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えっ!?「カンニングOKの社会」が来るって!?(vol.2)

「カンニングOKの社会が来ますよ」
と言われたら
あなたはどう思いますか?
「えっ!?何言ってんの?そんな訳ないじゃん!」
と思うか。
「あ〜。それね。そうそう。もうそうなってるし」
と思うか。

実はある意味ではもうすでに
「カンニングOKの社会」になっているんです。

アメリカのいくつかの高校では
2006年の時点ですでに
カンニングを容認。

その理由は・・・

情報化社会では
Googleなど、インターネットを駆使すれば
無料で誰でも簡単にあらゆることが調べられるので
カンニングをするなと言っても意味がないから。

カンニングは物理的に防ぎようがないと。

さらに

「答えのない時代」に突入した今
必要なのは

知識を持っていることよりも
多くの人の意見を聞いて
自分の考えをまとめる能力。

そして

壁にぶつかった時に
それを突破するアイディアと
勇気を持った人の方が
重要になっています。

つまり

カンニングをして
知識を手にしたところで
それ自体には大した価値がない。

その知識を使って
いかによく考え行動できるか
という能力の方が重視されるのです。


ジャムおじさんの頭の中は?

ちょっとアンパンマンの世界で考えてみましょう。

現代ではインターネット上に
さまざまなレシピの情報が流れています。

ですから「パンを作る方法」という知識は
無料で誰でも簡単に知ることができます。

食パン、フランスパン、メロンパン・・・

レシピを見れば
誰でも作り方を理解することができるでしょう。

でも・・・

「自分の作ったパンで世界を平和にしたい」
「自分の作ったパンで人を助けたい」

と思った時、
あなたならそのパン作りの知識を
どのように使いますか?

アンパンマンは実際には
パン工場にいのちの星が落ちてきて
誕生するというストーリーなのですが

もしジャムおじさんが
1から作ったのだとしたら・・・

例えば

お腹を空かせて体力の落ちている人を救うため
 
【栄養面】
幅広い栄養素の入っている豆類であるあずきと
糖分を兼ね備えた「あんこ」を
エネルギーになりやすい炭水化物である
小麦で作ったパンでくるんだ
「あんぱん」を作る。

【機能面】
・老齢のジャムおじさん本人が
動かなくても自分で動いて移動できる
「動くあんぱん」としてのアンパンマンを作る。

・両手を使って人を助けられるように、
アンパンを顔にしてそれをちぎって
人に与えても生命を維持できる
(動くことができる)仕組みを採用する。

など、目的遂行のために
自分の持つ知識と技術を駆使して
アンパンマンを生み出したのだろう
と思います。

これはまた違う人が作れば
違った形の解決方法になるでしょう。

答えはいくつもある時代

このように答えはいくつも
ありうるのです。

けれども

これは知識や技術を得ただけでは
実現できません。

自分で考えてそれらを
使いこなす力が不可欠なのです。

現代はそんな時代に入りました。

ですから私たちは
次世代を担う子どもたちを育てる時

「いかに知識を身につけ、
確認テストで高得点をとるか」

ではなく

「いかに知識を使いこなし、
自分なりの答えを導き出せるか」

を重視していくことが大切なのです。

では

そんな力を養うにはどうしたらいいのか。

次回からはそれについて
考えていきたいと思います。

【参考文献】
ダニエル・ピンク(大前研一訳),  2006, 『ハイコンセプト 「新しいこと」を考え出す人の時代』, 三笠書房.

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大滝世津子
子育てにまつわるあれこれを綴っていきます。専門知識に基づいたことから日々の中で感じたことまで。保育系大学専任講師を経て、現在は、学童保育施設代表、子育て支援施設主宰、教育研究所所長、保育園理事。博士(教育学)。小学生の一男一女の子育て中。