ジムビーム 《詩》
「ジムビーム」
雨上がりの空は
まだ灰色の雲に覆われ
地面は黒く冷たく濡れたままだった
他人と比較する事の無意味さを知る
自分自身の中にある
淀みなき流儀がメッセージを持つ
僕が感じていた乾きと刹那
形を変えて行く雲
沈黙が旋律の様に舞い降りて来る
君は君自身が世界にある何かに
きっちりと結び付いている
証を探していた
此処は単なる通過点であり
目的地へ向かう階段だと
時間は適当に空間を飛び交い
やがて消え去る
死んだ彼奴の事を考えながら
無意識に棚に並んだ珈琲カップの
把手の向きを揃えていた
類い稀な栄光や
超レアな成功例だとか
そんなものを溶かしたジムビーム
バーボンとコロンの香り
金と権力の匂いとか
それを取り巻く女の身に付けた
服の種類や着こなしだとか
かりそめの平穏と風を待つ花
まだ此処には
僅かに雨の匂いが残っている
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