◆艶色のコーディネイト #1
お気に入りのハンドバッグと
水色の大きな紙袋を片腕ずつに提げて
足早に駅地下道へ続く階段を駆け降りる
その足元見て心が高鳴った
ローズピンク色のジュエルナローズのバッグは
日々疲れの顔ぐすみを飛ばしてくれたし
軽く毛先を巻いてハーフアップにしたヘアスタイルは
先日ピンクブラウンにカラーリングを終えたばかりで
肩上でくるくると跳ね踊っている
午前中に寄った駅ビル内のネイルサロンでは
コーディネイトに合わせてコーラルピンクのグラデーションに仕上げてもらえた
派手すぎない上品な女性らしいカラーに
ラインストーンをサービスしてくれたネイリストさんの心遣い
手元を見るたびに笑顔が止まらなくなる
だって今日は普段着ることのない
ピーチピンクのニットに同色の細身のマーメイドスカートを合わせて
悠々自適な一人ショッピングデー
ひらひらと歩行リズムにあわせて揺れるレースの裾元からは
ダイアナのハイヒールをまとった足の甲がテンポよくちら覗く
そのあまりの美しさで自分自身に恍惚するの
理想である女性像を演じる楽しさに
昼下がりの人影少ない薄暗い地下道でさえも
ランウェイのように明るく輝いて見えていた
「お姉さん、お姉さん」
駆け寄ってくる軽い足音に気づいて振り返った時には
見知らぬ影に声をかけられていた
目を合わせないように前を向いたまま
アップテンポでコツコツとヒールを鳴らしていく
「それ、スナイデルだよね? 俺、スナイデル好きなんだ」
その言葉にあまりに驚いて
つい、あなたの瞳の奥を確認してしまった
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*クロユリ*の花言葉【リアル恋愛&女生エッセイ】9月終了
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恋し続けるために顔晴ることの一つがnote。誰しも恋が出来なくなることなんてないのだから。恋しようとしなくなることがわたしにとっての最大の恐怖。いつも 支えていただき、ありがとうございます♪