2020年9月 読書をしたくなった話
この頃になるとだいぶ回復してきて、時間を持て余すようになっていました。
アマゾンプライムは観たいものは観てしまったし、ゲームも飽き気味。最近始めたミシンも、作りすぎて使い手がいない。スマホをいじるのにも限界があります。だからと言って外に出る気力も勇気もない。
家族の生活リズムに合わせて早寝早起きの習慣がついていたので、午前中の時間もたっぷりありました。
そこで始めたのが部屋の片付け。とは言っても、引っ越しでだいぶ処分してしまったし、シンプリストに憧れた時期もありましたから、ものは少なめ。1日2〜3個ものを捨てるのが限界でした。
こんまりさんの「人生がときめく片付けの魔法」を読んだけれど、やってみたくてもまず服を一箇所に集めるというのが面倒くさい。
そのうちやろうと決めて、手付かずでした。
午前中に何となく時間を過ごして、午後は惰眠を貪る日々。これではいけないと思ってはいたものの、何にもすることがありませんでした。焦燥感とイライラは募るばかり。
そんな時、ふと思ったのです。そうだ、本が読みたい、と。
小学生の頃、よく本を読む子供でした。中学生の頃は、ライトノベルを。けれども高校に入ると、勉強に打ち込んでいたわけでも部活にのめり込んでいたわけでもないのに(むしろサボタージュを決め込むことが多い高校時代でした)、全くと言っていいほど本を読まなくなってしまったのです。大学時代なんて、言わずもがな。社会人時代も、仕事に関する本をパラパラとめくるのみ。
それでも心の底では本を読みたいと思っていたのでしょう、積読だけはいつも部屋の隅に存在していました。けれどもそれも断捨離で処分してしまいました。
手元に本なんて一切ありません。そこで私が見たのが、フリマアプリ。本のカテゴリを流し見て、気になったものを購入しました。長編小説はまだ集中力が保たなそうなので、短編小説から。
外に出なくても欲しいものがポストに届く。なんと便利な時代でしょう。
電子書籍も数冊購入しました。紙には紙の、電子には電子の良さがありますよね。
電子書籍では、軽く読めそうな自己啓発本やムック本を購入しました。
特に1日のノルマは設けずに、読みたい時にページをめくる。そういう風にしました。
これが結構良くて、気持ちが乗っている時に本を読むと、内容がスッと頭に入ってくる。短時間でも本を読んだという気持ちになれるのです。
のちに読んだ、若松英輔さん著の「本を読めなくなった人のための読書論」にも、読書は本と自分との対話で、対話は偶然起こるものなのだと載っていて、ああそういうことだったのかと納得しました。
この読書方法は今でも続けています。
それでも1日読書をするわけにもいきません。気持ちがいつでも乗っているわけではないからです。
そこで、病院の先生に時間を持て余していることを相談してみました。すると、作業療法(OT)を勧められました。その日のうちに見学させてもらい、参加することを決めました。
次回は、作業療法について書こうと思います。