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【インフォ】 瀬戸内の島の古民家ゲストハウスに泊まった話

雑誌で島の斜面に広がる花畑の写真を見て、ずっと行きたいと思っていた香川県の志々島。
ホームページを見ると、時節柄しばらく「渡航自粛願い」が出ていたましたが、自粛が解除された7月下旬、花のシーズンは過ぎてしまったものの、ついに訪れることができました。
日帰りでもよかったのですが、島の暮らしをちょっぴり体験したいと思い、志々島で唯一泊まれるゲストハウスを予約して、一泊することにしました。

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志々島までは、三豊市詫間町にある港から、フェリーで20分で渡れます。
私は、昼過ぎの便に乗りました。
島に着くとまず、カラフルな小さな家の形をしたものが海岸近くに並んでいるのが目に留まります。
これは、今では珍しい「埋め墓」で、遺体の埋葬地と墓参のための地を分ける『両墓制』の風習に基づくものだそう。
さっそく島の風習に触れることができました。

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埋め墓を通り過ぎ、港近くの休憩所「くすくす」に立ち寄ります。
船が来るまでの時間を過ごす憩いの場で、ゲストハウスのチェックインもここで行いました。
「くすくす」の奥さんがもてなしてくれたしそジュースで喉を潤した後、いよいよゲストハウスに向かいます。

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途中、「島のアイドル」に出くわしました。
ヤギです。
昔は数がもっといたそうですが、世話をする人手も減っているため、現在は3頭だけになったそうです。
見かけぬ顔に一瞬驚いた様子でしたが、すぐにまた草をむしゃむしゃと食む姿に癒されまた。

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島で唯一の宿泊施設「きんせんか」は、島の夜や朝の景色を楽しみたい人、移住を考え島の生活を体験したい人などのために、古民家を改装して作られたのだそう。
離れにキッチン、風呂、トイレがあります。
キッチンには食器類や調理器具、簡単な調味料がそろっていて、お風呂は明るい時間ならオーシャンビューを楽しめます。

少し休憩して、服を着替え、夕方再び「くすくす」をのぞくと、その日のフェリーの最終便を待つ観光客が談笑していたので、混ぜてもらいました。
人と人の距離がすぐに縮まるのも島の魅力です。

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最終便を見送った後はつまり、島に残った観光客は自分だけ。
島の観光を独り占めできるゴールデンタイムです。
一番楽しみにしていた「志々島の主」に会いに行きました。
香川県の天然記念物に指定された、樹齢約1,200年の大楠です。
事前に写真では見ていましたが、実物を目の前にすると、その存在感に圧倒されました。
大楠のエネルギーを体いっぱい浴びて、次に向かったのは「楠の倉展望台」です。
島民手作りの展望台で、瀬戸内海を一望できる絶景スポットです。
絵に描いたような青い海と青い空、行き交う船と遠くに見える瀬戸大橋。
フォトジェニックすぎる風景に、登り坂を歩いてきた疲れも忘れました。

「きんせんか」に戻り、島での夜を過ごします。
飲食店やコンビニはないので、島に渡る前に港近くのスーパーで買っておいたお惣菜を夕食に。
蚊帳に守られながら、畳の上に敷かれた布団で眠りにつきました。
テレビやエアコンがない代わりに、街の喧騒から離れて過ごす穏やかな空間がそこにはありました。
翌朝、陽が昇ると一斉に鳴き始めたセミの合唱で、自然に目が覚めます。
朝一番のフェリーで島を後にしました。

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志々島は、かつて「花の島」と呼ばれていたほど、島全体に花畑がパッチワークのように広がっていたのだそう。
現在は多くの花畑が消えてしまいましたが、島民やボランティアの方が「花の島」を復活させようと活動されており、春には高台に「天空の花畑」が現れます。
その場所にも行ってみましたが、観光客向けにブランコや額縁撮影スポットもありました。
花が美しい時期にぜひ再訪したいですね。

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