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西武エースから去り行く後輩へ65球のエール。戦力外の鈴木将平選手が14日のトライアウト参戦へ。チームの先輩、高橋光成投手が前日に打撃投手を務め、プロ生き残りへ後押し

西武のエースから去り行く後輩へ65球のエール。プロ8年目、26歳の鈴木将平選手が西武から戦力外通告を受けた。現役続行を望む鈴木選手は14日に行われるトライアウトへ臨む。そこに西武のエース右腕、高橋光成投手(27)が打撃投手を買って出た。チームを去る後輩への激励だ。20分にわたる打撃練習。先輩の熱いエールを胸に、鈴木選手が挑む。

埼玉県所沢市の西武の球団施設。鈴木選手が13日に練習を行っていた。12球団合同トライアウトが14日に千葉市で行われる。プロ選手としての生き残りをかけた戦い。そこに向けて最後の調整に励んでいた。

そこへ「ちょっと俺投げようか?」と声がかかる。チームのエース、高橋投手だった。2学年下の後輩へ打撃投手を買って出たのだ。

高橋投手は「良いバッターで何度も助けてもらった」と鈴木選手へ感謝の思いがある。投手と野手でポジションは違う。年齢も高橋投手の方が上。それでも食事をともにするなど交流を深めてきた。

チームを去ることになった鈴木選手に向けて、最高の餞別が高橋投手のピッチングだろう。マウンドの5m前から、「4、5割程度の力」で65球を投げた。

力を抑え気味にしたとはいえ、近い距離からの投球。鈴木選手は「光成さん、速いっす!」とうなるほど、力のこもったボールを打ち込むことができた。

鈴木選手は「生きた球を投げてもらったので、自信をもってトライアウトに臨めると思う」と先輩の援護に感謝した。

鈴木選手は静岡高校出身で甲子園に出場経験がある。2016年のドラフト会議で西武から4位指名を受けて入団。プロ3年目から1軍でプレーするようになった。

2022年には打率2割5分と自身最高の成績を残した。昨季は過去最多の72試合に出場し、失敗ゼロで盗塁10をマークした。成績も上向きとなる中で、今年は左ひじの手術を受けるなどして、成績が下降。打率2割を切るなどして戦力外の憂き目となった。

高橋投手は打撃投手を務めた後に「良いバッターですし、明日(14日)も頑張ってもらいたいですね」と後輩を気遣った。

エースから後輩へ65球のエール。一球一球に先輩の熱い激励が伝わったはずだ。鈴木選手がトライアウトで活躍するのを楽しみにしている。

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