#ビジネスにちょっとだけ役立つかもしれないこと 「エトス・ロゴス・パトス」 レトリックが紡ぐストーリー
「エトス ロゴス パトス!」
「エトス ロゴス パトス!」
2回、唱えると、願いが敵います。
というのはウソです。
ごめんなさい….。
でも、あながち間違いでもないのです。
リーダーは「物事の本質」を理解し、伝えなければいけません。
「DXの本質」ということで15章に渡り記事を書いてきました。
この「DX の本質」でも、DX は経営課題であり、リーダーは、「なぜ自社のとってDXが必要か」というWhyを本質として伝えるべきと書きました。
アリストテレスによると、伝達・説得には3つの手段があるそうです。
その3つの手段が、エトス(倫理的・人格的な伝達)、ロゴス(論理的な伝達)、パトス(感情的な伝達)ということです。
この手段を伝える力を身につければ、大勢に対して方向づけをし、夢を叶えられるかもしれません。
ということで、夢が叶うのはあながち間違いではないかも…。
この本質を伝える呪文の順番も重要です。
「エトス → ロゴス→ パトス」が一番効果的ではないかと..。
「エトス」は、この人なら信用できる信頼できると思わせることで相手に伝えるということです。人の経歴や人格等によって形作られます。なので、最初の呪文として重要です。
エトスを得るには、今まで積み上げてきたものの象徴です。
実績や肩書等は、こだわらないとはいえ、残念ながら大きな信頼につながります。
次に「ロゴス」です。
論理的にエビデンスをもって伝えます。
人格的に信頼できる人が論理的にエビデンスをもって伝えたら誰しもが、心惹かれるのではないでしょうか?
「AだからBである」と告げるだけでなく、なぜならCというエビデンスがあるからです。と伝えます。論理とその背景にある本質をエビデンスとして伝えることです。
そして最後にとどめの「パトス」で、感情的に伝えます。
締めくくりに飾りのない本質をつく一撃です。
伝えたい人に対しての魂をゆざぶるような、言葉であったり表現です。それは、飾り気のない本心から滲み出てくるようなものです。
「エトス ロゴス パトス」の上に、ストーリーをのせます。
上質なストーリーは、個人や組織、集団の経験等を通じて、他者の視点で、その情景映し出し共感を与えることが可能です。
そうなると「エトス ロゴス パトス」の呪文の効果が2倍にも3倍にもなります。
苦労を重ね、逆境にたち、敵が現れ、その敵を倒す!全ての民を救い社会に新しい何かをももたらす的な…ベタなストーリーでいいんです。
さらに、この「エトス ロゴス パトス」と上質のストーリーにレトリック(言葉をいかに魅力的に伝えるか言葉をいかに魅力的に伝えるかという技術)で表現します。
例えば、スティーブジョブズの「stay hungry, stay foolish」のような...。
まさに「パトス(感情的な伝達)」にふさわしいレトリックです。
これをジョブズはスピーチの終盤で、3回繰り返しています。
これは、後付けのレリックになるかもしれませんが、瀧本哲史さんの「2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義」で、最後に「2020年6月30日に、またここで会いましょう。」で締め括っています。
2019年8月に瀧本さんはこの世を去ってしまい、残念ながら叶わないのですがこのドラマチックなストーリーがあり、この「2020年6月30日に、またここで会いましょう。」というレリックが響きます。
「エトス ロゴス パトス」の呪文の上に「上質のストーリー」をのせ、「優れたレリック」で紡ぐのです。
そうなれば、
会心の一撃!
クリティカルヒット!
を、与えることができます。
これを、図示してみると次のようになります。
本質を素早く、的確に見抜く能力のもと、それを的確に伝えていく必要があります。その根底に脈々と流れるものが、エトス・ロゴス・パトスです。その上に上質なストーリーを載せます。そのストーリーには、山があり、谷があり、人々を引きつけます。そして、そのストーリーに輝きを与えるのが、レリックです。
リーダーは、このように本質を見抜き、的確に伝える能力が必要です。
この事を知っているのと知らないのでは、リーダーの影響力も変わってくると思います。
言葉には、大きな力を持っています。
その大きな力をもって、組織や社会を変えていくことは、リーダーとしてとても重要なことです。
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