癒しとリラックスの場を作りたくて15

Mさんの場合 外伝:なんでもないものが好きになる催眠

さてヒーリングには成功したので、ちょっとした余興の催眠を受けてもらうことにしました。

前にも試した、なんでもないものが好きになってしまう催眠です。

前回は得体の知れない木の壺を使って失敗したので、今回はもっと普通でお洒落なものを……。ええと……。
借りているサロンの中を見回しましたが、適当なものがありません。
仕方なく、ペットボトルの水を使うことにしました。

Mさんはリクライニングシートの上で、気持ち良さそうにリラックスしています。
目は開けていますが、まだきちんと催眠を解いてはいないので、被暗示性が高まったままの状態です。これからの催眠にも掛かりやすいでしょう。

これからやることについて説明した後、彼女の前にペットボトルをかざしました。

「これがなんだかわかりますか?」
「……水」
「そうです。なんの変哲もない水。別に好きでも嫌いでもないですよね。でもこれが大好きになっちゃうんですよ」
「えっ」

いまから合図をすると、あなたはこれが好きになります……という言葉を繰り返し、前暗示を十分にかけた後、3、2、1と指を鳴らしました。


パチン。

例によって、目をパチパチさせているMさん。
僕がかざしている目の前の水のペットボトルを、じっと見ています。

「これ、好きですよね」
「好き……」
こくこく。

ちょっと感動しました。ああ、掛かってくれたんだ。

「さわっていいですよ」

ふっと微笑を浮かべて、ペットボトルに指を伸ばすMさん。とてもうれしそうです。

しばらく楽しそうに撫でていたので、少し意地悪を。

「これ、別に無くなってもいいでしょう? 向こうに置いときましょうか」
「やだ」

くい、と引っ張って離そうとすると、引き寄せて抵抗します。

どうやら、なんの変哲もないペットボトルの水を、本当に好きになってしまったようです。

2021.11.6これが好きになる

催眠のたしかな効果を確信した僕は、さらに実験を続けました。

彼女の顔の前に、指を一本突き立てます。

「じゃあ、今度はこれが好きになります……」

※エロいので、ここから先は有料にしますね。

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