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魔法使いと詐欺師 《詩》

「魔法使いと詐欺師」

幻滅 其処には何か間違ったもの
正しく無いものが含まれている

健全な想像力が失われて僕等の

心には後味の悪い失望感だけが残り

かつて掲げられた正しき

スローガンや美しいメッセージすら

今は その正しさや美しさを支える

だけの魂の力が欠落している

全ては空虚な言葉の羅列に過ぎない


僕の表現する事柄や発する言葉が

おそらく同じ様な種類の人々に
受け入れられて

同じ様な種類の人々を苛立たせる

其れは僕自身の

生まれ持った資質に等しい

本は時として有害物として
廃棄処理されている

そして彼奴は

笑いながら本を焼き捨てる

本の後ろには

必ず人間が居る事も知らずに


本は人々の生活を複雑にし混乱や
憂鬱を招くものである

危険だ害悪であり無意味だ焼き払え 

本は焼かれ続けている 

いったい本には
何が書かれているんだ

其れを知る者は誰も居ない


そして森に隠れて皆んなで
本を暗記しあった 

今に そんな時代が来るのだろうか

内なる目はちゃんと見ていた

既存のものの見方を打ち破り

自由に羽ばたき続ける羽根が
想像の領域を飛び交い

何度でも完全な世界を心の中に
創り変えている


正面突破的な定義や理屈では無い

全てを知りたいならば本を読めば良い

まだ此の世界では本は合法的に
存在している


そう言えば 

僕は詐欺師と呼ばれているらしい

出来る事なら魔法使いとか 
そんな言葉で呼ばれたかったが

比喩の選択が粗雑で内容も無く

適度にだまくらかしている 

そう言う事なのだろ

有難う御座います 

僕は其の詐欺師と言う言葉を
逆説的に賞賛だと受け取った


幻滅 其処には何か間違ったもの
正しく無いものが含まれている

いくら待っても魔法は起こらない

幻滅 其処には何か間違ったもの
正しく無いものが含まれている

詐欺はどうかな

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