さよなら 愛しい人 《詩》
「さよなら 愛しい人」
起きて見る夢 愛だけを残して
僕はただ其処にある空白に従属する
何かが不意に通り過ぎる そう風だ
一陣の風が通り過ぎて行く
何も奪わずに想いと意志を与えて
自分が自由だと感じれる
唯一の状態が此処にある
其れは空白の中だ
僕の内面 混沌とした闇にある
毒と向き合う
ある場合には致死量に匹敵する
毒性を含むものだって
其処には存在している
現実と幻想が入り混じる
君は其の事を誰よりも知っている
何かが燃え尽きた後の虚脱感
其処にある世界 既成の枠組み
システムの一部に
成りえなかった君と僕が出逢う
君は本能が言わねばならない事を
見つけ文字に起こす
破滅は直ぐ近くにある
狂気を孕んだ魂の不健全
カフカ的未完成を愛し続けた
私が死んだ時には
書いた全ての文章を
燃やして欲しいと
そう君は言い残し 旅立つ