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酒のうつわいろいろ

これを書いているのが2020年6月上旬、世界を襲った新型コロナウィルスの流行まっただ中。日本では政府の発令した緊急事態宣言も解除となり、ほんの少しだけ落ち着きの兆しが見えたようなこの頃です。(このnoteは後世に残しておく記録なので、このような書き起こしになることお許しください)。

強制力のない外出自粛とはいえ、政府の要請にしたがって多くの人が自宅で時間過ごすことを強いられたと思います。私なんぞはほぼ毎日、仕事の合間に大好きな料理に勤しんでおりました。保存食を駆使して毎食の献立を考えるのも楽しみですが、それを食卓にならべるための器えらびと、献立に合うお酒えらびも毎日の楽しみになっていました。この機会なので、大好きなお酒とそのうつわの話を書き記しておこうと思います。*基本、アルコールの入っている飲み物はほぼなんでもOKな人です。

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なみなみ2合ははいりそうな、おおきな碗。マグカップ替わりにつかうこともありますが、焼酎のお湯割りにはもっぱらこれ。誰の作かも分かりませんが、たぶん泥牛杉本立夫さんじゃないかと。

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10年ほどまえ、百万遍の市で買ってきた徳利。陶器屋さんが出してた新しいものなのですが、うらにアルファベットで「Shige」と筆書きしてありました。けっこう大き目で1.5合入ります。どれもセンスの良いうつわが並んでいたはずなのですが、どこの誰の作かもわからずじまい。

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黒釉の片口、おおよそ1.5合入りで使いやすいかたちと大きさ。銘もはいっていずどこで買ったかも忘れてしましました。マンガン釉かな。男女問わず手のひらにしっくりくる柔かいかたち。

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これもおそらく、これも泥牛杉本さんの作じゃないかしら。何十個もある盃のなかから直感的になるべく選んで使うようにしているのですが、結果的に偏ってしまします。

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猪口。どこかの古道具やさんの店先で買った記憶があります。いちおう銘が入っているのですが、達筆すぎて読めません!お酒の底の手長えびがいきいきして見えて、もっぱら燗酒をちびちびやるときに登場します。

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写真ではなかなかこの色合いをお伝えするのが難しいのですが、こまかい貫入と色が好きなんです。私には珍しい小ぶりの猪口。最近はお猪口も少なくなりました。

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たぶん両親のどちらかが愛用していたはず。うちに、私が子供のころからありました。

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これだけは作家名をはっきり覚えています。京都の木下和美さん。端正でバランスのいいかたち、白と黒の対比が絶妙な方で、茶器も愛用しています。本作は内側に銀彩が施してありますが、ほどよいイブシがついてきてなおよしです。

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お恥ずかしながら、生まれて初めて自分のお金で買ったお猪口。捻り祥瑞はもともと好きなんですが、30年前とくにこれに一目ぼれしたらしいです。銘に「山角専」と読めるのですが、それと思しき窯がわかりません。京都の料理食器専門の「小坂屋」さんで買ったのを覚えています。

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こうやって集めてみると、やっぱりお酒(清酒)にちなんだものが多いですね。うつわには凝るたちですが、飲む清酒についてはあまりこだわりがありません。幅が広く、なにを飲んでもそれほど外れがないので、いまはとにかく何でも飲むようにしています。

朽ちかけた美といいますか、きれい寂びといいますか。買ったばかりの新品にはない、長年使っているうつわには独特の存在感があります。

手仕事の次世代を担う若者たち、工芸の世界に興味をもつ方々にものづくり現場の空気感をお伝えするとともに、先人たちから受け継がれてきた知恵と工夫を書き残してゆきます。ぜひご支援ください。