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アマプラ映画感想メモ#20『Fight Club』
二時間越えの映画が続くアマプラ映画感想20日目。
致命的なネタバレは避けるべく努力するが、あらすじや表現、全体の構成についてなどは触れようと思うので、一切情報を入れずに映画を観たい方はお気をつけて。
今回観た映画はこちら。
『Fight Club』
〇観ようと思ったきっかけ
『映画大好きポンポさん』にて、ジーンくんが好きな映画三選に挙げていたため。
〇概要
1999年のアメリカ映画。監督はデヴィッド・フィンチャー。
原作はチャック・パラニュークによる同名小説。
〇あらすじ
自動車会社のリコール調査部に所属する主人公は不眠症に悩まされる日々を送っていた。マーラ・シンガーという女性に心をかき乱されていた彼は事故によって家を失い、旅先で出会った男タイラー・ダーデンと共に暮らし始めるが……
〇ノート
冒頭、脳神経のような細胞群の連なりをノリノリの音楽で経巡る描写から始まり、徐々にスケールを拡大しながらカメラを引き、銃を突きつけられた主人公の姿を映し出す。
あまりに危機的な状況で観客の目を惹きつけ、どうしてこうなったのかと回想が始まる。
立ち上がりの構成自体は珍しくない気がするが、この映画では終始この主観での語りが続けられる。一つの事実を主人公の主観を通すことで再構成し、物語性を最大化している。
恐らく原作小説から引き継いだ構成だとは思うが、小説だからこそできるはずのだった表現をサブリミナルや画面の揺れや視点、編集などによって映画だからできることに昇華していて、こんなことも出来るのかと感動してしまった。
小説を書く時につい主観の置き所を意識しそびれてしまう自分としては、参考にしたい部分が余りに多かった。
〇感想
ジーンくんが好きなのも納得の、滅茶苦茶面白い映画だった。
好きな部分のどこを書いてもネタバレになるので書かないけれど、テーマも描き方もモチーフも、何もかもが好きになってしまった。
原作小説を今さっき買って来たので、小説ならではの工夫がどう凝らされていたのかを調べていきたいと思う。
改めて思ったが、この世の中には面白い作品が本当にたくさんある。
この習慣を始めてよかった。