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アマプラ映画感想メモ#9『最強のふたり』
アマプラ映画を観る習慣九回目。
昨日は劇場版『少女☆歌劇レヴュースタァライト』を観に行ったのでアマプラ映画はお休みしたが、映画自体は観ているのでまあよし。
前回は倫理観がぶっ飛んだ映画だったので、人に優しい映画をチョイスしてみた。
致命的なネタバレは避けるべく努力するが、あらすじや表現、全体の構成についてなどは触れようと思うので、一切情報を入れずに映画を観たい方はお気をつけて。
今回観た映画はこちら。
『最強のふたり』
〇観ようと思ったきっかけ
最強らしいため。
〇概要
2011年に公開されたフランス映画。
実在する二人の人物のエピソードを、エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュが映画化。大ヒットを記録する。
〇あらすじ
フランス・パリにて、脊髄損傷により首から下の制御を失った富豪フィリップが介護人を募集しているところに、ドリスという男が現れる。しかし、じつのところドリスが必要としていたのは、失業保険金給付のために必要な、就職試験に落ちたという実績のみだった。
ところが、ドリスはフィリップに介護人として選ばれ、彼の屋敷に住みこみで働くことになってしまう……
〇ノート
実在した二人のエピソードをモデルにしているので当たり前のことなのだが、とてもストレートに二人が友情をはぐくんでいく穏やかな物語だった。
しかし、平坦な構成ではない。
冒頭に友情が成熟した未来のシーンから開始することで、着実に進んでいく物語の指針を最初から示すと共に、キャラクター二人の(少しお騒がせな)関係性を強烈に印象付けている。忘れた頃に冒頭のシーンが意味を持ち始めるところも、とても上手いと感じた。
キャラを起てた後は、二人が関わり合っていく中で周囲の物事が少しずつプラスに転じていく流れを描いている。
最初はできなかったことが、しばらく後のシーンではできるようになっていたり、最初はドリスを白眼視していた周囲の人々が、徐々に彼を(変わった人と認識しつつも)受け入れていったり。
いくつもの変化の始点、過程、終点が、順番を前後させつつもしっかり示されているので、とても気持ちが良い。
悪い人間もいないし、全編を通して気持ちの良さに満ちた素敵な映画だった。
〇感想
今まで観てきた映画が大体異常な中年の話だったので、『最強のふたり』にはとても癒された(『ニュー・シネマ・パラダイス』も好きだったが、別の意味で心を滅茶苦茶にされた)。
ストレートかつ穏やかな映画だったので、キャラの起て方やドラマの構成が分かりやすくてとても勉強になった。
真っ直ぐに素敵な話もやっぱり良いなぁ……と、当たり前のことを今さら思い知らされた。
それでは、また次回。