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ネタバレ全開研究「バーにかかってきた電話」東直己

ススキノ探偵シリーズの第二弾。 映画がかなり面白かったので期待していた。まあ期待通りの面白さだった。 ハードボイルドだがユーモアにあふれた表現が多く読んでいて楽しかった。 ただ小説は第一作よりはかなりよくなったけれどまだ甘さがあると思う。 詳細に研究していきます。ネタバレ全開で行きます。結末を知りたくない方はここで左様なら。また会う日までお元気で。 評価 3点(5点満点)★★★ 〇そして俺はこの後、近藤京子に何度も腹を立てることになる。それは結局彼女が死ぬまで続いた。 「

    • ネタバレ全開研究「リング」はどうしてあんなに怖いのか

      貞子が登場するシーンは怖かった。初めて見てから約20年ぶりにみたが同じように鳥肌が立った。 しかし本編を見ずにあのシーンだけを見たら、あんなふうに感じるのかどうかはわからない。 ラストに至るまでもハラハラドキドキしながら緊張感を保つことができた。 のんびり見ていたら気づかないけれど、きっと細部まできちんとつくられていて、観客たちをラストで恐怖のどん底に落し入れる理由がなにかあるはずだ。 なぜあんなに怖かったのだろう。それを探っていきたい。 中田秀夫監督の「リング」を詳細に研

      • ネタバレ全開研究 「探偵はバーにいる」(小説)東直己 ~嫌いじゃないけれど

        詳細に研究していきます。 ネタバレ全開で行きます。結末を知りたくない方はここで左様なら。 また会う日までお元気で。 どちらかといえば面白かったし どちらかといえば好きなのだけれど ちょっと突っ込みたくなるところが多々ありました。 でもどうして私はそこがよくないと思ったのか、と考えることは有益なことでした。 もう一度言いますが嫌いではありません。 シリーズ別の作品も読みます。 総評 2.5点(5点満点)★★☆ (1:怒りを覚えた 2:つまらない 3:まあおもしろいかも 4

        • ネタバレ全開研究「残穢 住んではいけない部屋」ミステリー仕立てのJホラー

          監督 - 中村義洋 原作 - 小野不由美『残穢』(新潮社刊) 脚本 - 鈴木謙一 「私」〈小松由美子〉(心霊現象に否定的な小説家) - 竹内結子  久保さん〈久保亜紗美〉(建築デザインを学ぶミステリー好きな女子大生) - 橋本愛  直人(「私」の夫で妻以上に懐疑的なミステリー小説家) - 滝藤賢一  平岡芳明(興味本位で調査に同行する怪談作家) - 佐々木蔵之介  三澤徹夫(福岡県出身で心霊マニアの会社員) - 坂口健太郎  田村さん(雑誌「閻」に務める「私」担当

          ネタバレ全開研究「仄暗い水の底から」はなぜあたたかい余韻を残すのか

          Jホラーの代表的作品です。詳細に研究していきます。  ネタバレ全開で行きます。 結末を知りたくない方はここで左様なら。また会う日までお元気で。 スタッフ キャスト 監督:中田秀夫 プロデューサー:一瀬隆重 脚本:中村義洋・鈴木謙一 撮影:林 淳一郎 原作:鈴木光司 配給:東宝 【主人公】松原淑美:黒木瞳      碇由貴子(幼児期) 【宝 主人公が守るべきもの】      松原(浜田)郁子:菅野莉央(幼児期)      水川あさみ 【日常の敵】離婚調停中の夫 浜田邦

          ネタバレ全開研究「仄暗い水の底から」はなぜあたたかい余韻を残すのか

          ネタバレ全開研究「サスペリア」

          ダリオ・アルジェント監督により1977年のホラー映画。「決してひとりでは見ないでください」のキャッチ・コピーで大ヒットしました。 一言でいえばおばけ屋敷映画。大林宣彦監督の劇場映画デビュー作「ハウス」(これも1977年)のような感じか。 詳細に研究していきます。 ネタバレ全開で行きます。 結末を知りたくない方はここで左様なら。また会う日までお元気で。 あらすじ スージーはバレエ学校に留学するためニューヨークからドイツにやってきた 雨の中学校からパットが出てくる。

          ネタバレ全開研究「サスペリア」

          ネタバレ全開研究「探偵はBARにいる3」になぜ私は退屈したのか?

          攻撃的なタイトルですが、人にお勧めできる実に面白いエンターテイメント作品ではありました。 しかしダメなところがなぜダメなのか深堀していて、一読の価値はあると自負しています。 詳細に研究していきます。 ネタバレ全開で行きます。 結末を知りたくない方はここで左様なら。また会う日までお元気で。 総評  ◇3.5点(5点満点)★★★☆ ●つまらない、よくわからない、というのが最初に観たときの感想だった 「探偵はBARにいる」の1作目、2作目ともに絶賛している私だが、この3作目に関

          ネタバレ全開研究「探偵はBARにいる3」になぜ私は退屈したのか?

          ネタバレ全開研究「探偵はBARにいる2ススキノ大交差点」 前作を上回る極上のエンターテインメント

          前作もとてもおもしろい作品だったのですが、この「探偵はBARにいる2ススキノ大交差点」は前作を上回る。素晴らしい作品でした。詳細に研究していきます。 ネタバレ全開で行きます。犯人の名前もすぐに出てきます。 結末を知りたくない方はここで左様なら。また会う日までお元気で。 総評◇4.5点(5点満点)★★★★☆ 黒澤明監督についてよく知られた話だが、脚本は複数の人間で書いていた。まず脚本家Aに絶対に切り抜けられないようなピンチを書かせる。それを脚本家Bに渡しどうやってそのピ

          ネタバレ全開研究「探偵はBARにいる2ススキノ大交差点」 前作を上回る極上のエンターテインメント

          「探偵はBARにいる」(映画) 北海道でならではのエンターテインメント

          私にとって「大変面白い作品」でした。詳細に研究していきます。 ネタバレ全開で行きます。 結末を知りたくない方はここで左様なら。また会う日までお元気で。 ◇登場人物 スタッフ 監督:橋本一 脚本:古沢良太 須藤泰司 原作:東直己 【主人公】〈俺〉 - 大泉洋 【相棒】高田 - 松田龍平 【謎の女 依頼人】「近藤京子」 【ヒロイン、容疑者】沙織 - 小雪 【被害者】沙織の夫・霧島敏夫 - 西田敏行 ○小さな敵、探偵は彼らと戦うが、黒幕は別にいる 【リーダー】〈俺〉を拉

          「探偵はBARにいる」(映画) 北海道でならではのエンターテインメント

          「死んでいない者」滝口 悠生 ~死んで居なくなった人は誰なのか? 未だ死んでいなくて生きている人は誰なのか?

          芥川賞受賞作。アマゾンのレビューを見ると小学生の作文か、などと批判している人もいたり厳しいコメントが並んでいますが、そんなことはありません。これは傑作だと断言します。 私など文学初心者ですが、これが文学かとうならせてくれるような素晴らしい読書体験でした。 以下ネタバレありです。 服部さんが亡くなりました。85歳の大往生です。 5人の子供もそれぞれに家族がいて30名近い人たちが葬儀に集まってきます。 葬儀に集まった人たちにはそれぞれ人生があり、それぞれ大変です、とわりとよ

          「死んでいない者」滝口 悠生 ~死んで居なくなった人は誰なのか? 未だ死んでいなくて生きている人は誰なのか?

          川端康成「伊豆の踊子」

           川端康成の「伊豆の踊子」は言わずと知れた日本文学を代表する作品であり累計330万部以上売れました。しかし私は20年以上前に初めてこの作品を読んだ時、恥ずかしながらどうしてこれが名作なのか、なぜ「私」は帰りの船の中で号泣するのかさっぱりわかりませんでした。  旅先で旅芸人の一行と道連れになって、その中にいた一人の少女に惹かれ、親しくなるが彼女が子どもだったこともありプラトニックな関係に終始し、五目並べをしたり、山道を歩いて泉の水を飲んだり、楽しい時間を過ごすけれど、途中で旅

          川端康成「伊豆の踊子」

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          NOTEはじめました。映画や本の感想などを気ままに綴っていきます。よろしくお願いします。

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