猫も杓子も舞妓はん
秋も深まる今日この頃、そこかしこに咳コンコンな方々がいらっしゃいます。カゼやら何やらありますが、なんといっても流行の最先端は、そう、
マイコプラズマ感染症。
感染力の強い細胞内寄生菌で2週間程度の長い潜伏期間を経て発症し、軽快しても1ヶ月ほど咳の遷延する有名なヤツです。今年は桁違いに多いです。開業している友人の耳鼻科医が言うことには、100人来たら半分は風邪症状でその半分以上はマイコプラズマっぽいとのことでした。未成年者を中心に爆発的な流行を引き起こし、全世代に拡大中です。
多くの症例では、休養のみで自然に軽快し、特別な治療を必要としません。然れども日本中で抗菌薬が濫用されてきた結果、最近のマイコプラズマは薬剤耐性を獲得しつつあります。抗菌薬が効かねぇ!ということです。
個人的には抗菌薬治療を投与するのはマイコプラズマ肺炎に至った場合のみと考えておりますが、このあたりは患者サイドからの熱烈な希望もあって実に悩ましい問題です。入院レベルの重症マイコプラズマ肺炎は命に関わるものの、稀です。
なんやかんやいって体力と免疫力ですね。感染症治療の基本は「①ドレナージ・②栄養・③抗菌薬」と習いましたが、②栄養の内訳には「食事と休養と漢方治療」を含めたいと思います。
斯く言う渡邊家も先月中旬に彼奴等の襲来を受けて全滅しましたが、一同抗菌薬は使用せずに食事と休養と漢方薬で治りました。
娘は五虎湯→柴胡桂枝湯→桂枝湯で仕上げ、息子は五虎湯→小柴胡湯→抑肝散加陳皮半夏を要し、私は葛根湯加川芎辛夷→柴陷湯と繋ぎました。妻の処方は複雑怪奇のため割愛いたしますが、子どもたちは5日以内、大人も2週間はかからず治癒しました。
西洋医学では病名毎の画一的な治療になるところを、東洋医学では極めて個別的にオーダーメイドの如く治療を組み立てます。誤治は病状を悪化させますから、藪医者の治療を受けるくらいなら、いっそ好きなものを食べて暖かくして眠るほうがずっといいと思います。
問題は体調が悪くても休めない社会構造です。
休める社会を作るには、しかし充分な余裕が必要です。余裕?そんなものが此国にあるでしょうか。街行く人々の表情を見れば、答えは明らかです。
そもそもパフォーマンスやクオリティを保ちながら労力コストだけを減らすなんて絵空事ですから、何かを諦めなければ国家が破綻するということを、私は此処に主張します。
すなわち、利便性の追求を潔く諦め、自然との調和を重視すべしということです。この一点を基軸にすれば、現代社会の抱える諸問題に打開策が見出されていくことでしょう。
好きな言葉を載せて、結びといたしましょう。
拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、この星の生命が豊かに輝きますように。
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