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境界線の北 《詩》

「境界線の北」

意識の中で人工的に創り出した楽園

その外に一歩足を踏み出すと

途端に荒々しい現実に
直面させられる


擦り切れ始めた幻想の先 

汚れた海が物哀しい波音を響かせる

ひとつひとつの点を線で辿る時

幻想と現実の差異を認識する


冷静にして沈着な計算を
要求されている

僕は失敗するわけにはいかない

不調和 

脱落 

不協和音 

遥かなる眼下

虚空を睨むマリア像 

祭壇に備えられた造花

アンチ クライマックス的な
微笑みを帯びた風

強固な結論付けと

説得術を含む音が響く

そしてあの海は汚されたのだと知る


断続的な喪失と
其処にあるはずの点を線で辿る

描いた図形 其れが僕自身であり 

其処には夢読みも暗号師も
切り取られた影も無い 


そして不正解な人間の僕は

境界線の北に立ち尽くす

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