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環境は自分でつかみ取るもの

語学を習得する上で必要なものは何か。記憶力であったり、理解力だったり、洞察力だったり、コミュ力であったり、いろいろなこと挙げられると思いますが、私はこれらの「自分自身の能力」のほかに、語学を習得するための「環境」も必要なものとして挙げたいと思っています。

英語にせよ、中国語にせよ、いくらラジオ講座で勉強したとしてもそれを活用する場やチャンスがなければ、自分の頭から抜けていってしまいます。だからこそそれを使う「環境」が必要だと言えるのです。

しかし語学に必要なこの「環境」ですが、そうそう日常的に転がっているわけではありません。だからこそ語学を本気で習得したいのならば、語学に必要な「環境」を「自分で」勝ち取っていかなければなりません。

特に私たち日本人が日本に住んでいる場合、接する人はほとんどが日本人。日本人同士が英語や中国語をしゃべることなどほとんどありません。このため、日本に住んでいる英語ネイティブ、中国語ネイティブの人たちと積極的に交流していくしか方法はありません。

かくいう私も学生時代は、「中国語を話せる環境」を構築するのにとても苦労しました。高校時代は週一回でしたし、中国語学科に合格できず、英米学科に進んだ大学時代も、中国語の先生に学んだり、中国語文学に進んだ友人のつてで、数回中国に旅行に行ったりして、「なんとか」中国語とのつながりを保っていました。
 
でも私は「中国語が話せる環境」には人一倍こだわったと思っています。その証に、大学卒業の後も就職はせず、「中国語が話せる環境」を求めて中国に留学しました。

いまは幸いにしてSNSが発達していて、日本に居ながらにしてツイッターやウェイボー、そのほかの学習ツールなどを使って中国の人たちと中国語で交流できるようになりました。その点でいえば、私の学生時代と比べて飛躍的に語学「環境」は改善されたと実感しています。

しかしその一方で「甘え」が許される環境になったとも言えます。自分が「交流したい」と思った時に中国の人たちと交流できますし、中国の人たちと「さよなら」した後は、リアルで日本人と日本語で会話することも可能ですし、ツイッターで他の日本人と日本語で会話することも可能です。

そういう環境で中国語の大々的な向上が望めるかというならば、、たぶん「ノー」だと私は思っています。

自分が中国に留学していた時は「中国に留学したからと言って中国語がうまくなるわけではない」ということを他の人から口酸っぱく言われていました。そこで「中国語を話さざるを得ない」環境を構築して自分をそこに追い込むことに徹底的にこだわりました。留学中はフィーリングが合う日本人の友人数人以外は日本人留学生との交流は一切シャットアウトしました。

結果、私が留学中に日本語を使う頻度は数カ月に一言二言ぐらいになりました。飲み会などのお誘いも当然断っていましたし、当時の同期の日本人留学生からは、「付き合いが悪い奴」という感情を持たれていたに違いありません。まぁ私自身日本にいたころは友達も少なく、今でいう「陰キャ」の塊みたいな感じだったので、そんな感情を持たれても別になんともなかったのですが。

でもそのかわり、中国語の会話力は飛躍的に向上しましたし、華僑の子息、台湾人、現地の中国人の言い回しや彼らが考えていることなどなど、いろいろなことについて理解を深めることができました。寝言も中国語で言うようになりました。

また中国留学以降も、自分の中国語が錆びないよう、「中国語が話せる(話さざるを得ない)環境」を維持することに人一倍腐心しました。おかげで「中国語」に携わる仕事もいただけましたし、20年以上経った今でも、なんとか中国語の語学水準を維持できています。

人間というのは、「やらざるを得ない」状況に追い込まないとやらないものです。しかし不幸なことに今はコロナがまだ収束しておらず、中国への留学も希望者全員ができるかどうかわからない状況になっています。でもだからこそ中国語能力をガチで向上したい人は、「中国語をしゃべらざるを得ない」環境の構築にこだわり、「自分を追い込んで」ほしいのです。

SNSにしても、中国語「しか」ツイートしない、スペースで中国語しゃべらないなどなど自分でしばりをかけてみるのもいいでしょう。「日本語を一切使わないアカウント」をつくってもいいと思います。

またはあくまで中国や台湾での留学にこだわってもいいでしょう。今は中国や台湾での留学もいくらか規制が緩くなっているようですしね。

「日本語をしゃべるのは甘え」。それくらいの強い思いで中国語を使えば、必ず中国語の語学力を向上できます。ぜひ頑張ってみてください。

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