通りすがり 《詩集》
スノードロップ
通り過ぎた後に
思い出してまた
約束の場所まで
たどり着いても
君はもういない
いつも探してる
キミの残り香が
消えないように
面影だけ抱いて
追いつけないよ
冬に咲く白い花
スノードロップ
花言葉が哀しい
教えてあげるね
貴方の死を望む
夢の続きは今宵
★
アイツがいた冬 2011
遠く伸びたアスファルトを
歩き続けても空に昇れない
つむじ風が信号の青を映す
かじかんだ掌を頬にそっと
当てれば春の遠さを教わる
アイツがいた10年前の冬は
背伸びして僕の肩にもたれ
キスをする度に伸びた髪が
瞑った瞼を撫でて大好きな
匂いが静かに消えていった
★
ピリオドは青に滲んだ
背中合わせのベッドで
言葉は行き場を失った
急ぎすぎた僕は未来を
疲れた君は夢と自由を
冬が終るまで語り合い
二人築きあげた何かは
脆弱な春の風に壊れた
君が僕の前から消えて
初めて知った事がある
独りきりで眠る夜より
君無しで始まる一日を
迎える朝が怖かったよ
★
知らない事にしたかった
ため息と一緒に
君が吐き出した
ケムリのような
ことば達を誰か
字幕にしてくれ
僕は鼓膜を潰し
ノイズだけしか
聴こえないから
キミの唇が動く
何か告げる為に
目を瞑ったって
サヨナラが瞼に
こびりつくから
氷の目薬で誰か
瞳凍らせてくれ
根雪の様に固く
★
満月の下で
茜空の原宿を歩いていたら
表参道の花屋で君を見たよ
みぞおちの辺りが何故だか
じゅわ~んと温かくなって
目を伏せたまま君の後ろを
通り抜けて振り返ったけど
君の姿はもう見失っていた
凍える風が耳たぶを掠める
僕は歩を止め満月を探した
君はあの頃より綺麗だった
★
青の跡
青の後の朱夏は歪んで
青は今もゆらゆら滲む
青の音は心持ちスロー
青い頃の強気は薄れて
青の窓の外は色褪せる
青をもう一度掬いたく
青に手を伸ばしてみる
青が指の隙間から溢れ
青は青のまま胸に残る
青への道は閉ざされて
青の眩しさだけ尚強く
青は永遠の僕になった
★
環状七号線
高層ビルの谷間にある
人間が作りし公園にも
花は咲き樹木は聳える
幼い頃に夢見た場所と
違う所で生きていても
そこを今の在処と定め
季節や人や命を慈しみ
いまを生きられる事に
お陰様ですと伝えたい
環七は今日も風の様に
車の往来が途絶えない
寒椿は空を仰いでいる
★
風に訊け
風の音律を怖がる人は
新月の夜に愛しい人が
死んだ夢を見てしまう
待つ事を知らない人は
二度と来ないあの日を
錆びる様に待ち続ける
ツラい事を数える人は
季節毎の風雅を知らず
容易く温り求める人は
爪噛む癖が止まらずに
いっそ深く噛みちぎり
寒い夜にヒリヒリ痛い
★
マーマレード
部屋の灯りを全部消せば
ベッドと天井の間は俄に
感傷の映画スクリーンさ
少しだけ黄ばんでる夏を
丁寧にコマ送りするから
溢れる涙はマーマレード
ほろ苦い甘さで頬を焼く
口が渇くから林檎を嚙る
酸っぱ過ぎて身震いした
明日髪を切りに行くんだ
大人になりたくなかった
★
江ノ島+夏+ススキ=キミ
空へ続く緩やかなカーブを
曲がり切れば穏やかな波が
見えるからクラクションを
2回鳴らすよレクイエムさ
夜明けから落日までずっと
歩き続けた砂浜がまぶしい
君の名前呼んでみたけれど
独りを想い知らされるのさ
枯れたススキが海風に靡く
君が手を振っているみたい
★
昼下がり
遮れない君への気持ちが
火の鳥のブロンズとなり
何処へも跳べなくなった
★
凪
波は少しばかり
荒っぽく見えた
空と海が交わる
果てに向かって
そう苛立つなと
呟いてみたんだ
そしたら海がね
私は貴方の鏡よ
なんて言うから
途方に暮れてね
暫くの間誰とも
友達にならない
そう決心したよ
防波堤をずっと
振向かず歩いた
僕の影は長くて
いくら歩いても
追越せなかった
★
街灯
陽の当たるうちに
村上春樹の短篇を
読みながら眠った
目覚めた真夜中に
トーストを焼いて
ホットバーボンを
飲んで録画してた
北京五輪の映像を
見ていたら不意に
涙が流れてきたよ
僕は少し驚いたよ
まだ泣けたんだね
真冬の公園迄歩き
街灯の下に立って
涙を乾かしている
★
僕だけの悲しみ
あの人は乗り越えられる
悲しみを敢えてまんまに
しておく愚かものなのよ
そう言って指を指すから
焼きたての湯気が出てる
ルヴァンを齧りながらね
手放したくない哀しみの
ひとつやふたつあっても
いいじゃないかと嘯いて
コートの襟を立てながら
足早に家路を急いだのさ
★
墜落
お互いにお互いを
片翼だと思ってた
確かなことだった
おなじ速さだった
太陽は眩しかった
長く続かなかった
ぼろぼろのボクは
地上から空を見る
美しくたおやかに
君は風を脱ぎ捨て
線になって消えた
認めたくはないが
僕だけが墜落した
確かなことだった
★
孤独
人にはやさしくなれるから
時に怒りが溶けてゆくから
何時かの憎しみも忘るから
傷は僕の証とおもえるから
其を親友だとは言わないが
孤独が淋しいとは限らない
凍てつく池袋の路地裏には
泪と溜息とだれかが生きた
夢の痕がころがっているよ
★
夏休み
永遠に回っている観覧車の様に
幼い頃の夏休みは長かったよね
僕らふたりに出来ない事なんか
何ひとつないなんて思っていた
時の通り魔は正直過ぎて怖いよ
確かにあった煌めきを刃で抉る
キミの沈黙とボクの饒舌だけが
部屋を満たすから息も出来ない
夏休みは鬱陶しく終りを告げた
★
夜明けの刻
高層ビルの隙間に
昇る太陽は見えず
放つ粒子が建物を
オレンジに染める
寒さに抗う僕には
赤い血が流れてる
煙草に火を点けて
吐き出した煙りは
一瞬で消えるから
些細な事も覚えて
いたいと心に刻む
僕はここにいるよ
僕は生きているよ
君を諦めない為に
★
小説と詩集とバーボン
日曜は目覚めた時から
幾つかの小説と詩集を
バーボンをやりながら
眠りに就く迄読み耽る
15階のビルの6階は
静かな雨の音が聴える
夜はますますひとりを
賛美するから孤独など
死にかけた様なものさ
こんな場所にも人間の
息遣いがあるって素敵
太陽の孤独に比べれば
★
うつろひ
「人の顔は変わるものよ」
「そんなに変わったかな」
「生き方は顔に出るって」
「そう言われてみればね」
「確かに君の言う通りさ」
「顔だけじゃないと思う」
「草や雨や風の色も音も」
「うん。熱量も推しもよ」
「変わらない物はないね」
「ええ。永遠さえ移ろう」
★
問わず語り
逆風に逆らうように
パーカーのフードを
何度も被りなおした
デニムのポケットに
突っ込んだ拳は冷く
月をも穿つ程に固い
知らず知らず俯いた
泣いてなんかいない
ほこりを纏った北風
目に凍みていただけ
酔いに胸を高ぶらせ
隠る様に忘れぬ様に
君の名前だけ呟いた
★
いびつな夜の片隅で
君が求る肌の温もりは
僕の体温じゃなかった
強く強く抱き締める度
埋まる筈もない距離は
君を黙らせ僕を黙らせ
夜だけが深くなるから
きっと観ないテレビの
ヴォリュームを上げて
ぎこちない夜が明ける
凍った月が溶ける頃に
★
焦げた夏
ベッドの中
二人仲良く
ポテチ齧り
ベッソンの
映画を観て
週末の波の
話しをした
その最中も
女はずっと
隠し持った
サヨナラを
投げる瞬間
待ち続けた
男はずっと
波と月の話
繰り返した
傾いた西陽
部屋に偲び
最後の場面
簾も樹木も
赤く燃えた
永遠の夏を
サガシテル
★
ジェイソン・ボーンに憧れて
欲望と背徳が跳梁跋扈し
偽善と犠牲がせめぎ合う
眠らぬ街に娼婦は乱れて
打算と堕落が背中合わせ
反吐はいつも裏切りの味
けれど僕には楽園だから
ジェイソンボーンの様に
なりたいと時々思うんだ
★
ララバイ遠く
月が射す光で
生まれる影と
話してみたい
昔々人は月が
削られた夜に
松明を燃やし
死んだものに
謎の呪文唱え
涅槃への道程
照らし続けた
ネオン夜色の
絶えない街で
ビルが産んだ
風を背に集め
眠れやしない
子守唄探した
★
歌舞伎町の娼婦とは
もう長いつきあいだ
暇な時に時々赴いて
チェスをしたりする
必ず一杯の水割りを
ご馳走になるけれど
残念乍ら僕の好きな
バーボンではなくて
安ウイスキーなんだ
一度だけ寝たけれど
もう15年も前の事さ
男と女の友情なんて
僕にはどうでもいい
居心地さえ良ければ
★
最後のKiss
思い出にしようって
泣きながら言うなよ
嫌いな泣顔を見たら
この手で抱き寄せて
ツムジから髪先まで
やさしく撫でるクセ
本気で直さなくちゃ
いけなくなるじゃん
そろそろ夜明けだぜ
キミの言う思い出に
スローな朝の色彩が
入り込まないうちに
最後のキスをしよう
★
銀河系の外に追放されても
僕に神様は必要ないけれど
キミの隣にはいたいんだよ
★
口笛
飼い犬が回復した事を
油淋鶏の美味しい店を
騎士団長殺しの感想を
機種変した携帯の事を
冥王星や金星の年齢を
雨雲の上は晴てる事を
キミに伝えたとしたら
喜んでくれるだろうか
そう思いながら歩いた
名を知らぬ樹木の枝に
緑の新芽が萌えていた
僕の口笛は風になった
★
うつろひ
『明けない夜はないんだってさ』
「夜明けはまた夜を連れて来る」
『止まない雨もないんだってよ』
「世界のどこかで雨は落ちてる」
『人はいつか死んじゃうのね?』
「永遠に死なない方が僕は怖い」
『人生はもっと長いと思ってた』
「死んでからのがずっと長いさ」
★
終章
あれだけ欲しがった
腕枕は要らない様だ
行ってきますのハグ
おかえりのくちづけ
キミの抜殻としてる
悲劇で幕を閉じない
I Love You なんてさ
悪役の出番などない
犯罪映画みたいだぜ
許すことで終るのは
ありふれているから
キミのことは表向き
ずっとずっとずっと
忘れてやらないから
★
本当に済まないと思ってる
でも今夜にもお前は私達の
血となり生命力となるのだ
★
テレビはニュースを流してる
街のノイズが偲び込む夜明け
人は必ず死ぬ事を考えていた
愛は壊れても歩きたいけれど
月の光を身に浴びたいけれど
君と言う傷を愛したいけれど
顎の無精髭を剃りたいけれど
人には優しくなりたいけれど
何ひとつ出来ずバーボンだけ
飲んで海の向こうを憂いてる
★
東京メトロ丸ノ内線
終電の改札を抜けて
乾いた階段を降りる
キミは強く繋いだ手
離さないから僕らは
今夜も一緒にいよう
来た道をまた戻って
風の地上に出たんだ
そこには風花が舞い
コンビニも凍ってた
自販機の缶の珈琲を
かわりばんこで握る
悴んだ掌が温った時
紅い尾の流星を見た
★
さよならイノセンス
漏れた嘆きが爪先の様に
固く尖ってボクのほほを
何度もノックするからね
窓ガラスを開け夜に投げ
自由にしてあげたんだぜ
解放された哀しみは散り
その破片が街に降り注ぐ
ブルーローズの棘が舞う
最後の月のいたずらだね
抗えきれない失望の陰で
ボクはズルさを覚えてく
★
未明
吐息
白く
午前
三時
天は
新月
黒い
凍空
遠い
彼方
襟巻
直し
懐炉
握る
悴む
掌が
小熱
帯び
落涙
セリ
寒風
立ち
頬の
湿る
涙跡
甲で
摩る
寂寞
タル
雲が
泳ぐ
空は
恰も
荒野
星を
数え
歳を
数え
限り
アル
命に
深く
万謝
流来
願い
マタ
明日
★
over
バラの花弁が
散乱した床で
愛し合ったね
キミの唾液と
僕の汗が混り
未来の事など
考えもせずに
刹那は永遠と
信じていたよ
キミの口紅の
色と纏う香水
季節が移る度
変わってゆく
確かに抱いた
腕はからっぽ
愛は窒息した
夜通し聴いた
米津玄師の歌
iPodに残して
★
共犯者(春を呼べ)
キミが泣き止んでも
波は高いままだった
バーボンを飲んでも
ラヂオは踊っていた
欲のカラコン越しに
街は一段と狂い続け
部屋の隅に座っても
独りになれないから
カフカを読み続けた
躊躇いがちな昼下り
死んだ思い出を二人
かき集め十字を切り
指切して春を呼んだ
★
海にいるママに捧ぐ
無にふちどられた雫
ワイプアウトする度
海水を飲んじまうぜ
黒い人魚たち溺れて
ママの声が聴こえる
彼女の羊水を泳ぐよ
僕は嘗て精子だった
気の遠くなるほどの
そうさとっても長い
時を経て貴女に会う
ハロー・マイ・ママ
貴女が逝ってからも
何とか呼吸してるよ
★
地上にて
涙、拭かなくていい
星、濡れながら滲む
風、空缶を蹴飛ばす
空、プラネタリウム
夢、幾たび散っては
夜、いくつも越えて
陽、また昇るときに
君、歩き出せばいい
樹、太古より萌えて
冬、スローに終わる
僕、トレンチ脱いで
愛、肩に掛けてやる
哀、薄めてあげるね
今、確かな地上にて
★
逃亡者(春を呼べ2)
ミモザが揺れている
月の子が揺れている
僕が君が揺れている
きっと試されてるね
探さないでよ免罪符
棒っきれ空に放って
辿りついた無人駅で
もう一度思い出そう
答えがもし同じなら
間に合うと思うんだ
心臓の音を同期して
3秒間のハグしよう
キスより簡単な事さ
★
令和の乱
僕は振り向き様に
君へ銃口を向けた
その日から風穴が
開いたのは僕の方
月は海に墜落して
土用波は荒れ狂い
季節ハズレの風鈴
ウクライナは混乱
頭ん中は百花繚乱
部屋のゴミは散乱
にぎり締めた欄干
壊れた街灯の下に
割れた珈琲カップ
無味のアヒージョ
飲み込む力もない
★
哀しみの窓越しにて
節分にやった豆まき
翌日から君は帰らず
溜息が飽和する部屋
悪い予感は当るもの
アイツは黒鬼だった
窓から見える景色は
いつもと変わらない
動くのは秒針ばかり
心臓さえ止まったよ
★
裏切りへの称賛
親友よ真剣に聴けよな
お前が俺の目の前で
白い結晶の入った
パケをトイレに
流すまでの間
お前の事を
敵と思う
信じて
待つ
良くも
この俺を
騙したよな
その事だけは
褒めてやるから
今夜の月が見納め
明日が来ないように
今から其処に向うから
チャカにマメを詰めとけ
★
月を召喚する為に
わざわざ照らすなよ
暗夜でも君は綺麗さ
放った矢がもうじき
今宵の半月を射抜く
哭きのトランペット
マイルスが奏るけど
僕は知らんぷりして
アスファルトを歩く
えっ、教えてやるよ
名前は通りすがりさ
★
切り取りたい半月夜
摩天楼に凌駕された
狭い空に月があった
そこだけ切り取って
部屋に飾りたかった
でも僕は思案をして
やはり君に贈ろうと
考え直す程に綺麗な
この半月と不覚にも
恋をしそうになった
★
愛しき惑星よ
月光を浴びろ
火を鎮めたら
水を称賛せよ
木を絶やさず
金色花よ咲け
土に還るまで
日常を生きよ
★
孤独、或るいは無口
語り合っても語り合っても
踏み込めない聖域を知って
それが孤独と名付けられた
誰もが逃れられないものと
覚る時にこそ出逢える景色
波の音や砂の白や靡く草々
黄昏て夜が訪れ雨に打たれ
ずぶ濡れのままで遠い君に
贈るラヴソング歌い続ける
★
Soul now on sale(魂の値段)
コイツヲカエシテホシイカ…
ヤツはボクの魂を手に下げて
アスノ25ジマデニ百マンヲ…
ボクは丁寧にレイバンを拭き
サッサトヨウイスルコトダ…
バーボンのコルクを抜いてさ
サモナクバコイツヲコロス…
ラッパ飲みして笑い転げたぜ
魂なんて14年前に売払ったさ
★
ソメイヨシノが香る時
嘘しか言わないキミが
ボクには一番正直者に
映って仕方がないから
不意に背後からキツく
抱き締めた春に香った
洗いたての濡れた髪を
溜息で乾かしてあげる
背徳の憂鬱を焼き尽し
朝には忘れる呪文唱え
2時間だけ愛し合おう
裏切りというベッドで
★
侵略者にモルヒネを射せ
風の森から見上げる夜空
トンネルの出口みたいな
月が遠い彼方に浮かぶ時
正義と正義が正義を争う
ミサイルはキエフを壊す
ロシアの友は聖者の狂鬼
国境は戦闘車両の展示場
ナワリヌイはまだ還らず
寄る辺ない難民にビザを
腹ペコの子らにミルクを
老人に毛布を叫びに耳を
貴方に赦しを君に慈悲を
★
鎮魂夏(れくいえむ )
脱いだハイヒールを
両手にぶらさげた夏
出血した夕陽に汐が
錆びて赤く染った夏
振返った君が右手で
投げキッスをした夏
宙を舞ったハートに
ウインクで返した夏
オルゴール沈没して
あの日で終わった夏
うたかたの風が死に
2度とは戻らない夏
ボクだけ思い出す夏
★
海は月の子供
ねぇお母さん僕は明日も
僕でなければならないよ
それは至極煩わしい事さ
いっそ空の隣りで貴方に
甘えてみたいって思うよ
でも僕は明日もここでね
貴方の子供を続けるんだ
僕が海をやめたら大変さ
お母さんが月を全うして
空から消えちゃう事より
哀しいことだと思うんだ
★
前略
あなたの住む場所には
光と影や色はいますか
花や木や風はいますか
時間は流れていますか
やはり死がありますか
ペンと紙はありますか
銃や麻薬はありますか
戦争や核はありますか
かくれんぼ出来ますか
も1度だけ会えますか
許していただけますか
表参道は冷たい雨です
草々
★
街へ
生まれたての失望に
安いバーボン沁みて
キズは浅いと嘯いて
しなやかに微笑んだ
残響だらけの部屋に
新入りの挫折が1つ
袋詰にして捨てぬ様
昨日の扉に釘を撃ち
そいつを飼い慣らし
いつか強さに変える
僕が死なないために
夜明けには街に出て
風のメロディを集め
ようこそと伝えよう
poem : 通りすがり ★ Forever ★