静かな風 《詩》
「静かな風」
君は僕を利用していた
そしてまた
僕も君を利用していただけに過ぎないのかもしれない
言い方が悪いね 少し変えよう
君は耐え難い日常を壊す為に
僕の非現実的な
思考から来る言動と行動を欲した
僕もまた
君の葛藤と煩悶の闇の中に
誰にも表現しえ無い
刹那を感じ惹かれていた
それは最初から
わかっていたのかもしれない
君も僕も
僕たちふたりの話は
もう終わりに近づいていた
気付かないふりをしてる僕の前に
黙って時計を見つめる君が居た
結局は
処理出来るものなんて何も無くて
悔やむ事も無く抗う事も無く
ただ季節が変わっていく
君の傍で僕の傍で
静かに風が吹き始めていた