2024年上半期映画ベスト10
今年の上半期に観た97本の映画から10本の映画を選出しました。ひとこと偏愛コメントとXに掲載した映画評とともにどうぞ
第10位『このハンバーガー、ピクルス忘れてる。』
ホントしょうもない恋愛会話劇なんだけど、センスしか感じない上半期の偏愛枠。これ以上ない中島歩の使い方をしている作品でラストも素晴らしくドラマの再編集版とは思えない完成度。『恋愛依存症の女』から6年… やっと時代は木村聡志に追いついた
第9位『正義の行方』
死刑執行後に判決が覆されるかもしれないと目された飯塚事件を追ったドキュメンタリー。全編見どころだが、「この事件は冤罪では?」から「この事件の有罪判決を誘導したのはわれわれでは?」に転調していく後半の自己言及的視点はかなりの見物
第8位『ありふれた教室』
学校という閉鎖的空間で繰り広げられる吐き気を催すほどの悪意の連鎖。社会に蔓延する悪意を全部詰め込んだような構成と見事なラストの対比もよきです
第7位『ゴールド・ボーイ』
この映画で復活の狼煙を上げたと言ってもいい金子修介監督作品。原作小説が面白いとしても、沖縄を舞台にしたサイコパスvs少年たちの先の読めない心理戦は抜群に面白い。ラストシーンから抜群のエンディングでさらに歓喜
第6位『辰巳』
上半期最高のインディーズ映画。なにより役者&作り手の熱量がハンパない。裏社会の底辺で生きるヤツらの生きざまと死にざまになぜこんなにも魅了されるのか…
第5位『ルックバック』
フィクションを愛し、信じる者たちに向けた祈りのような作品。希望と絶望。しかしこれはフィクションの敗北などでは決してない…
第4位『ソウルメイト』
香港映画の傑作『ソウルメイト 七月と安生』をキム・ダミ主演で済州島を舞台に描けば、最高のリメイクになるのは必然。ネット小説から鉛筆画への改変も決まっており、オリジナルより爽やかさを増した友情を超えた物語に…
第3位『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前後章』
破滅寸前のこの国を生きる全ての者に捧げる現代の黙示録。もはや並行世界へシフトするしかない展開に絶望せよ。繰り返すがこれは貴方が住むこの世界の物語だ
第2位『あんのこと』
弱肉強食の世界に対して社会は何が出来るのか。を絶望と希望を交えて描いた作品。貴方はたまたま「あん」ではなかった… それだけ
気になるところがないわけではないが、入江悠監督の自己ベスト大幅更新に敬意を表して…
第1位『悪は存在しない』
別格。もともとは石橋英子のバックグラウンド映像としてオーダーされたもので、シンプルなストーリーを軽やかに描きながら同時に幾重にも連なるような複雑性を帯びた完成度に慄く。時代は濱口竜介。映画に選ばれた存在
2024年上半期映画ベスト10
①悪は存在しない
②あんのこと
③デッドデッドデーモンズ
デデデデデストラクション 前後章
④ソウルメイト
⑤ルックバック
⑥辰巳
⑦ゴールド・ボーイ
⑧ありふれた教室
⑨正義の行方
⑩このハンバーガー、ピクルス忘れてる。
新作97作品中
その他候補作品
・哀れなるものたち
・違う惑星の変な恋人
・アメリカン・フィクション
・貴公子
・コット、はじまりの夏
・梟 -フクロウ-
・オールドフォックス 11歳の選択
・ふたごのユーとミー 忘れられない夏
7位以降は大混戦。迷ったー
下半期も素敵な映画との出会いがありますように…
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