
『ハーメルンの笛吹き男』 たぶん何の役にも立たない話...
「なんでだ?なんでだ?」
「俺(私)は、こんなに働いているのに!」
「こんなに一生懸命会社のために働いているのに!」
「なんで、こんなに評価されないんだ!?」
「なんで、こんなに給料が安いんだ!?」
「どうなってるんじゃ〜?」
1284年、ハーメルンの町ではネズミが大量発生し、住民たちは困り果てていました。
そんなある日、色とりどりの布を繋ぎ合わせた服を来た男が現れます。 まだら模様の男とか呼ばれていたりもします。
その男は「褒美をくれるのならば、町を荒らしているネズミを退治しよう」と言ったので、住民たちは報酬を払う約束をしました。
男が笛を吹くと、不思議なことに町中のネズミが集まってきます。
そして男が歩きだすと、ネズミもその後ろをついていきました。
男はそのままヴェーザー川に歩いてゆきそのまま川へ入り、ネズミたちを1匹残らず溺死させました。
しかし、町の住民たちは男との約束を反故にし、報酬を払いませんでした。
約束を破られ怒った笛吹き男は「お前たちの大切なものを代わりにいただこう」と捨て台詞を吐きいったんハーメルンの街から姿を消しました。
男は一度町を離れたものの、ヨハネとパウロの記念日である6月26日の朝(正午という説も)に再びハーメルンに現れました。
ヨハネとパウロの記念日で住民が教会にいる間に、笛吹き男が笛を鳴らしながら通りを歩いていくと、家から子どもたちが次々と出てきて、男の後ろに続きます。
男が町の外に出ていくと、子どもたちもそのままついていってしまいました。
その数なんと130人…
その子どもたちは、二度とハーメルンの町に戻ることはありませんでした。
「ハーメルンに笛吹き男」は、グリム童話の中でもひときわ不気味で異彩な光を放っています。
不気味ながらも、個人的にはもっとも好きなグリム童話です。
1284年6月26日にドイツのハーメルンという街で実際に起きた事件がモデルになっているともいわれて、実は実話説というのもあります。
もう一つ有力な説が、12~14世紀に実際にドイツであった東方植民です。
当時のドイツでは、東側への都市の建設が盛んで、ロカトールと呼ばれる貴族から仕事を請け負った人たちが植民者を募集して、植民事業を行っていました。
こうしたことが、笛吹き男が笛の音で子供たちを連れ去ったりとかの話とかぶるような気がしないでしょうか。「新天地に行くといいことあるよ!」的な旨いことを言って、実際に連れて行かれたら低賃金、重労働みたいなことですね…
130人の子どもたちが一斉に町から消えてしまった衝撃的な出来事は、ハーメルンのマルクト教会にあるステンドグラスに描かれています。
さて、この童話については、いろいろな解釈がありますね。
社会や組織やビジネスの世界でも良くあることで引用されてます。
約束は守ろう的なものとか…
で、僕が思うことは「評価はみんな異なるよ」ってこと...
「笛吹おとこの自分の評価…」
「街の人の笛吹おとこに対する評価…」
ここの差が、報酬の未払いにつながる…
そして、「本当に大切なものはなんなのか?」
なんか、会社でもこんなことありません?
冒頭のセリフに戻ります。
俺(私)は、こんなに働いているのに!
こんなに一生懸命会社のために働いているのに!
なんで、こんなに評価されないんだ!?
なんで、こんなに給料が安いんだ!?
そして、「ハーメルンの笛吹き男」を引用している曲もあります。
「MEGADETH」の「Symphony Of Destruction」
ミドルテンポでジャリジャリとしたヘビーなリフに乗せてデイヴ・ムスティン(vo )がダミ声で歌うというより、ただただ吐き捨てる…
で、マーティ・フリードマンのギターソロ
素晴らしい!
「MEGADETH」で「Symphony Of Destruction」
どうぞ
この曲の詩の一部です。
死を手に入れ、支配下に置く
奴が神になるのを見ろ
人々の首が転がっているのを見ろ
転がっていく...転がっていく…
ハーメルンの笛吹きみたいに…
通りには導かれるネズミたち
われわれは、操り人形みたいに踊る
破壊の交響曲に合わせて体を揺らしながら
笛をSymphony に置き換えて引用しています。
えらい人達に洗脳されて絶滅へと導かれている社会への批判と捉えています。
本当はもっともっと、「ハーメルンの笛吹き男」については書きたいことがいっぱいあるんですが、キリがないのでこの辺で...
おしまい