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『連打小僧』
飛び込みの屋根修理の若者のセールスが絶えない。
古い家だから仕方ないのだが、インターホンを連打されるのは流石に不快だ。『屋根瓦連打小僧め』が。インターホンを連打する怪しい屋根屋に亙の修理を頼むわけがない。
これは明らかに老齢の者が住む住宅を狙った詐欺臭がプンプンする例のあれではないか。半病人の私が家にいるからいいものの、両親二人の時などは心配だ。
私が、「この辺りの町内で断トツに貧乏なのがこの家だから、他をあたれ」と言っておいたのだが、一月に1.2回の頻度でセールスが来る時もある。なにか、対処法はないものか。私があと7㎏痩せたら二階の屋根に上って自ら亙をズラす計画を立ててはいるものの、それはまだ先の話だ。
いっそ玄関に旭日旗を飾ってみようか。右に旭日旗、左に日章旗、正面に海賊旗でどうだろうか。本当はハーブ系のドライフラワーを飾りたいのだが。
ここは普通に『セールスお断り』のステッカーが無難なのだろう。しかし、もう一押し強めの表現のステッカーが欲しい。色々と調べてみると、『セールスお断り、インターホンを押さないで』、そんなステッカーがあった。
『~インターホンを押すな』と、やや強めのステッカーもあった。どのあたりがいいのだろう。野菜や卵などをくださるご近所さんを不快にさせたくもない。加減が難しい。二週に一度来るヤクルトさんも一瞬インターホンを押す手に躊躇いがうまれるだろう。
いっそ、外聞を気にせずに怪しい札を大量購入して玄関前に結界を張ろうかとも思う。私はあまり外聞を気にしない。他者からどう見られていようと、それほど気にならない。両親にも、近所の親しい人には私の病状を全部教えて構わないと伝えてある。「がんになって新興宗教にはまったのかしら」と思われ兼ねないが。さあ、どうしようか。
取りあえず語意が強めのステッカーを注文してみた。
そうだ、今度セールスが来たらスマホで写真を撮る事にしようか。
それならいっそ、録画機能付きのインターホンを取り付けるか。
悩みどころだ。
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