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ラグビー日本、負けても強かった。「母国」イングランドに粘り強く向き合う。相手選手からは「すべての称賛を日本に」
ラグビー日本代表は負けても強かった。ワールドカップのグループリーグ第2戦で「母国」イングランドと対戦。相手の攻撃に粘り強く向き合い続けた。後半には一時1点差にまで詰め寄る展開に。終わってみれば12-34の敗戦。しかし相手選手からは「すべての称賛を日本に」と言われるほどのタフさを見せた。日本は「惜敗」といっていい試合だった。
日本の粘りを象徴したのは、相手イングランドへの「ブーイング」だった。日本のひたむきなディフェンスに、相手は突破口を見つけられない。
後半、イングランドの選手が苦し紛れのキックをした瞬間だった。スタンドから大音量のブーイングが響き渡った。日本の集中力ある守備に、相手選手は「ノープラン」のキックをしてしまったようだ。それだけ、日本の壁は厚かった。
日本はノートライに終わった。イングランドは4トライを奪って、勝利の勝ち点に加えて、ボーナスポイント1もつかんだ。ただ、この4トライのうち、日本のディフェンスが崩されて奪われたのは一つぐらいだった。
残りの3つは、ミス、不運、反則から生まれたもの。一つ目は日本ボールのラインアウトが流れた。相手に拾われて、トライにつなげられた。
二つ目は、珍プレーに等しい。相手のパスを受け手が「キャッチミス」。後方に流れたボールが後ろにいた選手の頭に当たった。そのボールを拾った別の選手がインゴールにボールを置いた。
「キャッチミス」はボールをこぼすノックオンではなく「後方への落球」と見なされて、トライが認められた。不運に等しい珍プレーのトライだった。
そして三つめはスクラムで日本が反則を犯してしまった。プレーは継続し、相手の芸術的なキックパスからトライを奪われた。
トライのほとんどが、日本ディフェンスを切り崩したものではなかったのだ。実際、試合中に日本はゴール前まで攻め込まれながら、粘り強く対応し、相手のミスを誘発するシーンが多かった。
試合後、相手のゲームキャプテンを務めたローズ選手は「すべての称賛を日本に。彼らが抵抗してくることは分かっていた」と最大級の賛辞を送っている。
さらに、英国の高級紙「ガーディアン」は、日本について「常に積極果敢で活力に満ちていただろう。高い集中力で僅差を保つことで、イングランドを焦らせた時間があったのは疑いない」と報じている。後半に1点差にまで詰め寄った日本を高く評価している。
日本は母国相手に22点差の敗戦。しかし「惜敗」と言ってもいいほどの戦いぶりだった。
グループリーグは、まだ2試合残っている。残るサモア、アルゼンチンとの試合に勝てば、決勝トーナメント進出は濃厚だ。
「母国」相手に見せた粘り強い戦いぶり。日本は負けても強かった。今後も積極果敢に、そして粘り強い試合を見せてくれるだろう。この「惜敗」をバネに、次戦に臨んでほしい。