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ライ麦畑で 《詩》

「ライ麦畑で」

何だか虹が見たい 
そんな気分の時ってあるだろ
だけど虹が出る前には必ず雨が降る
雨は嫌いなんだ


君に届け 此の想い…とか
君の為なら何処までも行ける…とか
簡単に言うなよ
舐めんじゃねーよ! そう叫んでる 
あの娘の方がよっぽど純粋だよ


おやすみ ずっと待ってたよ 
今日と言う日の終わりを
サンタクロースが死んだ朝に
真っ二つに引き裂かれた子守歌
うん 好きだよそう言うの
とにかく眠ろうよ 少し疲れてる


死体置き場の様に静まり返った部屋
明かりは消してくれよ 
煙草に灯る火が見たいんだ
案外綺麗だろう そう思わないかい


花の枯れて行く季節と雪が降る前の
季節って良く似てる
死にそうな程寒い夜に
銀色のマスカラ
よしてくれよ 君もそう思うだろう


ねぇ 雑誌に載ってる様な
インチキ臭い愚かしい小説を
どっちが早く読み終えるか
競争しようよ
流し読みや飛ばし読みは駄目だよ
だってどんだけ鈍臭い小説なのか
わからなくなるから


わかるよ 僕もそうだよ
どん底のろくでなしが書いた
小説ほど面白いものは無いよね
きっと僕等は気が合うと思うよ


地上の楽園だってさ 
どうせ僕等には其の環境に
適応する事なんて出来ないんだから
わかってるよ


気がフレる前に
ウィスキーでも飲もうよ
どうして だって?
其れを話し出すと長くなるから
やめておくよ
ただ彼奴らの言葉が僕を
トランス状態にさせるのさ


プリーズ ギブ ミー 
プリーズ ギブ ミー
相変わらず忙しそうだね
いったい何をそんなに
欲しがっているんだい
僕からすれば君は何だって持ってる
様に見えるけど
其の大嘘つきの才能も


誰かまともな神経を持ち合わさた
人間と話がしたい
そう思って電話を
かけようとしたんだ
だけど誰一人として思いあたる人が
居ないんだ


君が電話で話したいと思った時 
理想的な相手って居る?
もしそう言う人が居るなら僕に
紹介してくれないか


何も結婚を申し込んでる
訳じゃないんだよ
ただ彼女と仲良くなりたくて僕は
含みのある笑顔と色目を
使っただけなのに
其れなのに彼女は…
無礼な女だ興醒めだね


誰もが皆んな裸で生まれて来たのに
何をそんなに沢山持って
逝こうとしてるの
無理だよ わかるだろう
皆んな裸で死んで行くんだ
其処にさ 想い出とか愛だとか
そう言うものが少しでも 
あれば良いよね
きっと何も怖くないよ


僕は 君の事を考え始めると 
やめる事が出来なくなるんだ
そう僕はライ麦畑で迷子になった
君と出逢った あの日から

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