語学学習に年齢は関係ない・・のか?
私事ではありますが、うちの妻は最近、自宅近くの文化センターで中国語を教えるボランティアみたいなことをやっています。いわゆる月謝を取って講師を務める「ガチ」の中国語教室ではなく、NHKの中国語講座のテキストを使ってゆるーく教えるタイプのものです。
私も傍聴目的で参加したことがあるのですが、驚いたのはその平均年齢。80歳越えの人たちはざらで、90歳越えの人も来ると言います。かなりのおじいちゃん、おばあちゃんなのですが、それをみじんも感じさせないお若くて、バイタリティのある姿を目の当たりにして、「すごいなあ」という感想しかありませんでした。
今80歳前後ということは、中国の成長目覚ましかった前世紀90年代に、バリバリのジャパニーズ・サラリーマンとして中国に駐在し、中国の経済発展に貢献していた世代、そしてそのようなご主人に帯同して中国に住んでいたご婦人の世代です。
それだけあって中国の発展に感化されて中国語を始めたという人が多く、熱量も、若い人たちとはかなり違うものがあり、圧倒されました。
ここから見ても分かるように、中国語に限らず、語学学習に年齢がやっぱり関係ないというのは本当だと思います。ヤル気さえあれば、いつでも始められるのが語学学習の醍醐味と言えるでしょう。
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一方で普段XなどSNSをつらつら見ていると、中国語学習界隈には優秀な皆さんが多くいらっしゃいます。そのほとんどが20~30代若い世代の人たちです。
これはやはり、「ガチ」でやるということなら、年齢が有利であることは間違いないということなのでしょう。理由はやはり、語学を「ガチ」で突き詰めれば突き詰めるほど、記憶力、そしてスピーキングに代表される動作の俊敏性が必要とされてくるからです。
一般的に年齢を重ねるごとにこれら2つの要素は衰えていきます。このことから見ても、高齢者が「ガチ」で語学を始めるというのはかなりハードルが高いと言えます。
しかし、妻が参加している中国語教室で学んでいるご老人の人たちは「そのようなこと」は気に留めていないように思えます。むしろ「中国語の勉強を楽しんでいる」ようにさえ見えました。これってやっぱり、「ガチ」で語学を学んでいる人にとっても、とても重要なことですよね。
どんなに「ガチ」で中国語を勉強している人でも、中国語を始める初志は「中国(や台湾・香港)に興味がある」「中国(や台湾・香港)に住んでいる人をもっと知りたい」などなどであったはずです。
うまく上達できなくて悩んでいる人はぜひ、このご老人の方々の「中国語の勉強を楽しむ」という原点に立ち戻り、「焦らず、ゆっくり学んでいく」「つまづいても大丈夫」という気持ちでもう一度自分の中国語学習を見直してみてはいかがでしょうか。