ネイティブの文章に近づけるにはどうすればいいのか(実践編)
先日、私は中国語ネイティブの文章に近づけるにはどうすればいいのかというお題でnoteで記事を一本書きました。
前回では、ネイティブの文章に近づけるための手っ取り早い方法として「真似る」という手段をご紹介しました。
しかし、ただやみくもに真似るのでは「他人の文章のコピー」になりかねません。
そこで今回は「実践編」として、「中国語ネイティブらしい文章」を書くには具体的にどのようなことに注意したらいいのか、細部にわたっていくつか挙げてみたいと思います。
ちなみに最初に念を押しておくのですが、私自身は中国語の文章を書くことについてネイティブに習い、みっちり特訓したわけではありませんし、ネイティブから見て「これはおかしいじゃん」「これは違うよ」と思えるような部分もあるのではと思っています。
あくまで私自身がこれまで数多くのニュース記事に接してきた中で、「こう書いたらネイティブらしいのでは」と思ったテクニックをご紹介していくのでその点はご容赦願います。また、間違っている部分については有識者の方が指摘していたければと思います。
「了」を極力使わない
「了」の用法については、「過去形だ」と認識している日本人はとても多いですよね。しかしこれは誤解です。この認識をアップデートすることから始めるべきです。「了」の本質的な用法については、以前のnoteについて詳しく語っています。
この「了」の用法を正しく理解して、「安易に使わないようにする」「できるだけ別の言い回しに代える」だけでも飛躍的に「ネイティブらしい」文章になります。
例えば、過去形の文章を作りたい場面で「了」を使いたい時でもぐっとこらえ、代わりに「已经」「曾经」などの過去を表す副詞を付けたり、「●月●号」など過去の具体的な日付を入れたりして工夫するようにしましょう。
「的」を極力使わない
ネイティブの文章やニュース記事を見ていただくとわかるのですが、「的」を使わない文章が多いです(全くないというわけではありません)。私自身この特徴に気付いたのは台湾のニュース記事を取り扱っているときでした。このことからも分かるように、台湾では特にこの特徴が顕著です。台湾の記事のスタイルは結構特徴的で、学ぶべきところはおおいですよね。
実は名詞の前に「的」なしで文節を持ってきても、読者は「この文節は後ろの名詞を修飾するんだな」と理解してくれます。「的」を付けたほうが、より分かりやすいのは確かなのですが、あまりに「的」が並んでしまった場合は省略するのも一つの手であることを頭に入れておきましょう。
主語を極力省略する
これは実は上述の「的を極力使わない」とつながっています。
以前私はnote「中国語の主語変わる条件って何?」という記事を執筆する過程で、「これって、私たちが中国語の文章を書く時に適用できるんじゃない」という考えに至りました。
もう一度説明すると「カンマ」を挟んで2文節以上ある文章の場合、カンマ以前の主語、または述語が、「カンマ」を挟んだ後の文節の主語になり得るというものです。
これを逆に利用して中国語の作文をするとき、主語が変わるごとに句点で文をぶったぎったり、句点でぶったぎるたびに主語を提示したりせず、「カンマ」でできるだけ文章をつなげ、「カンマ」より前にある名詞を主語にする場合は、極力主語を省略するようにします。
我慢が必要になってくるのですが、これをやるだけで、「中文らしい」文になります。試してみてください
「因为」「所以」を極力使わない
これは要するに、「因果関係」ですよね。中国語は「フィーリングの言語」であり、「因为」「所以」がなくても、その場その場で読者が「因果関係」を勝手に理解してくれることが多いので、日本語が「~から」だからといって、全部「因为」「所以」を付けると、変な文になってしまいます。
私の場合は、例えば後の文節に「以(これにより)」「以便」「以致」を付けたり、前述の「了」(この結果)をつけたりして、文章の因果関係に緩急をつけたり、主語を変えたりして、読者に「ここの文節はちょっとちがうな」という印象を付けています。
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どうだったでしょうか。これらの注意点は以前の私のnoteの記事で指摘しています。皆さんも見直してみて、ぜひ自分の作文に生かしてみてはいかがでしょうか。