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六畳一間のドンキホーテ 《詩》

「六畳一間のドンキホーテ」

満たされないと泣いているのは

きっと満たされたいと願うから

僕等は源泉を探している 

純粋で世界で一番綺麗な水を

其処に辿り着くには流れに逆らって
泳ぎ進まなくてはならない

流れに乗って下って行くのは
ゴミだけだ

良い言葉だ 

理屈や理論は特に必要とされていない


六畳一間の窓の無い君の部屋の壁に
窓を削って作っている

毎日毎日 

時間をかけて隠し持った
ナイフで窓を削った

その窓から見える景色を想像した

そして 
その窓から入って来る風を感じた

悪くない考えだろう 

僕等の初期衝動が

ひとつの形になろうとしている

何一つとして加算する必要は無い

ありのままの君で

此の窓の前に立てば良い

ありのままの僕が君の傍に居るから

見えるだろう同じ景色が

感じるだろう同じ風を

だから 

誰からも愛されてないなんて 
言うなよ

僕等は皆 夢見るドンキホーテだ



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