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誰よりも 《詩》

「誰よりも」

街路樹の並木が遊歩道の路面に

くっきりとした涼しい影を落とす

なんだか初夏に似た感じ

誰かがギターを弾いて
歌を歌っている


僕等は海を見ていた 

特に理由がある訳じゃ無い

もしもあるとすれば 

水と波音と其処に吹く風が

僕等にとっては
大切な意味を持っている 

海は太陽の光を受け色や波の形や

満ち引きの速さを変えて行く

鮮明であり曖昧であり  

その輪郭の色や濃さも
季節により違って見える

情景的に感じる
肌触りと静かな旋律の中


ふたりだけで話す時間 

僕を見る瞳

君と目が合って微笑んだ 
それだけなのに

失くしかけた眩しさを見つけた


誰よりも 誰よりも

時々 途切れる会話の中 

気付いてよ

誰よりも 誰よりも 

いちばん近くで

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