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日々のこと

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その水面を見つめていられているのかどうか

その水面を見つめていられているのかどうか

先日、息子が2歳の誕生日を迎えた。
朝、2年前のことを思い出した私は、「あの日は大変だったなぁ」と、ふとつぶやいていた。

あの日から2年。
柔らかな宇宙人のようだった彼は、少し覚えた単語を駆使しながら、表情豊かに色んなことを話し、歩いたり走ったり踊ったり、賑やかに過ごしている。性格は穏やかだけれど、やや怖がりなようで、電車や車が大好きなのに、そのおもちゃが電動で動いたりすると「くわい(怖い)」と

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窓の青と鉄の赤

窓の青と鉄の赤

先日、北九州のアートスペースOperation Tableでの短い展示があり、その設営を手伝ってくれたガラス作家の安田尚平さんという方が、彼は「窓ガラスの断面を見た時の青さに惹かれて、それを材料にするガラス作家になった」と言っていた。

それを聞いて、
「うちの子の名前は「窓」というんですよ。」と話したら、

びっくりした笑顔で、
「嫉妬すらしてしまいそうなとてもいい名前ですね。きっと強い子になり

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New year may be a happy.

New year may be a happy.

12月に40歳を迎えた。「年をとる」ことや「おばあさんになる」ということは漠然と昔から想像しているのに、この微妙な年齢になることは、なぜか全くイメージができていなかった。

そういえば3年ほど前だったか、たまたまその年に40を迎える女性2人と夕食をともにしたことがあった。ふたりともそれぞれに自立し充実した仕事や生活を送っているように私からは見えていたので、そのときの彼女たちの口から思いの外、漠然と

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My house

My house

8月に引っ越しをした。

新しい家は、築70年ほど経っていると思われる木造の戸建てで、街のど真ん中まで自転車圏内にありながら、ここだけ時代の流れから取り残されたような佇まいだ。

家探しを始めて間もない頃、写真だけ見ていたときは、まずこの家に住むことはないだろうなと思っていたのに、内見からの帰り道には、私も夫もお互いが高揚しているのを感じた。

広い敷地は、90歳をこえた大家さんが母親から譲り受け

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