見出し画像

”動き”のあるストリートフォトを撮る

はじめに

こんにちは。ストリートフォトグラファーのseijiです。

普段私は文字通りストリートで写真を撮っておりますが、この分野の写真に重要な要素に"動き"があります。

もっと言えば臨場感が大事だと考えていますが、臨場感の構成要素に被写体の動きが含まれていると考えています。

ただ、ポートレート写真のように自分が被写体にお願いして動いてもらうわけではないので、どうやって動きを表現するかが難しいのがこの分野です。

この記事では自分なりに試行錯誤した結果をまとめていきたいと思います。

今回の気づきの元になった作例

はためくマフラー
大都市闊歩

一枚目は1xでもAwardを頂きました。色がいっぱい入ってていい感じですね。

まとめ

  • 被写体からの距離が最重要です。2mくらいがちょうどいいです。

  • 被写体に強い光が当たる場所で、文字通り動く被写体を撮影しましょう。

  • 被写体を撮り逃さないよう、F値は8.0、露出は-2.0から-1.0くらいにしましょう。

”動き”とは何か

まず、"動き"というと抽象的なのでもう少し具体的に定義してみます。

私がここでいう"動き"とは、被写体が次の瞬間に動き出すことを明確に予感させること、かつその動きのエネルギー量が大きいと感じさせること です。

もっと簡単に言えばシャッターを切った次の瞬間には大きく手を振って歩いたり落下したりしているに違いない、と一目で分からせることだと思っています。

どのように"動き"のある写真を撮るか

ここからは私が試して良かった要素を紹介していきます。

最重要要素: 被写体からの距離

結論から書きますが被写体からの距離です。2mくらいがベストです。

これは動きがどうこうというより、ストリートフォトで最重要な臨場感を作るために、距離は唯一必須の要素だと考えています。

そもそも被写体から遠いと、それだけで客観的な視点で遠くから見守る形になり、動きのエネルギーを感じる写真になりにくいです。ミニチュア模型を眺めても臨場感を感じないのと同じです。

次に重要なのは光です。というのもすれ違いざまや咄嗟の動きを捉える時に、シャッター速度が速いことが重要なためです。

前述のような写真を撮る時、1/200sや1/400sは遅いです。1/2000sや1/4000sくらいだと嬉しいですね。

そのシャッター速度を生むために、被写体に強く光が当たる大通りを歩き、かつその大通りに直線的に光が入るタイミングを見計らって撮影しています。

また、副次的にコントラストの強い写真が撮れて、海外のストリートフォトのような強い陰影を生むこともできるため一石二鳥です。

※人によってはスローシャッターで流し撮りするのも"動き"を生むのでは?と思うでしょうし、それもありだなとは思います。

ただ、ストリートで撮る時にそれほどまでに速い動作をするのはバイクなどで、若干私の経験値が浅い部分なので、今回は人の運動にフォーカスして書いています。そっちの学びが得られたら別途書きます。

被写体の動作

他に重要なのは被写体が文字通り動いていることです。

歩いている様子を近くで撮影したりするのはもちろんなのですが、個人的にはジャンプした被写体が頂点から落下している時の写真がおすすめです。

これは撮ってみて初めて気づきましたが、落下中の写真はほぼ確実に浮遊感を生んでくれます。

勢いよく飛んでいる写真よりも、落ちている被写体の方が「どういう状況なんだ?」というよい違和感を生んでくれます。

1枚目の写真とか、いいですよね。この女の子はその時機嫌が良かったのか、大きなマフラーをはためかせながらジャンプしていて、撮影したらあたかも空中で寝ているかのような浮遊感を携えて写ってくれました。

カメラの設定

まとめに先に書きましたが、焦点距離は24mm~35mm、F値は8.0、露出は-2.0から-1.0くらいがおすすめです。また、基本的には絞り優先モードで撮影しています。

ある程度広角めで撮るのは結構重要で、いきなりカメラを構えた時に被写体が見切れてしまうのを防ぐためです。

F値と露出の設定の背景は、シャッター速度とのバランスを保ちつつ多少瞬間的に撮影しても変なボケ方をしなくて済むからです。

とはいえ一番大事なのは焦点距離で、それ以外の設定は個人の好みだと思います。

補足:万人にはおすすめしない技法

丁寧に撮りたい方にはおすすめできないのですが、アングルを大きめにずらしたノーファインダー撮影をしています。

アングルはベルト下あたりのローアングルか、頭の上部にカメラを掲げてハイアングルで撮るのがいいでしょう。ただ、ハイアングルは目立ちすぎるのでローアングルで基本的には撮影しています。

また、ノーファインダー撮影についてですが、前述の写真はファインダーを覗いていないですし、なんならディスプレイも見てません。

被写体の”動き”が次の瞬間(文字通り1秒後には)終わっている可能性もあるので、見ている暇がないためです。

最後に

以上、”動き”のあるストリートフォトとは?そしてその撮り方とは?というのを端的にまとめました。

あまり多くの人がやらないのと、成果物の品質を偶然が左右することが多いテーマですが、何かしらの規則性があるといいなと思い、試行錯誤の結果をまとめてみました。

もし別のご知見がある方、ぜひXでコメントしてください。noteと一緒にフォローもぜひ!

アカウントはこちら


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集