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【完全版】オックスフォードの博物館5選

どうも!
セイタです!!
北京大学社修士課程で社会学を学んでいます。
現在はオックスフォード大学のOxford Institute of Population Ageingにて訪問学生として学んでいます。


オックスフォードは一説によれば千年を超える歴史を持つ街であり、伝統ある都市と言えます。また、ヨーロッパは古いものを大事にする文化があり、オックスフォードの街を歩いていても古くからの建物が使われていることがすぐに分かります。


このように伝統ある都市には当然多くの骨とう品や学ぶべき歴史があり、それに伴って博物館も価値あるものになっていきます。そこで、この記事では、オックスフォードの主要な博物館5つを紹介させていただきます!!


この記事の対象者は
・博物館が好きな人
・イギリスの文化や歴史に興味がある人
・オックスフォードの雰囲気を知りたい人

となります。





選定基準

この記事で紹介させていただく博物館は以下の通りになります。
アシュモーリアン博物館(The Ashmolean Museum)
②自然史博物館(Oxford Univertisy Museum of Natural Hitory)
③ピット・リバース博物館(Pitt Revers Museum)
④オックスフォード博物館(Museum of Oxford)
⑤オックスフォード科学史博物館(History of Science Museum)

上記の博物館の内、上から4つは『地球の歩き方 イギリス 2024-25』に乗っていたので、選出しました。残りのした1つはGoogle Mapで評価件数が多かった博物館になります。



①アシュモーリアン博物館(The Ashmolean Museum)

1683年創設という歴史ある博物館。大学の運営する博物館としては、世界一のコレクションを誇る。北キプロスのサラミス遺跡、エジプトのハワーラ遺跡など考古学に関する展示が充実しており、なかでもアーサー・エヴァンズが発掘したクノッソス遺跡の発掘物を収蔵していることで名高い。

Gakken『地球の歩き方 イギリス 2024-25』p322


所要時間:2-3時間程度


おそらくオックスフォードで最も有名な博物館と言っても過言ではありません。僕はIARUという国際学会に参加した時に、他のプレゼンターとともに博物館を見学しました。その際にはオックスフォード大学考古学専攻の博士に館内の説明をしていただきました。すごい贅沢ですね★


なお、館内はものすごく広いので、2~3時間程度見積もっていた方が良いです。地下1階が博物館の大枠の説明、1階は先史時代、2階は古代及び中世、3階は近代、現代についての展示となっています。


確か古代エジプトの展示です。


これはギリシャの展示です。


中世の地中海付近の展示になります。



海底に眠っていた金貨です。



歌舞伎の衣装も飾られています。



クノッソス遺跡を発掘したエバンズの肖像画です。世界史の教科書に載っているような有名人の研究成果を鑑賞できるなんてすばらしいですね。



僕は楽器に疎いのであまり知らないのですが、ストラディバリウスの中でも有名な作品だそうです。



全体的に考古学関連の展示が多いような印象を受けますが、それ以外にも多くの美術品も飾られています。

このように多くの絵画が飾られています。さらに、国や時代ごとに分かれて展示されています。


それ以外にも陶磁器や銀食器なども豊富にかざれられています。

これは日本の品物です。


これはヨーロッパの食器です。




ものすごく大きな博物館なので、時間に余裕をもって来ることをお勧めします。





②自然史博物館(Oxford Univertisy Museum of Natural Hitory)

世界的にみても極めて珍しい、幻の鳥ドードー(17世紀に絶滅)の剥製や恐竜の骨格標本などの生物に関する展示をはじめ、鉱物や地質学など自然科学全般にわたるコレクションが一堂に会する博物館。
展示と同様に注目したいのは、博物館の建築。自然科学の大聖堂を標榜して建てられたヴィクトリア朝期のネオ・ゴシック様式で、鉄とガラスという当時としては最先端の建築材料を用いている。

Gakken『地球の歩き方 イギリス 2024-25』p324


所要時間:1時間半程度


ここの博物館もアシュモーリアン博物館に負けず劣らず非常に有名です。なんなら、グーグルマップの評価だけならば上回っています(笑)

※2024年10月時点


自然史博物館は、展示が非常に整然とされており、伝えたいことがはっきりとしているという印象を受けました。また、観光客に親切です。例えば、以下のように人気のスポットTOP10、骨格標本、鳥類といったカテゴリー毎にわかりやすくまとめてくれています。



さらに、以下のようなわかりやすい館内見取り図も用意されています。展示毎のテーマがしっかりと明記されています。また、そのテーマも「進化(Evolution)」、「生物多様性(Biodiversity)」、「Earth(地球)」など壮大なテーマが多く、胸がわくわくしてきます。


館内はこんな感じです。
※週末だったので少し混んでいます。


館内には多くの剥製や標本が飾られています。


以下のように「自然淘汰の一例」や「生命とは何か」といった問いかけもされており、色々と考えさせられる博物館でした。




なお、人気Top10の展示は以下のものになります。


1.ティーレックス



2.ドードー
なお、この鳥は17世紀に絶滅しています。この博物館のアイコン的な存在です。




3.大量の骨格標本





4.触れる進化

これは哺乳類と爬虫類の展示があります。



5.ゴキブリ
なお、この展示の横にGが飼育されてました、、


6.クジラの標本

天井にあるのですが、少しわかりにくいんですね、、






7.レッサーパンダ
可愛いです。



8.メガロザウルスの顎




9.ナイルワニ




10.ミネラル鉱石(Minerals Display)
この展示は触ることもできます。





③ピット・リバース博物館(Pitt Revers Museum)

自然史博物館に隣接した博物館。入口は自然史博物館内にあり、専用通路から入場する。50万点以上あるコレクションは、世界各地から年代を問わずに集められ、展示されているのは全体の3割ほど。展示は各カテゴリーごとに分けられており、展示品は陳列棚にところ狭しと並べられている。

Gakken『地球の歩き方 イギリス 2024-25』p324



所要時間:1時間程度

この博物館は上記の自然史博物館に併設されており、膨大なコレクションを楽しめます。なお、一見すると世界各地の貴重なアイテムが飾られているだけに見えますがしっかりとテーマがあります。


例えば、以下のような説明文が最初にあります。

何百年にもわたる帝国主義と植民地主義の後、20世紀中頃には多くの非ヨーロッパ諸国が正式な植民地支配から解放されました。しかし、過去は今も存在しており、植民地主義の見えない構造は今日でも残っています。これらの見えない構造はコロニアリティ(植民地主義)と呼ばれ、私たちの人種、階級、文化、性別、そして性に関する考え方を形作ります。コロニアリティは世界を「西洋とその他」に分け、西洋に人種的、知的、文化的優越性を与えます。コロニアリティは、ヒエラルキー(階層)の確立、知識の管理、そして白人の文化や地名の押し付けという三つのプロセスを通じて、これらの考えを生み出し、形成します。

ピット・リバース博物館の展示より


なお、以下のように「文化」、「階層」、「知識」、「地名」といった展示がそれぞれ用意されています。


文化とは、特定の社会や民族に固有の思想、習慣、社会的行動、製品、または生活様式を指すことができます。植民地主義は、我々の文化が優れているという信念に基づいて、既存の文化システムを上書きしようとします。よく押し付けられる文化システムには、資本主義、共産主義、宗教、科学的論理、差別、家父長制、ジェンダー二元論などがあります。文化的帝国主義は、他の生活様式の破壊や、多くの物事の誤解を招きます。

文化(Culture)の説明より


植民地主義は、種族分類と差異によって支えられています。人種化された言語を使用することで、色や物理的特徴といった観察可能な特性に基づいて人間に対して誤った階層分類を行い、劣ったものから優れたものへとランク付けします。このランク付けシステムは、有色人種や女性の経済的および社会的搾取を正当化するために使用されました。

階層(Hierarchy)の説明より


知識は、私たちが世界を見る方法や想像し、理解し、経験する方法において、基本的で不可欠なものです。植民地主義の一部は、知識の植民地化であり、知識の生産を植民地主義者、特に西洋世界に割り当て、他のすべての知識を無効化し、消し去り、沈黙させるものです。

知識(Knowlege)の説明より


地名は、歴史的知識の重要な保管庫です。貴重な地理的、歴史的、文化的な言語知識が地名に保存されています。土地を植民地化することで、植民地主義者たちはその土地から固有の意味や価値、重要性を奪いました。植民地主義者によって与えられた地名は、多くの場合、その場所の本当の意味ではなく、植民地的な押し付けについて語っています。

地名(Place Names)の説明より



館内には以下のようにたくさんの展示があります。


アジアの魔除けです。
日本のお守りも飾られています。


日本と別地域のマスクです。


アジアと別地域の人間の在り方です。


このような展示をされると、自分の文化が絶対的ではないということが嫌でも思い知らされます


なお、2階は芸術品などがメインで展示されています。



3階は武器や防具がメインです。
男の子が大好きなゾーンです(笑)




日本の武具も展示されています。



近世から現代の多種多様な銃も展示されています。




④オックスフォード博物館(Museum of Oxford)

オックスフォード市役所内にあり、小さな博物館の印象を受けるが、意外に展示は充実しており、先史時代以来のオックスフォードの歴史を解き明かしている。アートギャラリーも併設されている

Gakken『地球の歩き方 イギリス 2024-25』p324



所要時間:30分程度


そこまで大きな博物館ではないのですが、展示はしっかりしています。


個人的に感じたのは非常にセンスがいいなということです。色合いや展示に使われているケースなどがどれも上品でおしゃれでした。

上記のようにオックスフォードの歴史や庶民の生活を伝えてくれるものが展示されています。



当時の庶民が着ていた服を着ることもできます。



これはクロムウェルのデスマスクです。死後取られたそうです。



『不思議の国のアリス』にまつわる展示もあります。



⑤オックスフォード科学史博物館(History of Science Museum)

この博物館はオックスフォード大学の図書館や博物館のすぐ近くにあるので、大学の主要な建物を見るついでに見てもいいかもしれません。


所要時間:30分-1時間程度


建物の構造としては
・Top Gallery(2階)
・Entrance Gallery(1階)
・Basement Gallery(地下1階)

があります。


この博物館親切にも以下のようなガイドブックが用意されていました。なので、これに沿って一つ一つ見ていきます。


まずはTop Galleryから




Astronomical Clock & Armillary Sphere

なお、この上の球体は『ゲームオブスローンズ』に影響を与えたそうです。下の時計はフランス革命時間のため、一日が10時間だそうです。



The Bhugola 'Earth Ball'

ヒンディーの世界観からみた地球を表しているそうです。



Charles Babage's Difference Engine

自動のカレンダーを作ろうとしたプロトタイプです。なお、今日のコンピューターのもとになったようです。


このように2階は天文学とか時間に係る展示が多かったです。






次は1階のEntrance Galleryです。

Queen Elizabeth I's Astrolabe

原始的な時計で、太陽と星の位置から時間を割り出します。



John Dee's Holy Table


エリザベス女王のアドバイザーであり、天文学者で数学者でもあった。John Deeが天使と話すときに使ったものです。



Teaching with a Table Orrery

18世紀の教師が惑星の位置関係を教える時に使っていたものです。




John Russell's Moon Globe

月のことを研究するために作られたものです。



最後はBasement Galleryです。なお、ここにはお土産も売っています。


Marconi's Radio Revolution

これは無線技術であり、携帯電話の祖先となります。



The Past and Present of Typoid

ここでは腸チフスとの戦いの歴史が展示されています。



Periodic Table & Penicillin

ペニシリンを開発する際に係った3人の科学者のストーリーです。



What Relativity Says about the Universe

これがこの博物館の1番の目玉です。1931年にアインシュタインがオックスフォード大学で行った相対性理論と宇宙の関係についての講義の際に使った黒板の展示です。



まとめ

以上がオックスフォードにある5つの博物館の紹介になります。すべて無料で入れるので時間があれば全部回るのも面白いと思います。時間がない場合は、歴史が好きならばアシュモーリアン博物館へ、生物が好きならば自然史博物館に行くのがいいと思います。どの博物館もまとまっていて、展示もわかりやすいのでぜひ楽しんでください。



それでは、本記事は以上となります。
オックスフォードに観光する際の一助となれば幸いです。


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オックスフォード大学のカレッジに興味のある方は以下の記事をご覧ください。



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