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ヨガとことば
昨日は「苦」について思うことを綴ってみました。苦しまない人生を送りたいとは思いますが、人はどうしても苦しみを感じるもの。
まったく苦しみを感じない人生は、、、
生きることすらもあきらめたときにやってくるのか、
生きることに対する執着すら手放したときにやってくるのか、
私にはまだまだ、わかりません。
喉に魚の骨が刺さったら涙を流し
玉ねぎを切ると涙を流し
カエルを見ると怯えてしまう。
そんな苦しみをたっぷりと感じる私です。
さて、こんな苦しみですが、その原因は外側に起こるとは限りませんね。
頭の中で常にめぐる思考が、苦しみとなることもあります。
私は、「戦争」という文字が頭に浮かび上がるとき、「恐怖」という苦しみに体が反応します。そして、その文字は、頭で何度も繰り返されてしまいます。ここで、こうして書いていると、また回ります。「理不尽」という言葉にも、同じような感覚が生じます。
言葉の影響
こうして、身体の中に起こる感覚は、「頭に浮かぶ言葉」の影響を受けていることに気が付きます。
友人に自分の大好きなお菓子をプレゼントしたとき
「ありがとう、おいしかったよ」と言われるか
「どうも、不味くなかったよ」と言われるか
自分の気分はどちらが落ち着いているでしょう。
朝、元気よく「おはよう」と声をかけた相手に
「おはよう!今日も元気だね」と言われるか
「はいどうも。朝から元気だね」と言われるか
自分の気分はどちらが明るさを保つでしょう。
言葉は世界
言葉というのは、相手に伝わることが一番大切です。
何を伝えるのか、それは自分のその時の感じている世界感です
世界感というと大げさですが、でも、会話というは互いの世界感が一致しながらでないと伝わっていかないのです。
ただ、その世界感を細やかな言葉ですべて説明することはできません。
「ある夏、飛行機雲が伸びる空、どこまでも広い草原の中に立つ樹の木陰で昼寝をしたときのこと」を誰かに伝えようとしたとき、
「去年の8月25日気温28度くらいだった日に、空みたら飛行機雲があって、生駒山にある広い草地に生えてるクスノキの下で昼寝をしたときのこと」と、表現したとする。
話してと聞き手の心に描かれる情景と、そこに感じてる感情は一致しているでしょうか?
自分の感じているものを表現するために、「説明」ではなく心象や情景が伝わって初めて「想いの共有」に繋がります。
言葉をどう選択するのか?
その選択への丁寧さが、自らの心に寄り添い、他者へ伝える一つの力になるのです。
そして、心の中で、喜びも悲しみも、妬みも文句も、様々なことを表現し続ける「思考」に使う言葉にも注意を向けてみると自らの体への影響を感じることができるでしょう。
言葉を変えると体も喜ぶ
私は「戦争」という言葉をできるだけ使わない、思わないようにしています。それは、単に反戦という活動のためではなく、自分の体の「嫌な感じ」を予防するためです。
「戦争いやだなぁぁ」「戦争なくなってほしいなぁ」という感情や思考はもちろんあります。
しかし、その思考がうまれた瞬間に気が付いたら
「平和がいいなぁ」「敵も味方も互いの良いところを見つめる世界がいいなぁ」「人種と宗教とあらゆる違いが、互いに面白いと感じる世界がいいなぁ」なんて、言葉に置き換えていきます。
おそらく、ネガティブな表現よりも、そのネガティブな状態が無くなった世界を表現するほうが、「本音」であると思うんです。そして、素直に喜べる世界や情景に包まれることで体の緊張は少し緩むように思えます。
子育て中には、子供にあらゆる「ダメ」を言ってしまいます。
もちろん、ダメなものはダメです。
でも、できるだけ「してはいけない」と表現するのではなく、「こうしよう」と表現するようにしています。
「残してはいけない」のではなく、「ピカピカに食べよう」
「人をたたいてはいけない」のではなく、「人がよろこぶことをしよう」
などなど、、、もちろん伝わらない場合も多々ありますよ。
それでも、良いと思うのです。それは、自分が発する言葉世界感が自分にとって心地よいものだからです。
自分の使っている言葉とその情景は
自分に心地よいものですか?
一番近くで自分の声を聴いているのは、自分です。
自分に語るように、言葉を選び紡ぎましょう。
大量のビーズの中から自分の喜ぶ1つ1つを選び1つの作品をつくるように。
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