大島に知り合いはいるか?通信員を置いている。連絡先を教えてくれ。お前はあと4日しかない。動くのは通信局員と俺で充分だ。陽一のそばにいてくれ。
●田舎道を車が走る。大きな家に車が訪れる。松嶋菜々子と息子。
おじいちゃんとお魚を取りたいんだって。支度して、それから出かけよう。●川で魚取りをする。
●眠っている陽一。
●電話
調べてもらった。
噴火を予知したのはビデオの女山村志津子。三原山に身を投げて死んだ。40年前のこと。
明日大島に行く。お前はあと3日、俺は4日。また後で連絡をする。
●父親が心配そうな顔をしてみている。どうかしたのか?
→この父親はのちに呪いを背負う。そして娘と孫のために死を選ぶ。
●寝ている松嶋菜々子、子供の笑い声が聞こえる。
竹内結子の声「おばさん」と声をかけられる。
隣に布団が敷いてある。暗く言見えないが何かいる。
「陽一」
イメージ映像のディゾルブ。顔を隠す人、指をさしている。
布団には誰もいない。
【恐怖】
ふすまを開けると、陽一がビデオを見ている。ショック映像。
◎子どもがいない→ビデオを見ていたシーンはショックが大きい。
理由)予想していなかった。子どもの死を恐れる。子どもが家から持ってきたことには矛盾はない。
慌てて顔を抑えリモコンを取り上げる。すでにテープは終わっていた。
お前が持ってきた。どうして?
ともちゃんが……。という。
「ともちゃんが見ろって。」
【転 ビデオの女性志津子と貞子について調べる】
●海の映像。(冒頭につながる)
●船に乗っている。
お前の家に入った時に何かいると感じた。
ともちゃんね。
もうトモコじゃない?
陽一にも見えるのね。
そうだ。
全部私のせいよ。トモちゃんが死んで終わりのはずだった。
どうかな?
あの噂はどこから来たの?
みんなが不安に思ったことが噂になる、あるいは。そうなって欲しいという期待かな?
●船を降りる。
→大島に来た。旅気分
通信員が迎えに来ている。
9月18日、土曜日。
山村さんは網元だったが手放してしまった。いとこにあたるじいさんがまだ生きていて、旅館をやっている。そちらに手配をしておきました。
山村千鶴子は何で自殺したの?
気がふれた。マスコミにひどいことを書かれた。
●噴火を予言して島中の評判になった。以前から不思議な力があった。彼女に物好きな学者が現れた。伊熊平八郎。追放された。東京に連れ出して実験を繰り返した。超能力の実現を証明しようとしたマスコミは、もてはやした。その後叩き潰した。
マスコミのやることは変わらない。
実験の時に人が死んだはずよ。
博士が追放されてからの足取りはさっぱりつかめない。
志津子には娘がいたはずだ。
ビデオにうつっていたことを思い出す松嶋菜々子。
●旅館に到着する。
部屋は別々で。
違う部屋のふすまを開ける。
ビデオに写っていた鏡がある。
振り返ると老人が立っている。
【びっくり】
●志津子のことは話すことは何もない。
娘? そんなものはない。
●食事の後、膝を抱えている松嶋菜々子。
食わないのか?
私が死ぬ時、一緒にいて。
俺がまともじゃないからか。
親子そろってこの血を絶やすか? 陽一を生んだのは間違いだったんだ。やめて。
→離婚の原因を言及しているのかもしれない
→真田広之の血縁(霊感が強い一族、というような)に何かあったのか?
●志津子の写真を持ってきてくれる奥さん。
写真に写っているのは博士。
不気味な声が聞こえる。
●海岸を歩く。真田広之。
9月19日、日曜日。
タバコを吸っている老人。海を眺めている。
あんたら早く帰った方がいい。海が荒れるぞ。
志津子は変っていた。このあたりに日がな一日座り込んで毎日毎日海ばっかりぼーっと眺めていた。漁師はみんなけ嫌いをしていた。海は俺達にとって不吉な場所だ。
水遊びばかりしていると化け物が来る。という意味。
志津子は人の心がわかった。知られたくないことを知られるのは苦しかった。
真田広之「僕には人の心がわかる。志津子で金儲けをしようとしたのはあなたでしょう。新聞社を呼んだ。娘のことを話してくれ、一緒にいたはずだ。」
映像が見える。
あなたはその場にいた。立ち会っていた。
その場所に松嶋菜々子も来る。松嶋菜々子にも見えているのか?
●実験会場、回想シーン。
的中。全部的中。
マスコミが騒ぎだすインチキだ。
一人が倒れる。口を大きくあけて死んでいる。
それを見ている松嶋菜々子。
化け物だ。という声。何かを見つける?
貞子と叫ぶ。
●貞子が殺したのか?念じるだけで殺せるのか?
あいつは化け物だ。
●長い髪の女が松島の子の手を掴む。
●松嶋菜々子倒れる
真田広之、松嶋菜々子の手を握る。
●海の向こうに大きな雲が見える。
●電話、伊熊博士が貞子を引き取ったが音信不通。とにかく行先を突き止めて。貞子は40代よ、急いで探して。
多分貞子は生きてない。貞子は念じるだけで人が殺せた。母親とは桁違いの力を持っていた。
あのビデオは?
この世のものじゃない。貞子の怨念そのものだ。俺たちは呪いをかけられたんだ。
人が入ってくる。通信員。
台風で船は出せない。漁船を出してくれ。俺が探す。
●荒れる海
●夜、松嶋菜々子。
電話がかかってくる。だめです。足取りはさっぱりつかめません。
その場に泣き崩れる。松嶋菜々子「陽一」
電話なめの松嶋菜々子。
「伊豆の方……」何かに気づく電話機を見る。
●漁船。交渉している真田広之。
松嶋菜々子、真田広之を呼ぶ。
うちの電話はならなかった。
電話が鳴ったのは貸別荘だけよ。
「船は俺が出す」と声がする。
老人が立っている。
貞子が呼んでいるんだろう。海に引きずりこむ気かもしれない。
●荒れる海
●船の中。真田広之と松嶋菜々子並んで。
変ね、少しも怖くない?
手を握る。
貞子は伊熊博士の娘だ。博士は妻子持ちだった。大学を追われたはそのせいもあるかもしれない。貞子の死体を見つけてやろう。
それで陽一は助かるの?できることはそれだけだ。
あと一日ね。
肩を抱く。
→二人の距離が縮まりそうになる
●海。朝。
●船長の老人に話しかける
貞子に恨まれてなかったみたいだな。
志津子は海と喋っていた。ブツブツブツブツ。
俺は隠れて聞いていたことがある。人間の言葉じゃなかった。
●9月20日、月曜日。
金物屋でシャベルやロープ、バケツを買う。
息子に電話。あきちゃった早く学校に行きたいよ。
ごめんね、早く帰るから。
お母さんはまだ用事がある。おじいちゃんによろしくってね。
見ている真田広之。
受話器を置く。
車に乗る。
●ビデオを見たのは午後7時。十分を超えていない。噂通りそれがリミットだ。
車走り出す。
【結1 貞子を見つけて供養する】
【ペンションの下を掘り、貞子の死体を探す】
●伊豆、パシフィックランド。
ものすごいスピードで車走ってくる
ここだ。
●ペンションの。縁の下を叩き割る。
ロープを中に入れる。スコップを入れる。2人中に入る。
懐中電灯で暗闇を照らす。
井戸を見つける。
●やっぱり井戸だ。2人手を合わせ。手を握ったまま井戸に触れる。
●回想 井戸覗き込む女性。後ろから男性が殴る。井戸に落とす。
→編集のトリック
①井戸の前に貞子ひとり立っている
②松嶋菜々子
③貞子のすぐ後ろに教授が立っていて後ろから殴る
(教授がフレームインして貞子のすぐ後ろにくるでは映していない)
●父親が。落としたんだ。
博士が殴り殺し蓋をした。貞子はこの中に居る。
蓋をこじ開ける。
声がする。
懐中電灯で照らす。周りから中央に行く。泥でみえない
何かが見える?
「貞子は生きていたんだ。這い上がろうとして。」
水の中に入る。バケツを下ろせ。
●水を外に捨てる。外が気になる。
水を汲みだす作業。
何かが気になる松嶋菜々子。日が暮れてくることかな?
6時、時間が迫ってきている。俺を殺す気かバカ野郎。
倒れる松嶋菜々子。
井戸から上がってくる真田広之倒れている。浅川と呼ぶ。目を覚ます松嶋菜々子。
交代だ。お前が引き上げるのは無理だ。いやよ。じゃあ誰か?
平手打ち。陽一はどうなるんだ?迎えに行くんだろう?
下に降りる松嶋菜々子。
●博士が覗く顔
●下に降りる松嶋菜々子。
どこに居るの?出てきて。
お願いどこに居るの?と水の中を探す。
何かに触れる髪の毛?
手が出てきてつかんだ。こんなのって。
髪の毛が浮かび上がってくる。
女の顔。
あなたが?髪の毛が取れる。骸骨。
目からどろっとした液体が流れる。泣いているようにも見える。
松嶋菜々子抱きしめる。
もう7時は終わったあと十分過ぎた助かったんだ。
●警察。
死体は引き上げられたようだ。
なぜ博士は殺したの?娘じゃなかったのかもしれない。
貞子の父親は?人間だったのか?
綺麗だな。手を握る。もう予想。送っていくよ。
パトカー。
→解決と思われたが……
【結1 真田広之は襲われ、松嶋菜々子はどうすれば本当に助かるかがわかる】
【真田広之は貞子に襲われる】
●マンションに戻ってくる。
3つ目は、松嶋菜々子と真田広之。ゆっくり休めよ
俺はなんとかだ、聞こえない。→「論文の〆切だ」だった
ありがとう。
走り出す車。沼津ナンバー。
マンションの中に入ってゆく松嶋菜々子。
●朝部屋。
ビヨンビヨンと。琵琶のような声。
●原稿を書いている。真田広之。
コーヒーを飲む振り返る何かが気になる。
全く。
中谷美紀が描き直したところを。修正する
●ベランダから外を見る松嶋菜々子。
何か不吉そうな顔をする。不気味な音楽
→解決したはずなのにまだ終わっていないと観客も思う
9月21日、火曜日。
●原稿を書いている。真田広之。
何か気になる。振り返る。テレビがついている。
呪いのビデオだ。
色が映っている。食い入るように見る。
色から貞子が出てくる。
近づいてくる
→これが怖いんだよな、なぜだろう?
なんで?
電話が鳴る。
「そうか」何かに気づく。画面に貞子が近付いてくる。
テレビの中から貞子が出てくる。ああ。
爪は焼けただれている。
貞子が近付いてくる。怯える真田広之。出てくる。近づいて来る貞子。
悶え苦しむ真田広之。
立っている貞子。貞子の目がみつめる。悲鳴を上げる。口を開けて色が変わる。
→真田広之が死んだらしい。
●田舎で絵を描いている。息子何かに気づく顔をあげる。
●電話をかけている。松嶋菜々子。
警官が立っているご遺体はもう運び出されています。
振り返る。
●中谷美紀が座りこんでいる。
私が来たら先生は倒れていた。ビデオのこと何か言い残さなかった。首を横に振る。先生の顔。
陽一も死ぬの? まだ呪いは溶けていないの?どうして私だけ助かったの?
黒板の数式なめでビデオを取り出す松嶋菜々子。
数式に何かしかけがあるのかな?
→なにもない
●俯瞰。ビデオを取り出す。
ソファーに座り込む。
写真たての写真。松嶋菜々子と息子の写真が飾られている。
私だけが貞子の呪いを解いていた。何なの? 私がしてあなたがしなかったこと。
●テレビにの消えた場面。松嶋菜々子の後ろで顔を隠した男が映っている。
鞄を指さしていた。
カバンのアップ。
呪いを解くには?コピー。
「ダビングして見せた。」
ビデオデッキを取り出す。
●車。走る
お父さん。お願いがあるの陽一のため。
→呪いのビデオのバトンを父親に渡す。父親が誰かに見せなければ(加害者になるということ)父親が死ぬ。
女子学生の声「呪いのビデオで死なない方法がある。1週間以内にダビングしてほかの人に見せる。見せられた人はダビングしてほかの人に見せるきりがないのよ。死にたくなかったらやるでしょう」
車で走る松嶋菜々子。
どこまでも続く長い道を車で走る。
9月22日水曜日、赤字テロップ。
終