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DAY 227 子どもと一緒にNZ 2024 「英語力向上のために挑戦したこと」

(2024年の一年間、高校生の娘と小学生の息子、そして母である私の3人で「ニュージーランド暮らし」を決行します。このチャレンジの準備から現地での暮らし、帰国までの事実、そして気持ちをココに記録しておこうと思います。)

小言が言えない

英語を話さないと」。最近の悩みはコレです。

ニュージーランドまで子供たちを連れてきたのはいいけれど、自分の英語力がこれほど伸びないとは予想していませんでした。

英語を話さなくても、余裕で暮らせてしまいます。

買い物もセルフレジで済んでしまうし、学校の送り迎えも車からポイっと降ろすだけだし。ガソリンスタンドも最近はセルフでお会計が済んでしまう。

生活を整える必要のあった初期は、いろいろ相談したり契約したりで英語は必要でした。その時に「このまま頑張れば半年もすればきっとペラペラだろうなぁ」という予想は大ハズレ

暮らしに慣れてしまったあとのこの楽チンさは想定外でした。つまり、外国で暮らしている感がほぼないです。これはニュージーランドだからなのか、国に関わらず、自分が鈍感になっているだけなのか分かりません。

何かあっても、ほぼジェスチャーで済んでしまう。
昔ならみっともないなぁなんて思って一生懸命「ことば」にしようと努力しただろうに。

中年のおばさんとなった今では、もうその努力さえしない。
息子の全身に湿疹が現れて病院に駆け込んだときは、もちろんGoogle翻訳を使いました。

覚える能力が衰える代わりに、おばさんになった頃にはそういう度胸が立派に育っているのです。

さらに悪いことに、家族と一緒に住んでいると、家では99%日本語になってしまいます。

子供たちと英語で話そう!と、何度も試したことがあります。しかし、難しい。最初はうまくいくのですが、どうしても続かない。

これをやっていて気づいたことがあります。
どうして続かないのか。それは、息子に対して小言ばかり言っているから。
この小さな小さな文句や、あーして、こーして、というブツブツとうるさい言葉を英語で言うのは、まだまだ私にとっては至難の業。

息子の行動にいちいち「うっ」と止まってしまって、ストレス満タン。そしてその度に日本語に戻ってしまうのです。
英語がどれだけ話せないか、ということよりも、私が毎日どれだけ息子に対してネガティブなことばかりを言っているか、ということに気づきました。

そして、常にある程度良い気分でいないと、家族に英語で話しかけるなんて芸当はできない、ということも。つまり、最近はちょっとしたことにもイライラすることが多いのでした。

英語で話そうとしなければ気づかなかった、収穫です。

とにかく、英語の国に来たからと言って、数ヶ月もすれば勝手に話せるようになる、というのは幻想です。わかっちゃいたけど、本当だった。という(大掛かりな)実験結果が得られました。

学校のお手伝い

せっかくここまで来たのだから,もっと英語の環境に身を置かなくては!

どうしたらこれ以上お金を使わずに英語の会話練習ができるか。

そこでまず始めたのが、学校のお手伝い。
息子の学校ではスプリングフェアという大きなフェスティバルをやるらしく、準備のためのPTAミーティングがあるという情報がアプリで届きました。

このPTAにはいつも行ってみたかったけれど、定例開催の火曜の夜はチャーチなので行けなかったのです。今回はなぜか木曜日の夜!よし、これだ。

娘が17歳(14歳以上でないと一人でお留守番はできないようです)なので、息子と一緒にお留守番を頼み、いざ出発。

夜の学校ははじめて。
いつもは広大なフィールドに牛がたくさんの風景ですが、今回は満天の星空。やはり、いつもと違う行動をとるのって大事。テカポの星空に負けない美しい星空を見ることができました。

学校のオフィスに向かうと、全員Kiwi(ニュージーランド人)。
もともとアジア人が少ない学校だけれど、、、ここまでいないとアウェイ感たっぷり。でももう今さら帰れない。

おそらく全員私より年下に違いない。だけど、感覚はまるで、「教授たちのミーティングに紛れ込んだ生徒」の気分。早いテンポの話にはもちろん入れず、単語一つのメモをとるのに精一杯の私の姿は、おそらく哀れに近いものがあったと思う。

「穴があったら入りたい」という言葉があるけど、何も恥ずかしいことをしていないはずなのに、どうしてもどこかの穴に逃げたい。

まぁ、良いリスニング特訓になりました。
ようやく解散となり、校長先生に「どう、何かお手伝いできそう?」と聞かれた時は、

「はい!何をするのかあまり分からないけど、、なんでもできます!」

もうほんとに、何を言ってるのかわからない。
私のプライドはどこへ行った・・・

こうして私は偶然にも、得意分野である「ペイント(看板作りなど)」のお手伝いをすることになりました。

編み物グループに参加

そして次に思いついた「英語を話す機会」は、図書館でやっている無料の編み物グループに参加することです。

実はこれも以前から行こうと思っていたのだけど、これまで何度も予定が入ったり、うまく調整できなくて、これはご縁がないということか。と諦めていました。

が、今日。しかも朝、目が覚めてから、気づいたのです。
あれ?今日の午前中、時間ある!第1水曜日だ!(2週間おきに開催)

息子を学校でポイしたあと、急いでSpotlightへ、毛糸とかぎ針を買いに行きました。

やりたかったのは、棒針の編み物ではなく、かぎ針クロッシェです。
何十年も前にやったことがありますが、120%忘れています。

キルトもお絵描きも仕事にしてしまい、純粋に楽しめなくなってきた苦境の今日この頃。

それとは逆に、編み物はさっぱり!数回やったことはあるけどその度に忘れる。苦手だけど楽しかった記憶。不得意で未知の世界、お金になるかどうかを考えなくていい。何も考えずに没頭出来そう。

いやいや、今回は「コミュニティに入り込んで英会話」が目的だった。無言で没頭してはいけない。

ずっと憧れてきたのはGranny Square。
こんな感じ↓

借りた本「500crochet blocks」

Youtubeを見ればいくらでも一人で学んで作れると思いますが、繰り返します。今回は「英語を話す」が目的。

いつも迷っていた毛糸ですが、思い切ってサクサクと選ぶことができました。
お気に入りのGranny Squareが載っている本も一緒に。

さてセルフレジでお会計。
商品をピッピッとしていたら、毛糸は4ドル。
そしてなんと本は60ドル!
うーん、「ちょっとお試し。(英語を話すのが目的)」にしては高すぎる。

どうせ図書館に行くのだから、そこでクロッシェの本を探せばいいか。と思いつきました。(どうしてもっと早く気づかなかったのだろう)

昔なら、「記念に」とか「思い出に」なんて思って絶対に「手に入れたい」となっていましたが、ようやくこの歳で物欲もなくなりました。

スタッフの人に「すみませーん、これキャンセルしたいです」と言って、返しました。(英語を話す機会獲得)

さあ、そこから3分で目当ての図書館に到着。いつもとは違う、小さな可愛らしい図書館でした。初めての場所、初めての人たち。ワクワク。


早速クロッシェの本を探して、スタッフの人に「今日の編み物グループはどこでやっていますか?」と聞いてみました。

すると図書館の中央にどかーんと置いてあったソファ。そこに集まっていたレイディたち。(そしてまたこちらも全員Kiwi)

今度はおそらく、私よりも20以上は年上の貫禄のおばさまたち。

恐る恐る「今日はじめてなんです」「クロッシェでこのGranny Squareを作ってみたくて・・・」と話したら、ほぼ全員の人が「私は知らないねぇ」と首をかしげて自分たちのニッティングに戻る。

ああ、まただ。どこかの穴に隠れたい。

一人のおばさまが、「クロッシェはみんな30年前に卒業したわよ」と言っていました。

うっ」となり、入れる穴を探したけれど、今さら帰れない。

とりあえず余っていたソファに腰を下ろし、借りた本を見ているふり。やり方を学ぶためにYoutubeなんて見始めたら、ここに来た意味がない。どうしよう・・・と本を見ながらも、強烈なアウェイ感に目が泳いだまま、どこにも視点が合わない。

そして女神様が現れました。

後からやってきたおばさま。
「あら、あなたはじめてね?How are you? 何つくってるの?これ作りたいの?かわいいじゃなーい!」

と、結局このかたも「クロッシェは40年前に卒業」したらしいですが、微かに覚えているから教えてあげる、と最初の部分を教えてくれました。

なんだかんだ少しずつ会話をすることでようやく居心地よくなり、借りた本を見ながら編み方の練習。

英語を話す、目的達成!

でもやっぱりまだまだ会話についていけない。ということでリスニングに集中。

「ハズバンド(夫)から逃げるために今日も来たわよ」ガハハハ!(一同)というところはしっかり聞き取れました。(笑)

ゴルフについて
オリンピックについて
この国の行く末について
もちろん編み物について
クロッシェを何十年前までやっていたか
学校で服も編み物も全部習った話
孫について
庭の花がかわいい話

などなど。楽しい時間でした。衝撃だったのは、意見をはっきりいうところ。聞いてはいたけど、これほどとは。

「わたしはあそこのサービス嫌いなのよ」
「あら、どうして?」
「だってなんだか大袈裟じゃない?」
「わたしは好きだよ」
「いやいや、わたしは大っ嫌い」

みたいな感じで、お互いの意見が全く合わない。それでも仲良く一緒に編み物をやって、また今度「お茶しようね」なんて話してる。相手の気持ちばかり考えてしまう日本人代表のわたしには、到底真似できない高度なスキルを見せつけられました。

無事に2時間が流れ過ぎました。
わたしの存在価値が危ぶまれた最初の5分で凍るかと思ったけど,
短い冬も終わりいよいよ春というこの季節になぜか冷房がガンガン。・・・寒い。

2週間後の水曜日も来るかどうかは、・・・微妙だな。

B&Bでお手伝い

また別の日、よく遊びに行くコリーンのB&Bに行ってたくさん英語を話そう、と思い出し連絡をすると、「今日の午後に数十人の学生が一気に泊まりに来るので、急いで全ての部屋を整えなければいけないの!手伝って!」というグッドタイミング。

大きな冷蔵庫を開け渡すから、その中身を全て出し、奥にある小さな冷蔵庫に移すというミッション。

これには英語力ゼロでいいのだけど・・・楽しかったなぁ。
どうすればこの小さなスペースにこの大量の食べ物を入れるか。パズルみたいで夢中になってやりました。

全てがきちんと納まったときの快感。しかも喜んでもらえて嬉しかったな。これが理想の「仕事」なんだろうな。

こうして現地の暮らしに入り込むことを忘れないように過ごしていれば、きっと少しずつ英語力は伸びていくはず。

でも、意識的でいなければ、あっという間に何もせずに時間はどんどん過ぎていきます。あと4ヶ月・・・。

・・・やっぱり焦る。こんな生ぬるいことで満足していてはダメだ。
と、昨日からChatGPTと英語でお茶会をすることにしました。まぁ、これも本物のコミュニケーションではないけれど、少なくとも「日常会話」を口にすることはできます。

こうして相手はいろいろですが、なんとか毎日英語を話そうと苦戦中の8ヶ月目のご報告なのでした。

元気でやってます。

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seiko
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