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生存論 《詩》

「生存論」

僕等は交換不可能な個体であり 

それぞれが固有の命と物語を持つ
かけがえの無い存在である


ある種の迫害は逆に僕等の結束を

より強いものに変えて行く

意識を言語化して行く者と

その言語をただの景色的な
記号としか読み取れない者の差異

其の者達の共存が生み出した

歪みが渦を巻き

社会の中に混沌として生きずいている

劣悪化した同質的なコミュニティー
に隠れる様に溶け込む

そうやって僕等は自分自身を

安全な場所に

置いているのかもしれない

其の劣悪とは僕等の
内なる混沌の反映であり

そもそも矛盾や理不尽 

偽善や弱さや俗っぽさの中に

世界は成り立ち 
僕等は生存し続けている


矛盾や混沌 劣悪を排除する事が

純粋であるならば

僕等は自分自身を
排除しなければならない

ある意味において 

僕等は孤独な存在であり 
孤独では無い


此の不確かな世界に僕は極めて
個人的な偏見に満ちた愛を贈る

絶望の影に怯えながら 

暫定的な価値観へ救いを求める

全てにおいて 
救いの不在こそが愛を求め語る

全ての生存者に愛を 

保留無き慈愛を

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