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月の南 星の下 《詩》
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「月の南 星の下」
辛い時には幸せなふりをするの
君の口癖
僕は瞳を閉じ耳を済ませ
其処にあるはずのものを思い描いた
ほんの少しの間だけ
手を握り合っていた
僕は世界に近づこうとしていた
近づきたかった
その普通と呼ばれる世界に
僕は自分が自分自身であり
君は君自身である
他の誰でも無い事に
不思議な安心感を覚えていた
彼等の創り出したものは いつも
僕や君を押し潰そうとしている様にしか思えなかった
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これと言って
他人に自慢出来る様なものは
何も持ち合わせてはいない
ただ君は僕の話を
いつも楽しそうに聞いてくれた
そして君の話しは
少なくとも今までの
僕の世界を変える事が出来る
唯一の言葉だった
不安も迷いも無い満ち足りた場所を
頭の中で幻覚の様に作り上げ
その中でしか
息が出来ない存在出来ない
他に居場所の無い人間になっていた
失くしたものは 今 此処にある
辛い時には幸せなふりをするの
そう言って君は少し笑った
僕は月の南 星の下にある
境界線を探した
回転木馬は止まる事は無い
誰一人として乗っていないとしても
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