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【バトルフィーバーJ】41〜42話

 いつものように呟こうとしたらたまたま不具合で投稿できなかったものをサルベージして手直し。


第41話「爆破寸前の大逆転」

 たまたま強盗に出くわしたために人質にされてしまったマサル。彼を助けたのは足柄星からやってきたというからくり人形型の宇宙人・金太郎である。マサルと金太郎は友達になったが、その瞬間、エゴスの基地でコンピュータが激しく乱れだす。金太郎の正体はエゴスのカラクリ怪人であり、すべてはバトルフィーバー隊を落とし入れるための罠であったのだ。
「友達」という言葉に誤作動を起こしたコンピュータを前に、「エゴス怪人に友達とか友情など不要な物だ」とヘッダーは言い放つ。
 前話(第40話「美人先生危機一髪」)に登場した勉強怪人は「学友」を欲していたが、それはいわゆる友達が欲しいというわけではなく、勉強怪人が子ども(御子!)らしくお勉強をするための舞台装置、あるいはちょっと利口なペットを求めるようなニュアンスであった。そしてカラクリ怪人も、別に自分からすすんで友達を作ろうとした訳では無い。
 カラクリ怪人と強盗カットマンの八百長試合により、マサルは御子を命の恩人と思い込んだ。ここまではエゴスの作戦通りであろう。だが、マサルは「金太郎」と過ごす時間を楽しく思い、二人の関係を「友達」と呼称した。それは、カラクリ怪人のコンピュータには今までインプットされていなかった概念だ。
 御子とは元来孤独なものである。サタンエゴスを父とし、人工の物々しい子宮から生まれいづる彼らは、巨大ロボを仮初の弟妹として与えられる他には、その身に近しい存在を持ち得ない。ヘッダーとサロメは部下でありながらもどこか管理者のように、御子たちをしばしば冷ややかに見つめている。あまたいるカットマンたちも、御子にとっては有象無象に過ぎない。
 マサルが金太郎に向けた真っ直ぐな友情は、きっとカラクリ怪人が初めて他者から受けた温かい眼差しであろう。バトルフィーバーの基地と共に自爆するというミッションをあと少しで完遂できるというところまで来ながら、カラクリ怪人はどうしてもマサルを巻き込むことができない。カラクリ怪人のコンピュータは彼の迷いに反応し、自爆装置を停止してしまう。
 ……しかし、エゴス怪人として生み出された以上、御子は身命を賭してバトルフィーバー隊と戦わねばならない。赤い隈取に大きなゼンマイを持ち、勇ましく5人を相手取るカラクリ怪人。だが戦場には「弟」すら派遣されす、彼はひとり寂しく爆散する。
 コサックが言葉を選ばず真実を伝えたため、マサルは「金太郎くん」がエゴス怪人であることを受け容れざるを得ない。バトルフィーバーの身内であるためにターゲットにされ、今回の騒動に巻き込まれたマサルは、本当ならばもっと怒ってもいいくらいの立場にある。だが彼は最後まで「金太郎くん」を探して走り続け、カラクリ怪人が倒された後も、その友情を忘れないと呟く。短い時間ではあったが、二人が心を通わせたのは紛れもなく事実であったのだ。


第42話「電気人間愛の火花」

 此度の御子は電気怪人である。電気怪人の攻撃を受けた者は電気人間になってしまう。電気人間はなにかに触れるとたちまち感電させてしまうことから、人々は互いに疑心暗鬼に陥り、「親子兄弟恋人といえども(中略)手を握ることもためら」うようになってしまう。これにより「人間同士の愛や友情、信頼などを引き裂」くのが此度のサタンエゴスの目論見だ。
 電気の出力を確かめるため、試運転中の電気怪人。ジョギング中の青年をひとりうっかり殺してしまったところに、たまたまパトロール中の京介が通りかかる。サロメと電気怪人はフォークダンスを踊る若者たちに紛れてやり過ごそうとするが、それを見逃す京介ではない。自分もするりと輪の中に入り込み、サロメの手を取って踊りながら彼女を厳しく問い詰める。何とおしゃれな尋問シーン……!
 正体を現した電気怪人の手により、敢え無く京介も電気人間にされてしまう。「体内の電気を増幅させているのだろう」と仮説を立てた神はなんとか京介の体内にある電気を吸い取ろうとするが、その試みは不発に終わってしまう。デリカシーのないケニアの物言いに加え、そもそも口の悪い九太郎の態度もあり、基地内もなんだかざわついた雰囲気。まさにエゴスの目論見通りである。
 被害者は次々に増え、病院でも手の施しようがない。しかも運の悪いことに、京介は殺人者の疑いまで掛けられている。最初に死んだ青年の妹・洋子が、偶然にも現場に現れた電気人間である京介をそう誤解したのだ。末の弟・弘が入院するほどの怪我をしたこともあり、京介は毛嫌いされている。
 しかし、そんな電気人間たちの体質は、まさに電気人間同士が手を握り、触れ合うことによってのみ解消されるのである。弘を乗せた救急車がエゴスに襲われ、生身の京介は単身洋子たちを救おうと孤独な戦いに挑む。しかし洋子は電気人間にされてしまい、京介も多勢に無勢。今にもやられかけた京介を洋子が身を挺してかばったとき、二人の体内にあった電気は空中高くへ放電される。これこそ、電気人間体質を直す唯一の方法であった。
 死んだ青年はフェンシングの選手であった。自らもフェンシングの使い手である京介は、トロフィーやサーベルを渡して弘を励ます。洋子の五階も無事に解けた。エゴスによって引き裂かれたはずの人間関係は、むしろ新たな親愛を生むきっかけとなったのだ。
 余談。あくまでも電気は吸収できるものと言い張る神の助言により、バトルフィーバーロボは電気怪人ロボの強大な電気を電光剣で吸収せんとする。向かい合うロボ同士を横から眺めるカメラアングルで、バトルフィーバーっロボが抜き払った鞘をぽいと背後へ投げるのがなんだか新鮮であった。普段は気づいたら構えてるものなあ。

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