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モダン・ジャズの奇才、セロニアス・モンクの素顔に迫るドキュメンタリー2部作、『MONK モンク』『モンク・イン・ヨーロッパ』
独創的なプレイでジャズ・シーンを一変させた、ピアニストのセロニアス・モンク(1917‐1982)。彼の素顔に迫るドキュメンタリー2部作が2021年1月14日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、UPLINK吉祥寺ほか全国で順次公開されます。 今年は、この偉大なるジャズマンが亡くなって40年。公開初日には、本noteの指南役、音楽評論家、藤田正さんとブロードキャスター、ピーター・バラカンさんによるトークショーも開催(詳しくは本文末に)。 藤田さんに映画の見どころとモンクの魅
西部劇の黒人版リミックスなんて、思ってもらっちゃ困る! ジェイ・Zプロデュース、映画『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール:報復の荒野』
2021年10月に一部劇場で先行公開されていた映画『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール:報復の荒野』がネットフリックスで配信開始されました。ショーン・カーター、つまりラッパーのジェイ・Zがプロデューサーのひとりとしてクレジットされるこの作品は、中心となる登場人物がベテラン&旬のブラック・アクターたちで占められていることでも話題。当然ながら、ジェイ・Zが手掛けた音楽も聴きどころ満載です。どうやら、のっけからノックアウトされたようすの音楽評論家、藤田正さんに話を聞いてきました。 (※ト
ユージーン・スミスが残したのは写真だけじゃなかった。映画『ジャズ・ロフト』で体感する1950~60年代のNY、異能たちのセッション
2021 年10月15日より、東京・渋谷のBunkamura ル・シネマを皮切りに映画『ジャズ・ロフト』(原題:The Jazz Loft According to W. Eugene Smith)が全国公開されます。ジャズと題名にあるので音楽映画であることに間違いないのですが、その元となる音源を残していたのは……世界的写真家のユージーン・スミス! 音楽評論家の藤田正さんにお話を伺い、注目の映画をご紹介します。 トップ画像 ©1999,2015 The Heirs of W
1969年。50年間、語られなかった音楽フェスがハーレムであった。映画『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命が放映されなかった時)』
1969年は、音楽がアツイ夏だった。そう、多くの人が知る「ウッドストック(Woodstock Music and Art Festival)」がアメリカで開催された年だ。そして――同じ夏、もうひとつの大規模音楽フェスがあった。この、ニューヨーク・ハーレム、黒人街の真っただ中で行われたフェスティバルの映像をまとめたのが映画『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命が放映されなかった時)』だ(2021年8月27日公開)。見どころをブラック・ミュージックをこよなく愛する、音楽評論家・藤
異色のグルメ・ドキュメンタリー。アメリカの味は黒人奴隷によってつくられた! Netflix『アフリカからアメリカへ:米国料理のルーツを辿る』
今回は早速、本題へ! ――ネットフリックスで2021年5月26日に配信開始された『アフリカからアメリカへ:米国料理のルーツを辿る』(原題:High on the Hog:How African American Cuisine Transformed America)。全4回のリミテッドシリーズですが、これ、めちゃくちゃ、おもしろかった! すっごいところにボールを投げてきましたね、ネットフリックスは。 藤田正さん(音楽評論家・以下、藤田) アメリカ料理のルーツを「奴隷(制
日本初公開となる『Billie』、サルサ映画の最高傑作『Our Latin Thing』も上映決定!/「Peter Barakan's Music Film Festival 」7月開催@東京・有楽町
2021 年 7月 2日(金)~7 月 15 日(木)、東京・角川シネマ有楽町で音楽映画祭「Peter Barakan’s Music Film Festival」開催されます。音楽をこよなく愛するピーター・バラカンさんが何年も前からあたため、ついに実現させた映画祭です。音楽を題材にドキュメンタリー、コンサート映画、音楽シーンを描いた劇映画などさまざまなジャンル、時代を網羅した厳選のライン・アップは全14作品。注目の作品から、ビリー・ホリデイのドキュメンタリー『Billie』
アカデミー賞短編実写映画賞受賞。だれかループを止めてくれ! ブラック・ライヴズ・マターの本質を描く快作『隔たる世界の2人』
4月9日に『隔たる世界の2人』がNetflixで配信開始されました。第93回アカデミー短編実写映画賞にノミネートされています。さて、『歌と映像で読み解くブラック・ライヴズ・マター』の著者、藤田正さんはどう観たのでしょうか? ※アカデミー賞短編実写映画賞受賞しました!(現地時間2021年4月25日)※トップ画像はオフィシャルトレイラーをスクリーンショットしました。 (追記) 映画の配信直後の4月11日、ミネソタ州ミネアポリス近郊で黒人男性ダンテ・ライトさん、20歳が警官に射殺
アカデミー作品賞ほか6部門候補の話題作、Judas and the Black Messiah(ユダと黒人救世主)徹底解説!
Judas and the Black Messiah(ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア)。日本語に直訳すれば『ユダと黒人救世主』が第93回アカデミー作品賞ほか6部門にノミネートされています。昨年、『歌と映像で読み解くブラック・ライヴズ・マター』を出版した私たち(著者=藤田正さん、編集=森)も、とりわけ注目をしている作品です。 現状、日本公開は未定ですが、手に入る限りの情報をもとに、4月25日のアカデミー賞発表に先立ち徹底解説します。 ※2021年4月26日追記