遠い日の花火 《詩》
「遠い日の花火」
自己解体の深淵
使い道の無い景色と言葉が
誰の人生なんだと
何度も繰り返し問いかける
僕は頭に浮かんで来る風景を
心に溜まる想いを
ただ自然に僕なりの
個人的な柄杓で汲み出している
其の結果生じる難解性や
異端性は二義的な問題に過ぎない
其処にある世界に
自分自身が足を踏み入れる事で
心の開放と救済を文体に綴り残す
近代的に構築された造形と
完結された天上性は其処には無い
形式的なまとまりを欠き
技術的で構造的な欠陥を露呈する
そして僕は
醒めた夜空に
握り締めてた過去を手放した
眠れない夜にも朝はやって来て
盗まれた恋と遠い日の花火 夏祭り
僕なら此処に居るよ
そう最後に一行書き残す