死んだふり 《詩》
「死んだふり」
必要悪が裏の正解領域で
息を殺して生き続ける
人の形をした程度の分際が虹を欲する
辿り着けない朝の向こうに
見えた汚れた海
大人の顔をした愛想が
一方的な暴力を振う
生まれてきた喜びや
生きて行く上での業だとか
慢心と理想論
遠いと思い込んでいた天国と地獄
誰も悪くないのなら
何故 僕等は泣いている
夢の奥底 今は黙って死んだふり
傷口を固めた嘘が
汚れたのは僕のせいでは無いと
そう語る
自殺ごっこの成れの果て
辿り着いた場所には何もない
中途半端が風に舞う
夢の奥底 今は黙って死んだふり
お前とふたりで死んだふり