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Yes Sir 《詩》

「Yes Sir」

目の前にある現実を離れ夢想に耽る

其れは僕にとっても君にとっても

別の世界に通じる秘密の扉だった


その扉を開くのは自分自身の想像力

上手く強く想像する事が出来れば

その扉は開き

現実から遠ざかる事が出来る


其れが生きて行く為に
欠かせない必要な事なの


そう彼女は僕に微笑みながら囁いた


僕は彼女の瞳に

自分自身の反映を見る事が出来た

時には傲慢で身勝手で
攻撃的な言動と行動


僕は彼女の表面的に見える装いと

相対する対極にある顔 

その違和感と落差に

どうしようもない程の

愛しさを抱いた

狂信的な宗教家の様に
強く惹かれていた

一般的な

価値基準の欠落さえも僕には

芸術的な資質の一部だと感じられた


想像する事は生きる事と同義である


僕は時々
ふざけた調子で君に話しかけた


Yes Sir そう戯けた声で君が答える


僕は今でも意識を集中して

鮮明に記憶を辿る事が出来る

また彼女の声が聞こえた 

Yes Sir


僕が開いた意識の扉の中で

君は 
あの日と同じ様に微笑んでいた

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