春野菜の効果と性質
中国の代表的な本草書の『証類本草』と『本草綱目』を参考に、春が旬の野菜の効果と、温めたり冷やしたりする性質を調べてみました。
原文が漢文で、古い医学用語が使われているので、できるだけわかりやすく現代語訳しましたが、一部翻訳しづらい用語はそのまま使用し、末尾に注釈をつけてあります。
フキ 温
咳やのどの腫れによく、心肺を潤し、消渇によい。フキノトウは葉柄の部分よりも効果が高いとされる。[1]
タケノコ 冷
消渇によく、気を増し、水道を通利する作用がある。[2][3]
セリ 平(別説では冷)
婦人の不正出血を止める。血脈によく、気を増し、食べると肥健になる。
ナノハナ 温
丹腫や乳腺炎などの乳房の腫瘍によいとされる。[4]
ニラ 温
蔵府を調和し、病人の体力を補うのによく、常食してもよい。胸部の不快感。根の部分は髪を養う。
ゼンマイ 冷
体内の水はけをよくし、むくみによい。大腸を潤す。
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注釈
[1]消渇:口渇に頻尿・多溺を伴うもの。糖尿病の症状に近いとされる。
[2] 寒熱:発熱と悪寒を繰り返す症状。
[3] 水道:水分代謝の一連の流れ
[4]丹腫:皮膚病の一種。
参考文献
1.唐慎微『経史証類大観本草』(柯氏本、正言出版社・台湾、1978)
2.李時珍『本草綱目』(国立公文書館内閣文庫所蔵)
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